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プロポーズの答え

 僕は焦る気持ちを抑えながら夕日に向かって彼女が待つ海岸へ車を走らせていた。

 今から遡ること一週間前…彼女の誕生日にあわせ「二人の想い出の海岸で夕日を見よう」と僕が言い出したのに急な割り込み仕事で会社を出るのがすっかり遅くなってしまった。

 「間に合ってくれ…」僕は確かめるようにポケットに入れた小箱をギュッと握りしめ、横に移動した夕日をチラリと見ると、もうすぐ日が暮れようとしていた。

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 その後、急ぎ車を走らせたが、結局夕日には間に合わず。。
 『これはまずい』と日を改めようかと思ったが、この日を逃すわけにはいかないと思った僕は彼女と食事をしたあと「僕と結婚してください」と彼女に指輪をさしだした。

 しかし、彼女は「すこし考えさせて」と答えを保留した。

 それから一週間後…今からその答えをもらえることになっている。

 「今日は何とか間に合ったな…」僕は車を停め、彼女の待つ海岸へ小走りに向かうと彼女のシルエットが目に入った。

 「ごめん、今日も待たせちゃって」彼女の前で息を切らせながら立ち止まると、彼女は黙って僕に背を向けた。

 しばらく重い沈黙が続き『ダメか…』と思った瞬間、
 「左手だして」彼女が小さく呟いた。

 僕は指輪を返されるのかと思い、少し震える手を彼女のほうに差し出すと、そっと左手を重ねてきた彼女の指にはエンゲージリングが輝いていた。

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