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☘️可愛いと可哀想と愛情と

『チックん絶対ヤダヤダ!怖いからやだ!』

半狂乱に泣きじゃくるたぁくんの声が
廊下中に鳴り響く穏やかな中央注射室💉
今日も一筋縄じゃ行かなさそうな
4歳君がやって来た!

「お名前教えてくださ〜い❗」
「……。」

ココで大体お顔を上げてくれて
皆(どんな恐ろしい形相の看護師なのかチェック😂)が入るんだけど、今日のたぁ君は
目も合わせてくれない。
ママの胸に顔を埋め、パパも険しい顔で眺めてる。

「点滴はした事ありますか?」

ママ「昔あります。何処かの部屋に連れて行ってそこで。。」

「なるほど!(それが今回のトラウマの原因かな?)」

2歳半以降の子どもには
その子どもの発達段階に応じた言葉で
必ず処置や検査の説明を行う
そうする事で子どもは、其れを恐怖から頑張って「達成感」にするステップを昇ることができる!

私が小児看護で最も大切にしている肝

なのでママにこの状態では点滴が出来ない事。
きちんと説明をして、本人が頑張れる様サポートして頂く時間をとった。

30分後、まだ待合室で
「とんがった針やだ〜!!怖いよ怖いよ!
絶対や、り、た、く、なぁぁぁい!」と泣いてるたぁ君。

ママとパパは苛立ちが募り
「こんなに時間をかける必要性あるんですか?
前はさっさと押さえ付けてやってくれたのに!
この子はあまり時間をかけると怖がって、ダメなタイプなんです!!」との事。

ママとパパの協力が得られない事を判断し
たぁ君には、少し厳しい態度で
パパとママから離れて貰った。

思い通りにならない事を悟ったたぁ君は
私と2人きりになると、急に敬語で良い子になってしまった!
「ねぇとんがった針使うの?」
「痛くなぁい?痛いよね?」

恐怖で涙が溢れてくるのを必死で堪えて頑張ってる!

大丈夫
安全に看護師さんが、今から魔法のおまじないを教えてあげるから、一緒に練習してからやるんだからね!

「分かった🥺」

いちにのさん「(☝︎ ˙-˙ )☝︎ふぅーっ」

👦「痛いです!看護師さん、もう終わった?
痛いです!もうヤダやめてー!お願いします!もうやめて!」

1ミリも動かず、微動だにせずに
泣きながら、やめて!やめて!を繰り返し頑張ってるたぁ君!
本当にさっきまでの甘えたさんとは
思えない程恐怖は吐き出しながら頑張ってる!

「わかったよー!バイキンマン(採血)数えたら終わりだからね!」そう言って
終了した。


廊下で此方を覗こうとしながら待っている
ママとパパを呼んだ途端

『何があったんですか!!』
『どうしたの!!!』
激昴しているパパと、泣きながら看護師を
睨みつけ我が子を抱きしめるママ


基本的に私は母子分離は、極力やらない
ただ、ママやパパが頑張れない(子どもの頑張りを見守れない)時
ママとパパが居ると、頑張れない時

例外的に
安全、迅速に
子どもにとって、今必要な処置をする為には
心を鬼にする。

ただ、愛情のベクトルが違うと
時として私たちは、必要な処置をしただけで
犯罪者を見るかのように、睨みつけられたり
あたかも、子どもが密室虐待でもされたかのように、責めたてに来る両親もいる

本当に本当に
『教育』の必要性を切に感じます


大好きな可愛い未来の使者の
子どもたちのため
私たちはただひたすらに
地道に学びを深め
地道に誠実に

今日も向き合う

『教育』という課題を携えながら

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