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悠葵と過ごす最高の1日

21時頃に、短い昼寝から起きる。悠葵を起こす。私が米を炊く準備をしている間に、悠葵が冷蔵庫の中を確認する。

「卵4個しかない。買い出し行く?」
「めんどくさい。」

晩ごはんを作り始める。半熟の目玉焼きを焼いたけれど、米が炊けるまでにはまだまだ時間があって冷めてしまうから、温かいうちに目玉焼きだけ食べることにした。悠葵は黒こしょうで、私は醤油。ひとり2枚食べた。

30分後、主菜も副菜もない白米を、会話だけをおかずにゆっくり食べる。


お腹が満たされて少し経つともう23時になっている。夜はまだまだこれからだけど、横になって過ごしたい。フライパンと皿を洗うのは断念して、水にうるかしてベッドに入る。


推しを見せたり、見せられたり、まじめな話をしたかと思えば高校の頃の思い出話に花が咲く。なんとなく、当時を共有できる人に連絡を取りたくなって、何人かにLINEしてみる。26時に送ったテキストは返信がひとつも返ってこなくて、「それもそうか」と納得しあっているうちに疲れてきていつの間にか眠った。


11時に起床。「寝すぎた、午前に課題やろうと思ってたのに、」なんて言いながらスマホを開くと、かつての友人たちから「気づかなくてごめん。用件はなんだった?」のLINEがだいたい朝の7時ごろに来ていた。


昼ごはん食べたい、となったのは13時頃。卵も食べきったので、買い出しはやっぱり面倒くさいし食べに行くとお金がかかるし、なんとなくベビースターをつまみ始める。

ダイニングのイスに体ごと乗っかって、SNSを見ていく。

綺麗なインスタの投稿を見せ合って、可愛い女の子のTikTokを教えてもらって、ぐっときたnoteのリンクを送りあって、前時代的な発言を切り取ったTwitterの投稿を見て静かに憤慨しあう。


そうこうしている間に16時になって、スーパーに行く。小雨が降っていたから折り畳み傘は持ったけど、差さなくていいレベルだったのでそのまま出る。鍵をかけたか自信がなくなって一回戻った時、思ったより寒かったからパーカを取った。いつもと違う道を通ってみたくて初めて使った信号がなかなか変わらなくて、5分くらいしてから押しボタン式だと気づいた。適当な野菜を買った。鶏もも肉が安くて買った。何に使えばいいかわからなかったけど、おつとめ品コーナーにたくさんあったみょうがもひとつ買った。最後に、お互い500円と決めてお菓子を買った。


帰ってきてごはんを作る。始めるまではおっくうだけど、基本的に料理は嫌いじゃないし得意だから、おいしいものを作りたくなる。手早く作りながら手早く昨夜の食器を洗って、手早く食卓の掃除をする。食卓テーブルに置いてあった書類や本は、一旦ベッドに平行移動させてスペースを作った。みょうがのレシピをググって、どうやって食べるかふたりで決める。だけど、「Yahoo!で検索してるのに、"ググる"っておかしくない?」とかなんとか私が言い始めたせいで、結局時間がかかってしまった。


18時頃に食べ始めてお菓子も平らげたら、食べ終わったら眠くなった。30分だけ寝るつもりが、気づいたら23時になっていた。

そのまま夜更けまで話は尽きなかった。会話と会話の境目で、甘いものが食べたいね、と悠葵が笑った。その笑顔を見ると、つい言ってしまう。
「コンビニまで、夜のお散歩をしに行こう。」

はやく悠葵に会いたい。




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晩ごはん食べながら少し話そう。そう約束したのに、いつの間にか寝てしまっていた悠葵がご飯時を少し過ぎてから起き、電話をかけてきて、ごはんを作り、食べ、「お菓子が食べたい」と言い始め、遠い土地にいる私たちは、同時に1000円を握りしめてそれぞれ近所のスーパーへ出掛けました。

ふたりとも、電話越しに蛍の光が流れるスーパーで、普段切り詰めた食費のことを忘れてお菓子を買いました。1000円なんて、週の食費と変わらない。だけど楽しくて楽しくてしかたない。陳列された駄菓子の中に悠葵のお気に入りを見つけ、思いを馳せながらレジに向かうと、エコバッグを忘れてきたことに気づきました。スーパーを出て、通話を繋げっぱなしだったスマホを持ち、手いっぱいにお菓子を抱えていることを報告します。きっと少し泣きそうになりながら、最高の笑顔で言っているんだろうな。同じく離れた地で家路についている悠葵は、「幸せだねえ」と言いました。

この文章は、悠葵とのそんな電話の最中に「お互いが、お互いと過ごす最高の1日を考えたいね」となったことがきっかけで書きました。

私にとって悠葵は、(友人なのだけど)友人ではなく、恋人でもない。なんて言えばいいのかわからないけど、とにかく何とか言葉に表すなら、大切な人。こうやって、悠葵と過ごす時間を想像する時間すらも愛おしい。それほど大切な人です。溶け合えるのに、境界線はちゃんと持てる、唯一無二の相棒なのだと思います。

好きだよ悠葵。はやく会おうね。



大切なことばがたくさんつまっている、彼女のアカウントです。見てみてね。

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今回、悠葵が考えてくれた
「日向子と過ごす最高の1日」↓

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