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短編

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初めて書いた短編小説
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#失恋

泣いたって始まらないのに

泣いたって始まらないのに

 二十才年上の彰之との出会いは、
友人と見つけた隠れ家的なカクテルバーだっだ。
何度か一緒になるうちに、彰之から声をかけてきた。
 由美は、彰之の洗練された身のこなしとは反対に、気取らない性格に魅せられ、気が付けば上擦るような恋心を抱いていた。
ふたりの関係が深くなるには、そう時間はかからなかった。


 それから四カ月が過ぎたある夜「俺、今朝会議だからもう出るから。
由美は仕事までまだ時間ある

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