ゴレンキュー

うちの会社では、有休消化のために半年に一度五連休を取る。
今日から、その待ちに待った五連休だ。
と言いたいところだけど待ちには待っていなくて、むしろちょっと嫌だなーとすら思っていた。なんと、そんなことがあるのか…。あるのよ…。

だって、ここのところ先輩の異動による人員不足で、五連休に何も備えられていなかったから。
私の頭の中にいるスーパーワタシ(タワシじゃないよ)であれば、後輩である新入社員の子のためにあらゆる準備をし、みんなが仕事しやすいようにあらゆる計画を完璧にし、意気揚々と五連休に入っているのですが…。

そんなスーパーマンはいないので、もう散々なのだ。
直前の日に残って、なんとか最低限のことはしてきたけれど、急いでいたしハラペコだったからできているのかどうか怪しい。(心配。でも休みだからもう考えないことにした。)

それに五日もあればどこか旅行にも行きたいものだけれど、積み重なった残業により、もう身体から「イヤー」というかぼそい声が聞こえてくる。大人しくしよう。

仕事が終わらせられなくて、ちょいと大変だった。
体力的にもそうだし、先輩がいなくなってからいらん責任感を発揮してしまって精神的にも、でもやはり急にやることが増えて溺れていたな。うん。今だからできる冷静な分析。

私は仕事中、アンパンマンかもしくは朝ドラのヒロインとなって自分を鼓舞して働いている。
そうでもないと通常バージョンの私では暗くて遅くて話にならん。
これらになることによって、自分なりにスイスイっと働ける。ライフハックである。
仕事時間が増えたのと、帰ってからも仕事のことを考えたりなどすることによって、アンパンマン朝ドラヒロインがいつの間にか自分を侵食していたように思う。
仕事用の私も、嫌いなわけじゃないんだけど。
私のためだけの私が削られて、アンパンマンヒロインの占める割合が増えていたのだ。
だから辛くて、「私の私はどこー」と半べそかきながら迷子みたいに探し回っていた。

だからしばし、アンパンヒロインには別れを告げよう。
今日から休みの間は、自由に喜び、自由に落ち込み、暗くなったり明るくなったり速くなったり遅くなったりしよう。
大人しくしつつ、傾いてしまった生活をすこし立て直したいと思うよ。

しばしのさようなら、アンパンヒロインマン。
五日後にまた会いましょう。

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