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青森へ行く。(青森旅行記 6月28日〜6月30日)
はじまり
青森へ行く、ことにした。
仕事が、半年に一度五連休があるので。
目的はない。
せっかくだから遠くへ行きたいのと、暑いから北がよかった。
ギリギリまでどこに行くか決めてなかったから、五連休が始まる前日に青森に決定、五連休一日目にしてようやくホテルを予約した。
五連休の真ん中を使って、二泊三日にしよう。
いくら目的はないと言っても、いちおうどんなところかくらいは調べていると、青森市に美術館があった。
奈良美智さんの「あおもり犬」が有名な展示作品だ。
これは、ぜひ行きたい。
「もし万が一何もなくても、美術館だけ行けたらいいや」と思っていたその美術館が、展示替えにより休館中だった。
ということにやっと気づいた旅の前夜、24時ごろ。
前夜というか日付的にはもう当日だった。
「ああーーーハイハイ、これが私です」ってなるしかなかったね。
もう宿も取ってるしね、なんとでもなれ、と思うけれど、やっぱちょっと心細くなった。
そんなアナタにはこの一冊!!
能町みね子さんの『逃北 つかれたときは北へ逃げます』(文春文庫)!!
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能町さんは、日常からエスケープするようにして、北の方へ逃げる。
何をするでもなく、北に住む自分を想像して過ごすと言う。
この本をお守り代わりとして(Kindleなのでスマホの中にある)、「きっと何とかなる…!」と自分に言い聞かせて電車に乗り込んだ。
青森到着
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和歌山を出発した約8時間後。
本を読んだり外を見たりしているうちに、青森駅に着いた。
着かなすぎて、永遠につかないんじゃないかと心配したけど、着いた。
雨の予報だった天気は、かろうじて持ちこたえている。ラッキー。
荷物を置きたく、さっそくホテルにチェックインだ。
目標
目的のない旅だけれど、一つ目標として立てていたことがある。
それは「方言をたくさん聞く」ということ。
今回、それを達成できたのがとても満足いっている。
まず青森について一発目、ホテルにチェックインするときにすらスタッフさんが訛っていらっしゃって、感激した。
私は平然と感じの良い客を装いながら、頭の中ではやんややんや、お祭り騒ぎの大騒動、村一番のパーティーであった。
そのあとにも入ったコンビニで、喫茶店で、何を話すにもやはりイントネーションがナチュラルに訛っていらっしゃる。
マイナスイオンのように、吹き出る方言を浴び放題。
もう、もう、それが至福で癒しでした。
癒し その②
そして何よりも、みんな優しかった。
1日目に着いてさっそく訪れた喫茶店、マロンにて。
和歌山から旅行に来てることを話すと、「なんでまた青森に…?」と言われ冒頭の理由を話す。
おすすめの場所をきいたら、おねえさんがおにいさんに、おじちゃんにもきいてくれて、みんなで考えてくれた。
しかも今は使ってないからと、喫茶マロンのマッチをくださった。嬉しい、、、!
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2日目に訪れた、50年代アメリカをテーマとした見るからにかわいい服屋さん「PINUP MOM」。
1日目の夜散歩のときに発見して、絶対に行きたいと目星をつけていたお店だ。
散歩の時、お店は閉まっていたけれど外から見えるだけでもかわいい確信があった。
行ってみると、まず店主のお姉さんがかわいい!まさに50年代、アメリカン。
内装もかわいくて、置いている服やアクセサリーも最高〜〜〜〜〜にかわいい。
お話を聞きながら見せてもらったり、試着させてもらったり。
最終的に袖のパフ感が最高にかわいい赤ギンガムチェックのブラウスと、ピンクと水色のパーツがかわいいイヤリングを買った。
そしておすすめのラーメン屋さんを教えてもらい、道も教えてもらい、とっても親切にしてもらって楽しい時間を過ごしたのでした。
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ところで、私のスマホ画面は、保護ガラスが割れてバッキバキである(はよ貼り替えろ)(馬鹿者)。ホテルを出てスマホ出したときに、その破片が指に刺さって血が出てしまった。愚か。。慌てて絆創膏を求めてコンビニへ。
痛いの無理なのでアセアセしてたら、たぶんだいぶ慌てて見えたのでしょう、レジのマダムが「この袋ハサミがいるからね」って、袋を開けてくれて、さらに絆創膏を指に貼ってくれたのです!
やしゃしぃ〜〜〜ン、、、
なんか、泣きそうになっちゃった。優しくって…本当に…。
私のようにどうしようもなくダメな人間がいたり、
どうしようもなく優しい人がいたりして。
「嗚呼、地球…」という気持ちになった。
あらやだ壮大。
おわり
「きっと何とかなる…!」と自分に言い聞かせた、不安ありの無計画旅行。
結果としては、、、、何とかなった。
どこに行っても、私のすることは変わらなかった。
歩く、歩く。
なんか好きな街並みや建物を見つけては、そちらへふらふらと歩いていく。
喫茶店で身体を潤し、休憩する。
そこにいるお客さんの会話を盗み聴く。
古本屋さんや、本屋さんへ行く。
いい感じのお店があれば買い物する。
なんか、どの選択を取っても結果的には正解にしていける、という自信を得た旅になりました。
正解も不正解もないんだけど。
どう転んでも、ぜんぜん、大丈夫だ。
「旅の恥はかき捨て」と言いますが、
人にめいっぱい甘えて、頼りにするのがいいのかもしれないと感じた。
そりゃ、毎日は無理かもしれない。迷惑かけるのは、こちらも気が引けるし。
でも、訪れた土地で出会った人に親切にしてもらう。
それくらいなら、ちょっと許してもらってもいいのかもしれない。
たまの贅沢に、甘えさせてもらおう。
それが何よりも癒しになった旅でした。
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