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年間200名採用のSmartHRが実践する「中途採用レポーティング」のクフウ

こんにちは。SmartHR 採用ユニットの日永と申します。

SmartHRでは、年間200名程度を目標とした中途採用を行なっています。その採用活動については色々なところでオープンにしていますが、この記事では、中途採用のレポーティングにおける工夫について書きたいと思います。

数値の集計やレポートは作って満足しがちですが、正しい情報を必要に応じてさくっと取得して、本来時間を割くべきものに集中できるのが理想ですよね。私自身、「これ完璧なのでは...?😳 」という解はまだまだ見つけられていないのですが、ちょうど1年前の自分の悩みが少しだけ改善されてきたので、このタイミングで書いてみることにしました。

▲1年前の自分の悩み(ちょうど1年前で驚きました。1年って早いですね)

SmartHRの採用活動について

まずは前提として、SmartHRの採用活動についてご紹介します。

・中途採用のみ。応募は2021年以降で7,000名超、年間200名超の採用目標
・社員9名 + 派遣スタッフ3名 = 12名のメンバーが在籍
・うち7名が2021年入社(!)
・メンバーは、採用マーケ/広報・リクルーター・コーディネーターという分担

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▲ざっくりとした分担図。赤枠は募集中のポジションです🤗

採用マーケ/広報・リクルーター・コーディネーター をもう少し分解すると下図の様な分担になっています。実際には、カッチリとした縦割りではなく、直近入社したメンバーも多いため、良くも悪くもゆるやかな分担になっています。

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私はチーフとして、メンバーの評価、目標設計、採用進捗の管理などを主に行っており、その中の一つとして採用のレポーティング業務があります。

現在のSmartHRの採用レポートについて

2021年1月から使っているレポートの一部を実際のアウトプットとともにご紹介します。まずはデータの流れからです。

・元となるデータは、ATSやGoogleフォームからスプレッドシートに集約、それをGoogleのデータポータルでレポートとして出力
・データポータルは、ざっくりとピボットテーブルがものすごい進化を遂げたものという感じ(個人の見解です)のもの
・社内はもちろん、エージェントさまにも公開し常に最新の採用状況を共有

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▲ざっくりとしたデータの流れ

次に、レポートの一部をキャプチャでご紹介します。実際には、7ページに別れており、応募から内定承諾までのプロセスを追いかけることができるものになっています。

※これ以降、複数のレポートのキャプチャがありますが、あくまでレポートのアウトプットイメージをお伝えするものです。データの取得時期や対象ポジションがバラバラであるため、数値については仮のものとしてご覧ください🙋‍♀️

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▲内定承諾目標数と実績

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▲応募数と書類選考通過率の月次推移

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▲応募以降の主要な数値

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▲入社済・予定数の月次推移

2021年からはこちらのレポートを活用していますが、これに至るまでには、いくつかの変遷がありました...😌

SmartHRの採用レポートの歴史について

ここからは、前項でお見せしたレポートに至るまでの工夫を時系列でお伝えしていきます。

なお、これから書く内容は、あくまでSmartHRの採用に合ったものを考えていった過程に過ぎません。ついては、用いたツールや指標ではなく、何を大事なポイントとして工夫していっているか?に焦点をおいてお伝えしていきたいと思っています。

【レポートを考える上でのポイント!】
1. 社内外からのアクセスは良いか
どんなレポートも、見て活かされないと意味がないため。また、関係者(社員・エージェントさま など)に最新状況を可視化して協働につなげるため
2. 大事にしている指標の目標と実績が見られるか
自社の採用にあった指標に対してのフィードバックを常に得られる状況を作るため
3. 更新にかかる工数は最小限に、かつ誰でもできるか
集計やレポート作成自体ではなく課題の特定と施策の企画・実行に時間を割くため

それでは、2019年からさかのぼって見ていきましょう😉

2019年:スプレッドシート時代

私が入社した時(2019年11月)に使われていたものです。シンプルに、ポジションごとの目標・実績・残数を表しています。新しい職種が増える度に行を足したり、充足したらグレーアウトしていたりしていたのかな?という苦労が垣間見えます。

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😄スプレッドシート時代のポイント:

1. スプレッドシートなので、社内からのアクセスは○。社外への公開は無し
2. 各ポジションの採用目標と実績は明確だがそれ以外の情報は無し
3. 表示項目は少なく、更新にかかる工数は最小限

入社した時にこのシートを見て、選考過程の数値が見たい!と思い、レポートを作り直して良いか?と手を挙げて、2020年1月から使えるレポートを作るPJをスタートさせました🙋‍♀️

2020年:スプレッドシート 2.0時代

「選考過程の数値が見たい!」と思ったものの、まずは何の数字が見えていると良いか?を考えました。その際においた指標としては、応募数とリードタイムでした。

まず応募数についてですが、それまで、チームとして応募数の目標自体が無かったこと、また2019年夏からATSを刷新したことから過去のまとまった期間の参考値をとることができなかったため、各求人の母集団の目標をリクルーターに設定してもらうところからスタートしました。

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▲母集団の目標計算を依頼するために作ったシート。手作り感たっぷりですね😇

次に、リードタイムについては、各選考ステップ間と、応募から2次面接(SmartHRの選考では2〜3回の面接を実施しています)までにかかっている日数を見られるようにすることにしました。

結果的に、スプレッドシート 2.0時代のアウトプットはこの様なものになりました。

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▲内定承諾目標数と実績(実際は左縦軸にグループ名を表記)

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▲応募数と書類選考通過率の月次推移

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▲選考ステップごとの目標と実績。応募数とリードタイム(=LTと表記)の実績はここで確認できるようになっていました

😄スプレッドシート 2.0時代のポイント:

1. スプレッドシートなので、社内からのアクセスは○。また、エージェントさまにも一部を別ファイルで公開していたものの、更新が追いつかず荒地に...(これは3の課題にもつながります)
2. 各ポジションの採用目標と実績、応募数・リードタイムの目標と実績も見られるように!
3. 表示項目が多く、更新やポジションの増減ににかかる工数が週3時間程度...

2021年:データポータル 時代

スプレッドシート 2.0時代、私はある時はチーフ、ある時はスプレッドシート職人と化し、日々の更新に追われていました。例えば、新しいポジションをリクルーターがオープンしたら、毎回Slackで日永にメンションしてもらい、そのポジションの行を追加して表示されるようにする という対応を行っていました。今思い出すだけでもウッとなります。

悩みながら、採用で使っている各種情報を洗い出したりしてみたのですが、かなりカオスなものに仕上がりました。(「あるが更新やばい」「ない」という文字が並んでいます😇 色使いにもこの時の心情が表れていますね😇)

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スプレッドシート職人からの卒業を決意し、社内でのヒアリングやスプレッドシート以外の方法を模索していました。その際、SmartHRですでに使用しているLookerが使えるのでは?と採用チームのメンバーに提案をもらい、当時のCIOとCSの方に相談しました。その際に紹介されたのが、Googleのデータポータルでした。

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▲いろいろ比較してみた時の表です。本当はATSで全て見られるのが良いのですが、アクセスの良さやカスタマイズ性からデータポータルを試してみることに

データポータルでレポートを作るにあたって、集計をする上での定義をきちんと決めておく必要があるため、レポート上で表される数値が何を指しているのか = ATS上でそういう状態の人か?を定め、コツコツとレポートに落とし込んで行きました。

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...こうして、前項でご紹介したレポートが出来上がっていったのでした。

😄データポータル 時代のポイント:

1. リンク共有できるので、社内からのアクセスは○。また、エージェントさまにもリンク共有しています!
2. 各ポジションの採用目標と実績だけではなく、応募数・リードタイムといった指標の目標と実績も見られるように!
3. 表示項目が多いが、更新の工数は半分以下に!

とはいえ、まだまだ課題はあり、引き続き改善を行っているところです💪

😭データポータル 時代の課題:

1. リンク共有できるが、スプレッドシート 2.0時代のレポート以上の認知は獲得できていない感覚...(あくまで感覚なので、実態の把握から必要)
2. 採用広報など新しいPJが走る中、見るべき指標のupdateができていない
3. データポータル自体の管理は日永のみしか行っていないため、誰でもできる状態に落とし込めていない

(おまけ)データポータルの感動ポイント

ここからは少し余談にはなってしまいますが、Googleデータポータルで感動した点を3つ挙げます!採用の規模や手法によって、必ずしもデータポータルが良い選択肢にならないこともあると思います。もしも検討される場合の、参考までの情報としてください😌

1. グラフ上の色指定がとてもラクチン!

スプレッドシートでレポートを作っていた時代、例えば、チャネルごとに色を決めて、複数のグラフで決めた色で表示させるのに手間がかかっていました。そんな時!データポータルなら、色の設定を固定で行うことができます。

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▲文言で色を指定すると...

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▲同じ属性は、異なるグラフであっても同じ色でシュッと表示されます!感動!ちなみに、この色はSmartHRのコミュニケーションデザイングループの方が作っている営業資料のテンプレートより拝借しました。これまたとっても便利で見た目も整います!!

2. 15分刻みでスプレッドシートと連携できる!

内定承諾や、新規ポジションのオープンは、発生時にメンバーにGoogleフォームを使って入力してもらっているのですが、その内容もレポートに15分後には反映されます。また、データポータルには「行を追加する」の様な概念が無いので、15分後には新しく追加したポジションがレポート上に反映されているという感動もあります!

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▲そのほか、1時間/4時間/12時間ごと を選択できるそうです。シートごとに設定できるので、優先順位が低いものは頻度を下げても良さそうです

3. 便利な挿入オブジェクトがたくさんある!

例えばチェックボックスリストを表示させ、結果にフィルタをかけることができます。数式を何一つ組むことなくあっという間です。

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▲ピンク色の箱を開くとチェックボックスになっていて、人事グループで、リクルーター担当が日永のもの、を表示した結果です。すぐに必要なものだけに絞ることができて便利です!

まとめ

過去の変遷とその工夫を書いてきましたが、こちらはあくまでSmartHRのこれまでの採用に合ったものです。ついては、今後もそのままで良いか、また他社さまでも使えるか?は別のお話だと思っています。

ただし、途中に挙げたこの3つのポイントは、どんな採用にも当てはまるものではないかと考えており、再掲しておきます。

レポートを考える上でのポイント!】
1. 社内外からのアクセスは良いか
2. 大事にしている指標の目標と実績が見られるか
3. 更新にかかる工数は最小限に、かつ誰でもできるか

私自身、年間400名程度の新卒採用や、年間20名の中途採用にたずさわっていた時も、いつも採用管理のレポートを作っていましたが、使っているツール・指標は違えど、いつも同じポイントを意識していたな、と改めて思い出しました。

SmartHRでは、毎月1,000名を超える方からのご応募があります。
そのボリュームに圧倒されることなく、定量的な全体感はさっと把握し、
・いかに課題の特定と施策の企画・実行・振り返りにリソースをかけるか?
・いかに候補者さまと向き合う時間を作るか?
が重要だと考えています。私は採用ユニットのチーフをしていますが、全体の基盤を整えることで、リクルーターとコーディネーターが自分の業務に集中できる環境を作ることができるかが一つの重要な仕事だと思っているので、今後もこういった改善を続けていきます👶(まだまだこれからです!)

最後に宣伝です

採用のレポーティングというかなり限定したお話をしてしまいましたが、具体的な採用活動の内容について、また、採用だけではなく人事担当からもお話しする公開雑談が2021年7月29日にありますので、こちらもぜひ!

また、こんな環境で一緒に働いてみたい!と思った方がいらっしゃいましたらぜひ以下よりエントリーしてくださいね!

最後までお読み頂きありがとうございました😊


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