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若手の推し、みんなテンダラーを目指してくれませんか?

 8月27日12時より、鎌倉能舞台でテンダラー漫才会が開催されました。全国を回る漫才会の日程が発表されたとき、一番行きやすいのは大須演芸場でしたが、「能舞台でのテンダラーの漫才ってどうなるんだろう」という思いが強く、鎌倉遠征を選びました。関西在住の人間が関西の芸人を観に関東に行くという変なことになっていますが(笑)

 実は昨年大阪で能舞台での漫才を観たことがあり(漫才師は和牛、すゑひろがりず、ミキが出ていました)、今回もそんな感じかと思っていましたが、鎌倉能舞台の方がハコが狭く、お客さんも靴を脱いで上がるタイプで、場所によって様々なんだなあと思いました。運良く最前列正面に座れ、舞台との距離の近さに笑ってしまいました。足を伸ばせば舞台に届く距離、さらに客席と舞台の高低差もあまりなかったため、過去イチでテンダラーと自分の距離が近かったと思います。いつも以上に間近で大好きなネタを観られて、最高の気分でした。

 正直、テンダラーの漫才のすごさは今さら文字にする必要もないと思っています。当たり前のように100分漫才、めちゃくちゃ笑いました。
 能舞台ならではの感想だと、漫才をする位置でわちゃわちゃしていたのが面白かったです。能舞台の客席はL字型になっており、漫才師がどこを向いても必ず真横から見るお客さんができてしまいます。大阪の時は予めマイクが斜めを向いて置いてありましたが、今回は挨拶したあと自分達でマイクと赤絨毯を持ってきてセッティングし、ネタ中に正面を変えながら漫才していました。あの芸歴の人が自分達で舞台づくりをしている姿や、能舞台の使い方が分からないからこそ好き勝手に使っている感じがおかしくて、本当に面白かったです。こういうのを観られたとき、鎌倉能舞台を選んで本当によかったと思いました。
 漫才会のあとは15時からのアフタートーク。テンダラーのトークをライブ形式で観るのは初めてでした。思った通り2人がキャッキャ言いながら話している姿がとても素敵でした。ちなみに写真の「No  way」はアフタートークのキーワードです。

 そんな2人を観ながら、「私の好きな若手漫才師、みんなこんな感じになってほしいなあ」と思いました。具体的には、日々の舞台で確固たる地位を築いており、毎年全国ツアーがやれる漫才師。テンダラーやナイツのような。あ、浜本さんの一件は真似しなくていいです(笑)
 お笑い(ネタ)は、メディアを介して観るのと劇場で観るのとでは、全然違います。自分の意思で操れる画角、ちょっとした目線・仕草のやり取り、声や動きの圧。劇場でネタを観て好きになった以上、ずっと彼らのネタを劇場で観ていたいのです。落ち込んだとき、なんか笑いたいとき、寄席に行けばいつでも観られて、かつ年に1回か2回単独ライブで彼らのやりたいことが詰まった舞台を観られて、それが全国ツアーとして日本中で共有できたら最高じゃないですか。

 未来ある漫才師の進路をファンが勝手に決めてはいけないとは思いつつも、若手の推しであるカベポスターや丸亀じゃんごには、いずれそんな漫才師になってほしいと思うし、彼らのスタンスや実力からすれば、いつかそうなれると思っています。

 そうやってテンダラーを観ていると、「茶髪で中年太りして汗かきで、常にベストな間とワードで刺せるツッコミ」の白川さんが北村さんの行く先に、「表情や仕草で笑わせて、機転が効いて陽気なボケ」の浜本さんが安場さんの行く先に見えてきて、「もしかしてテンダラーと丸亀じゃんごって似てる?」と思いました。いや、これは2組が好きすぎる私の幻覚だな。