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【Bs投手分析】先発編:3本柱に続く選手は誰だ!!

前々から、『このnoteは時代を超えて受け継ぐべき(大袈裟)』と思っていたものがあって、それが今回のnoteになります。先発分析。

多角的な視点とデータ分析で、中日新聞にて記事を執筆するなど、中日界隈を牽引するロバートさん(@robertsan_CD)が、2019年度オフに作成した【ロバートさん式先発マッピング】。投球イニング・QS率からそのチームの先発投手層を分析するというものなのですが、これが本当に素晴らしくて分かりやすい!

お若。も、昨年この指標を使わせていただいて、オリックスの先発陣を考察しました。
言わば、2020年の答え合わせと2021年の先発投手の考察noteになります。

↑2020年度verはこちら↑

それでは本文に入っていきます🧚‍♂️


①2020年の答え合わせ

2019年度の先発投手を分析して、2020年度の先発投手を予想した昨年のこの時期。

キーマンには、左肘の故障離脱に悩まされ続け伸び悩んでいた田嶋大樹投手を挙げましたが、今年遂に持っているポテンシャルが開花
1年間を通して先発ローテーションを守り続け、自身初の規定投球回に到達するなど、充実した1年を過ごしました。
エース・山岡が右脇腹腹斜筋損傷で前半戦を全休するなど苦しい状態にあった中で、彼が1年間投げきったことは大きな意義がありますし、何より彼にとっても自信を持てる1年間になったでしょう。

また、2019年は主にビハインドリリーフ・ショートスターターとして36試合に登板した山﨑福也が、キャリアハイとなる15先発で84イニングに登板!
コロナ禍で試合数が少なかったことを考慮すると、例年水準で凡そ100イニングと推定され、彼もまた先発ローテとして大きく貢献した1年でしょう。
『令和の星野伸之』とも評される緩急を活かしたピッチングで、時には7、8回まで投げるなど、数値の割に大きく崩れる試合も少なく、イニングマンとして十分な役目を果たしたと言えます。

また、腰痛の影響で2019年は不安定な投球が多かった外国籍投手のアルバースも、今季は故障が癒えて89イニングに登板。
36歳と高齢である点・年俸2.4億円と高額であった点・外国籍枠としては年俸に見合う成績でなかった点などから、契約継続は見送られました。
(ここから新外国籍投手の獲得の可能性はありえますが、)2021年は彼が投げたこのイニングをどう埋めるかが1つの鍵になるでしょう。

その一方で、2019年に100イニング以上を投げたKー鈴木が、今季は不振で大きく逆噴射。開幕こそ一軍で迎えたものの背信投球で期待を裏切り、シーズンを通しての防御率は10.80と、余りにも寂しすぎる成績に終わりました。
先発→中継ぎ→先発→中継ぎ→抑えと、1年を通してポジションも一・二軍も行ったり来たり…。
長いイニングを投げられるスタミナ云々の前に、四死球でランナーを貯めて浮いたカウント球を捉えられノックアウトと、持ち味は完全に影を潜めました。2021年のポジションも白紙です。

また、2020年にはスポット的な活躍で度々ローテの窮地を救っていた竹安大知も、右肘の手術→新型コロナウィルス感染と、1年間を通してほぼ全休。終盤に復帰を果たしたものの僅か9イニングの登板に留まるなど悔しい1年に。

その他では、エース・山岡泰輔が、自身2試合目のロッテ戦で右脇腹腹斜筋損傷の影響で、前半戦をほぼ全休。
元々小柄な身体をめいいっぱい使った縦回転のフォームであることや、コロナ禍での自粛期間からのオーバーワークなど複数の要因が挙げられ、今季は運に恵まれなかったか。
復帰後はフォーム改造もあり66.7%と高いQS率、防御率2.62と昨年をも上回るスタッツを発揮。
昨年までの実績を踏まえても、故障離脱等の有事が無ければ先発ローテーションの格として計算できるでしょう。

結果的には、昨年飛躍した若手投手の不振は目立ったものの、中日へ移籍の松葉貴大、自由契約となったエップラー、成瀬善久の30イニング強は容易に埋めることができ、寧ろ山﨑福也・田嶋の両サウスポーらの活躍もあり、元々強固であった先発ローテーションは更に強化されたと言えるでしょう。

②2021年の先発投手分析

まず、2021年度の先発スタッフをおさらい。
昨年先発として登板した投手の中では、89イニングを投げた外国籍投手のアルバースが退団。
また、吉田一将は本来はリリーフが本職であり、先発登板した2試合は、いずれもショートスターターとして3イニングとして投げたものでした。
他には、鈴木優、村西良太、張奕、K-鈴木の4人が中継ぎ転向の可能性が有り、特に鈴木優と村西の2人は中継ぎ転向が決定的と見られます。(残り2人は流動的)

その一方で、JABA選抜にも選ばれるなど社会人野球を代表する存在だった、阿部翔太(28)が日本生命から加入。先発・中継ぎ両面でスポット的にチームを救う役割を1年目から期待されており、先発として見た時は谷間ローテの1枚になると考えられます。
また、前年まで抑えを務めた増井浩俊(36)、ディクソン(36)が先発に本格転向の見込み。増井は2020年の後半戦から一足先に先発に移っていましたが、2021年は自主トレ〜の長期的視野での先発転向であり、万全のコンディションが見込まれます。
また、ディクソンは最速で2022年から日本人選手扱いに。以後の契約継続を得られるかは、先発中継ぎ両面での登板適性を証明できるかどうかにかかっているといえるでしょう。

その他では、(1月6日時点では)目立った補強や配置転換はなく、2020年度のメンバーで勝負をかけることになります。
試合数が120試合→143試合と増えるため、昨年存在しなかった207イニング前後が更に必要です。(これはオリックスに限った話ではないが)

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基本ローテーション(推定)

山岡 泰輔(26) 12登 4勝5敗 69.1回 2.60
田嶋 大樹(25) 20登 4勝6敗 122.1回 4.05
榊原 翼(23) 9登 1勝4敗 43.1回 5.19
山本 由伸(23) 18登 8勝4敗 126.2回 2.20
山﨑 福也(29) 15登 5勝5敗 84.0回 4.50
増井 浩俊(37) 16登 2勝2敗 35.2回 3.03
& 中10日登板&抹消
宮城 大弥(19) 3登 1勝1敗 16.0回 3.94

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まずやはり目をつくのは、山岡・山本・田嶋と日本代表・準代表クラスの若手投手を3枚も保有している点でしょう。元々右腕の山岡、山本の2人は早い段階から信頼を築き上げ、若くしてエースの座を争い合うレベルになりましたが、2020年はここに変則左腕の田嶋が先発ローテーションに定着。
万全なら3人で全体の40%となる500イニング前後を見込めるレベルなうえ、山岡が来季26歳、田嶋が25歳、山本が23歳と全員若いことから、メジャー移籍等を考慮しても強固なローテを数年間保持し続けられるのも大きな強みです。絶対王者・ソフトバンクにも正面から殴り合える豪華布陣。
また、山岡がスラッター+カーブ(縦スライダー)+チェンジアップの出し入れで勝負する技巧派、山本がMax158km/h・Ave151km/hの速球と高速変化球を軸に勝負する本格派、田嶋が特殊なメカニクスから多彩な変化球を投げるサウスポーと、全員が綺麗にタイプとしても差別化できていることもあり、新外国籍投手を獲得するときに明確なスカウティングを行えることもまたプラス要素でしょう。

(新外国籍投手の獲得があれば上記3人+外国籍投手で4枚目まで埋まるとして)、それ以後の4.5番手に来るのは、昨季84イニング(143試合換算で100イニングと推定)を投げた山﨑福也が筆頭候補になります。

QS率38%、防御率4.50とまずまずの成績とはいえ、調子が奮わない試合でも(失点数はともかく)安定して最低でも5回は投げきる力はあるので5番手以降のイニングマンとしては十分と言えるでしょう。

とはいえ、上位進出を見込んでより強固な先発ローテーションを築くならば、現時点の彼だと谷間先発投手として配置したいのも本音。

入団当初〜燻っていた頃からは大きく皮を剥けてくれましたが、それでもAve140km/h前後の平凡なストレートは、被打率.304、被本塁打7と改善の余地あり。8月28日のロッテ戦では、中村、マーティンにそれぞれストレートを投じて確信ホームランを浴びるなど、根本的な球質が軽く、高め勝負が主流になりつつ現代野球で生き抜くためにもストレートの更なるパワーアップが求められます。
チェンジアップ、2種変化のカーブと質の高い大きな変化球を活かすためにも、ストレートのパワーアップには積極的に取り組んで、先発ローテの座を護りきって欲しいです。

それ以降の先発投手は、2019年にプチブレークを果たすも、制球難による逆噴射で期待を大きく裏切った榊原翼(23)、中継ぎ転向案もある張奕(27)、K-鈴木(27)らが挙げられます。
特に榊原は、不振に喘いだとはいえ9試合全てで先発登板、シーズン最終戦もハッパをかけて先発を任されるなど未だ首脳陣の中で大きな期待を受けていることが伝わります。
上半身の負担を軽減するためのフォーム改造に失敗し、一時期はかなり迷走、復帰後も被打率.278、与四球率8.11、防御率も5.19と全てにおいて寂しい数字。
『自分』を取り戻しエナジー滾らせるピッチングに期待ですが、来季で23歳とまだ若く、チームの先発層も厚いため、無理に焦らずに1つずつ着実にステップを踏むのが、結果的には最短距離になるのかな?とも思っています。

全体的に選手層が厚い先発投手争いですが、山﨑福也以降の投手は、全体的に投げてみないと分からない所謂0or100のポテンシャル投手が多く、3本柱が欠けた際や外国籍投手が不発に終わったときに、彼らに過度な期待がかかりすぎると、手薄な中継ぎ陣に負担がかかりがちになるという点は見逃せません。

こちらを脱却するために、2019年にプチブレークを果たすも期待を大きく裏切った、特に榊原・K-鈴木・竹安・張の本格的な覚醒が大きな補強になりますし、2021年の注目選手は彼ら4人ということになります。

もちろん、先発に本格転向のベテラン・増井浩俊、ディクソンや、日本生命からドラフト6位で加入した阿部翔太など、悪いなりに安定して60点前後のピッチングを計算のできる選手も居るので、ローテーションの崩壊までは考えづらいですが、将来的にソフトバンク筆頭の強豪チームと渡り合うためには、彼らがフル稼働している状態はできれば避けたいところです。

ここに、NPBプロスペクトランキングでも上位に入る、宮城大弥(20)・前佑囲斗(20)・本田仁海(22)ら若手投手が、順調に成長を魅せ、既存の先発陣を脅かす存在となればもう言うことはなしでしょうが、あくまでも大きく育てることを最優先として欲しいですね🥰

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