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2月23日(金)

眠りにつく前、ようやく入浴することが出来た。ここ数日なぜだか気が落ちまくっていて帰宅してはそのまま倒れて眠っていたのだが、全然気圧のせいだということに気がついた。そうか。これもあれも気圧。一旦全部そういうことだ。

少し嵩の少ない湯船に浸かりながらきのこ帝国の曲を聞く。高校軽音部員時代(ほぼ幽霊部員)に自分で作った曲やカバー歌おうにも全然歌詞が覚えられないという問題を抱えていたが、『猫とアレルギー』を久しぶりに聞いたらスッと言葉が身体に入ってくる感覚があって、これだったか〜〜となんか力が抜けた。これさあ、本当に良いと思っていたり、すごく分かるな、この感情や景色を知ってるなとか思ってないと、歌う時ほぼテスト前日の暗記じゃん。そんでもって私は徹夜して詰め込むのががずっと下手だったじゃん。この前知り合いから依頼を受けてお手伝いしたナレーションの録音の時にもぐんぐんと身体に入っていくフレーズがあってめちゃくちゃ気持ち良いな、何だろうこれ初めての気持ちだなと思ってたけど、これじゃん。これだったんじゃん。だとしても割り切って出来るようになれなかった自分は情けないが、まあ過去のことだしな。

風呂から出た後、友人と電話をした。話し始める前、毎回なんとなく話す内容があるはずなのにいつも色んなところに派生してついつい長くなってしまうな。楽しいし。その後所用を済ませたりして、4時過ぎに就寝。

7時に起床。めちゃくちゃ寒い。何これ、本当?冬じゃん。絶対もこもこのパジャマを着ていた方が良かったし。「うー」とか「あー」とか声にもならない音を出しながらなんとか支度を済ませ、家を出る。

友人に連れて行ってもらい、活発で最高なおばさまの店主が営んでいる喫茶店で朝食をとった。モーニングセット1つ、サンドイッチ、紅茶2つ。「ふわふわであったかいわよ」と出されたサンドイッチを頬張る。確かに、ふわっとしていてあたたかかった。なんかここ最近の疲れとか闇とかがここで全部取っ払われたように思う。ほぼ光じゃん。もう全部ここに向かうためだったかとか思ったら結構元気になってきて、素敵な店主さんと3人で話しながら食べ進めた。なぜか無料でお替わりの紅茶を一から作ってくれて、心も身体もほかほかになった。私たちが出る寸前に入ってきたお客さんがすごくオシャレなおばさまで、色々話を聞いていると私の祖母とほぼ同じ年齢だということが分かった。いつもハイヒールを履いて毎朝ここにコーヒーを飲みに来ているそうで、もうなんか素敵すぎて眩しかった。やわらかくてやさしい笑顔で肩をぽんってされた時はそのあたたかさに泣いてしまいそうで危なかったし、なんか全部報われたなと思える朝だった。

そこからタクシーで移動し、友人の学生最後の作品の展示を見に行った。書道って今まで全然見たことがなかったけど、全然字だけを書いてるんじゃないんだなと思いながら見ていた。なんか空気とか音とか圧とかそういうものを全部内包して平面に落とし込んでいるのがめちゃくちゃ良かった。石を削り出して作った篆刻の作品は、立体ありきなのに紙へ転写した1枚の紙で展示していて、その変換と潔さが凛としていて格好良すぎると思った。会場をぐるっと見て回った後、友人の作品の前に立って作者本人に写真を撮ってもらった。逆だろ。でも友人のかっこいい姿を見られて心がしゃんとした。お疲れ様。

正午に予約していた美容院へ行き、大好きな美容師さんと話している間にこれから会う知人から遅れそうという連絡があったので店を出た後に蕎麦を食べることにした。全く嫌じゃないし、むしろゆっくりさせていただいてありがとうと思ったんだけど、なんか代々木上原来ると毎回こうなってる気がする。多分自分とは合わない街なんだろうからこれから行くの控えようか。

合流した後、寒さから逃げるべく近くの喫茶店に入った。この人とはインターネット上で度々連絡をとっているが実際会うのは初めてという関係性。私が3〜4年前に古着屋の周年イベントで数曲歌いに行っていたことや、バンドで歌っていたことなどを知ってくれていた人だった。自分でも忘れていた過去の私を覚えていてくれている人がいること、本当にありがたい。その人は全然お笑いを見ないらしかったのだが、酔っ払っていたのか1日の最後の方に「大喜利は私のコア!」と言い切っていて謎だった。くるくると変わるテンション感が見ていて面白くって愉快な人だなあとか、手がふにふにしていて可愛いなあとかを考えていた。解散した後、今月の頭頃に人と話していた「自ら地獄に向かっていく選択を取らない」ということを思い出しながら歩いた。めちゃくちゃ強いはずなんだ、私もあなたも。

今日の会話に出てきたことを思い出し、久しぶりにOKAMOTO'Sを聞いて帰る。『Star Light』格好良すぎ。

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