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女風小説【花を抱く僕たち】

[エピソード 4 ]
-オーナー  アツヤ-


「ヤマト、ちょっと来て」

オーナーなアツヤさんが
事務所奥の扉から、少し顔を出して
ヤマト君に声をかける


アツヤさんは、オーナー兼セラピスト
某大手の女風のお店で
No1に入店3か月でなり、そこから二年間No1であり続けた
女風界隈では
割と有名なセラピストであり
僕を拾ってくれた、恩人
だが、まだ謎が多い人

ヤマト君は、うなだれながら
扉の奥に入っていく

僕は、そんなヤマト君の格好が
妙に面白かった
ほんとに表情、表現の愉快な子だと
感心する

しばらくすると
奥の部屋からは、笑い声が漏れてきた

やっぱりな
ヤマト君の杞憂に終わるだろうと
わかっていた

オーナーのアツヤさんが
怒ったところを見た事がない
アツヤさんは、言葉を操る人だ
相手が激怒していたりしても、冷静に対処するところを僕は何回も見てきたから


ヤマト君とオーナーのアツヤさんが出てきた。

「ホンマに冷や冷やしましたぁー.、アツヤさんの顔めちゃ怖いんやもん」

「俺は、お前の顔が面白くて、笑いこらえて大変だったわ!」

僕は
「アツヤさん、お疲れ様です。問題解決ですか?」
と問いかけると

「おう、お疲れ、まぁ俺が電話したら一発で許して貰えたよー」

「やっぱ、アツヤさんカリスマやわぁー」
まるで、自分のやった事がなかったかのように
ヨイショするヤマト君

「あのなぁ、もう少し反省はしろよ!後、あのお客様には次回30分無料延長で納得してもらったから
お前じゃ無いかもしれないが、ユウトも頼むな!」

いきなり、話をふられて
ビックリしながら
「あ、は、はい!わかりました」

「大丈夫俺のポケットマネーで、延長代ははらってやるからな」と言いつつ
少しため息をはいたような気はしたが
オーナーも大変だなと


「そういえば、シンはまだ戻ってない?延長かな、連絡はないけど」
オーナーが時計を見ながら
シン君の心配をし始めた。

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