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プレゼンテーションの教科書 #4 プレゼンテーションの基本原則



プレゼンテーションの基本原則


原則1
目的を明確にする

原則2
聴衆(オーディエンス)を見定める(相手のレディネスの分析)

原則3
内容の構成要素を検討する

原則4
論理的な順序を考える

原則5
構成を練る

(1)目的の明確化(原則1)


 プレゼンテーション・プログラムの作成の最初は、目的を明確にすることです。プレゼンテーションの目的は、自分の考えを他人に伝え、それを受け入れてもらうことですから、何のためのプレゼンテーションなのか明確にしなければなりません。「なぜ、プレゼンテーションをしなければならないのか」を考えて、目的を設定します。

例:

  1. 「来期から導入される新しい営業システムを理解してもらう」

  2. 「販売促進の効果を説明し、来年度の促進効果を10%アップしてもらう」


目的を絞る

[Ⅰ]何を話すかという目的をしっかり持つ
⇒目的を明確にした内容の構成
⇒目的達成のための方法
⇒どんな資料を用意するか
⇒どんな機器を使うか

[Ⅱ]なんのために自分はここにいるのか、自分の役割を認識する
⇒役割を最後まで忘れないで、話がそれない

[Ⅲ]何を話すかという目的をしっかり持つ

(2)聴衆分析(原則2)


 聞き手の立場に立って、どのような方法が一番よいのかを考えます。参加人数が少ない場合は、個々の実態を把握しやすいため、参加者の名簿を見ながらニーズに合ったプレゼンテーション内容を考えることができます。多人数の場合は、参加者すべての要望に対応することはできないため、対象をいくつかのグループに分類し、どの対象グループのニーズまでを考慮するのかを考えましょう。

  1. 聴き手の現在の地位、職位、担当分野の分析

  2. 聴き手の年齢層、性別、性格(特にキーマン)の分析

  3. 聴き手の学歴、専攻分野、これまでの経歴

  4. 聴き手にとって、何が必要で、何に価値があるのか

  5. 聴き手を説得するのに、何が有効で、何が不適当か


聞き手の心をつかむ構成の戦略

[Ⅰ]聞き手・環境のチェック
⇒年齢・職業・性別・人数 など

[Ⅱ]聞き手のニーズを読む
⇒何をのぞんでいるか
⇒どんな興味を持っているか など

(3)プレゼンテーション・プログラムの作成(原則3、4、5)


 いきなり内容の細かい検討に入る前に、全体の構成を考えます。どんなに優れた内容でも、相手が理解し、納得する話の組み立てでなければ、ムダになってしまいます。全体の骨組みをはっきりさせてから、各論を作り上げていくことを心掛けます。

プレゼンテーション・プログラム立案のステップ

(3)-1.メインポイントの抽出


 設定された課題に対して、プレゼンテーションに盛り込む内容をメインポイントとして整理します。具体的な目的・目標を詳細に分析して、それぞれに対応するポイントを案出し、さらに相手のレベルに合わせたニーズや関心事に的を絞ります。これが成功の条件となります。

(3)-2.サブポイントの抽出



 メインポイントが決定したら、次にそれをバックアップするサブポイントを抽出します。但し、このとき、必ず優先順位を決めておくようにします。

(3)-3.展開の順序の決定(聴き手の利益を強調)



 プレゼンテーションは説得のコミュ‐ニケーションでありますから、提案する企画や解決策あるいは新製品などが、聴き手の関心やニーズを充分満たし、期待通りに説得できるように順序を決定します。

(3)-4.トピックスごとの時間配分を決定

 全体の時間をリハーサルで確認後、それぞれのトピックスについて、更に時間配分を行い、充分に確認します。

(3)-5.配布用資料の作成

→プレゼンテーションを実施するにあたり、その詳細な資料を作成します。

  1. メインポイントを補足するもの

  2. 視覚資料に対して、より詳しく解説したもの

  3. プレゼンテーション終了後に、聴き手に対して具体的に何をして欲しいのかを示したもの(アンケート用紙等)


→資料配布のタイミング
 配布資料が決定したら、次に、いつ配布資料を配つたら最も効果を上げるのかを検討しておかなければなりません。

  1. プレゼンテーションを始める前に配布
     最も一般的な方法です。聴き手は事前に資料を見ることができるので、ある程度理解が深められまうが、開始直前に配布すると、逆に、聴き手は話を聞くよりも資料を見たがってしまい、注意力が散漫になり効果が半減してしまいます。

  2. プレゼンテーションの最中に配布
     大きなヤマ場や、視覚資料の補助として、プレゼンテーションの最中に配布する方法です。この場合"タイミング"が大切です。聴き手の気が散らないように、手際よく、すばやく配るよう、配布者の充分な配慮を必要とします。

  3. プレゼンテーションの最後に配布
     熱心な聴き手は、話の最中に一生懸命"メモ"をとりたがるものです。そこで、あらかじめ、重要な事柄は、後で配布する旨を説明しておきます。このようにすれば、聴き手は安心して聴くことができ、プレゼンテーションに集中してもらえます。


(3)-6.構成を論理的にする

人間の感情の自然な流れの例

■料理の絵をみせる…カタログを見せて説明する

感覚:料理や商品の実物を見たいと思う
記憶:一週間もたったら、このことは忘れるだろう

■作った料理をみせる…サンプルを見せながら説明

感覚:料理は食べたいと思い、商品は使ってみたいと思う
記憶:多分、このことを少しの間は覚えているだろう

■味わってもらう…サンプルを与え、一緒に使ってみる

感覚と記憶:料理は美味しければ→忘れなぃだろう
感覚と記憶:料理がまずくても → 忘れないだろう

感覚と記瞭:商品が気に入れば
感覚と記憶:商品が気に入らなくても


上記は、人間が商品を購入する際の感情を論理的に表したものです。
倫理的に説得する例としては、以下のような流れになります。

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こうように、要求→要求する理由→その理由の理由→その理由の理由の理由…と、繋げていきます。

(3)-7.プログラムの構成

基本的パターン

①序論…‥聴き手にこれから何を話すかを示す

②本論…‥メインポイントを詳細に話す

③結論…‥最後に重要なポイントをもう一度話す


プレゼンテーション・プログラムの基本構成

序論

あいさつ・・・自己紹介
エピソード・・・メインポイントに関連した短い話
ユーモア・・・ジョーク
質問・・・問いかけ
ショッキングな事実
プレゼンテーションの目的第1に~、第2に~、

まとめ方のポイント
挨拶と自己紹介をする
趣旨やタイトル(テーマ)の説明をする
興味や関心を引く切り出し方の工夫をする


本論

まず第1番目の件ですが…‥詳しく
まず第2番目の件ですが…‥詳しく
最後に〇番目の件ですが…‥詳しく

問題の解決法、概念提示、意見、アイディアの提示、具体例、実現結果、統計数字、調査結果など

まとめ方のポイント
タイトル(テーマ)は自分の話したい内容を凝縮させてっける
内容項目(ポイント)はフレーズ化してわかりやすく表現する
情報が多すぎ.ないように絞る
具体的な事柄やエピソードがタイトルや内容項目からそれないようにする


結論

以上
第1番目は
第2番目は
○番目は

話した内容を簡潔に要約、最終確認的調整・補足成功へつながるように話す

まとめ方のポイント
・要点をまとめる
・重要なことは繰り返す
・全体のまとめを工夫する
聞き手の反応はどうか?
ビジュアル化の効果は?
印象に残るか


(3)-8.話す内容を組み立てる


→自分の考えを明確にする

  1. 話の中心を決める

  2. 情報の収集、分析をする

  3. アウトラインを決める


→本論で伝えたい内容のポイントを決める

  1. タイトルの決定

  2. 内容項目(ポイント)の設定

  3. 要点をまとめ、重要なことは繰り返す

  4. 印象的なまとめ方を工夫する


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