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自分たちで育てた花を花束に

 2020年、コロナが私たちの生活を一変し、様々な業界の人たちがダメージを受けています。花業界も例外ではなく、緊急事態宣言を機に都内の花屋が営業停止せざるを得ない状況もあり、今まで当たり前のように売れていた花が売れない状況を目の当たりにしました。
 今までのような誰かに売ってもらうことだけでなく、自分たちでお客さんに届けなくては行けないと感じています。

1.今までの流通

 最近、野菜栽培などは大手資本が入り、独自の流通を生み出したいる会社も増えていますが、依然花の業界では、JAなどの組織を主体に一品目をまとめて大量に出荷されている形が多く取られています。(決してJAなどが悪だとかいう話ではなく)正直、かなり楽だしすぐお金にもなります。
 ただ、今回のコロナが示したように一時的にでも需要がなくなった場合や温暖化などの影響で供給過多になった時に大きなダメージがあり、最悪の場合せっかく栽培した花を廃棄せざるを得ない場合もありえます。結婚式や葬儀の縮小化など今まで業務用で花業界が回っていたことを改めて実感する機会でした。

2.流通の変化

 コロナで花屋が営業しなくなり、花が売れなくなった時、助けてくれたのは量販店向けの花束業者の方たちでした。実際に、量販店やホームセンターなどでの花の売り上げは増えており、今までの流通が大きく変化してきているともいえます。
 パリなどへ旅行に行くと、スーパーなどにすでに出来上がったブーケが売られており、日本も同じような形態が増えていくのでは、なんて気もします。
 私たちもご縁があり花束業者さんと来年から契約栽培を行う予定で、市場出荷では長くてボリュームがあるものが良いとされていますが、花束に加工する場合は、そんなに長さは必要ないです。私たちが出荷の段階で短くすることで、お互いにメリットがある形で販売できます。売り方が変われば、栽培の方法も少しずつ変わっていくかもしれないです。
 最近では、特に地方で直売所での花の売り上げは年々増えており、物日(お盆やお彼岸)などは大勢のお客さんで賑わっています。直売所出荷メインで栽培している方も増えており、お客さんもより新鮮で長持ちする切り花を購入する機会が増えてきているといえます。

3.オンラインで花屋開業

 私たちが農業をしている南相馬市小高区は、東日本大震災により避難を余儀なくされた街だ。震災からすでに10年経とうとしていますが、以前震災の影響が少なからず残っています。
 そんな私たちの街には、実はお花屋さんがなく、直接お花を買いに来られる方も少なくないです。最初はそんな方たちのためにお花を提供したいという思いから準備が始まりました。
 さらに、コロナなどの影響で花の値段が暴落したことも後押しして、オンラインショップでのブーケやスワッグ、リースなどの販売を始めました。売れ行きはまずまずですが、実際にお客さんの反応を聞けるので、品目・品種選びなど栽培にも良い影響を与えています。

4.新しい花屋のスタイル

 私たちが今後目指すスタイルは、季節ごとで自分たちの栽培した花をつかい、お客さんに直接提供できる機会を増やしたいです。
 また、収穫からスワッグなどまで作れるワークショップなど、自分たちも楽しみながらやっていけるスタイルを構築していきたいと思っています。
 花屋で購入した場合は、生産者の顔は見えないです。生産者もまた、購入してくださるお客様の顔は見えなかった。その両方をつなぐことで花を育てる私たちの思いを伝えることができ、どんな人がどんな思いで、どんな風に飾ってくれるのか、その思いをくみながら花を育てていきたいです。

 今後の私たちhinatabaを是非よろしくお願いします。

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