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感想「魔法陣グルグル2 14巻」

今月12日、「魔法陣グルグル2」の最新刊が発売されました。

前の巻が信じられないくらい面白かったので、読むハードルが多少上がっていたのですが……杞憂でした。

めっちゃ面白かったです。語らせてください。

・漫画紹介

紹介記事をリンクします。

・前巻の感想

感想記事をリンクします。

以下、最新刊のネタバレ注意!

「誰の胸毛が一番濃いって?」

この漫画、敵も味方も濃いですね。

たった3ページ程度しか出番が無い、退場まで名前すら登場しないモンスターですらこのインパクト。

こんなん笑いますわ。

これに対してククリの返しのセリフも好きです。ニケ不在時のククリ、ツッコミに回る事が多くて面白いです。

さて、ふろあがりのむなげを倒したククリ達の前に、続々と色んな人が登場します。この濃いモンスターは一体何の前フリだったのか。

・パーティーそろった

身体だけムキムキなアンバランストマくん、アヒルのおかしら、おかしらとセットで飛翔するドラゴンニケ……

絵面、ヤバない?

全員がキタキタ親父並のインパクトですよ、こんなん。特にニケとおかしらは、前巻のギャグを見た後だとセットでいるだけで笑えます。

一応ボスっぽい敵が登場している緊張すべきシーンなのに、笑いしかありません。そのボスでさえダジャレを言う始末。やっぱ所詮は中ボスですね。

・レイド

はい、レイドですね。

一応魔族のプリンスを自称するだけあって、中ボスにも敬語を使われます。初代からいる敵なのにイマイチ戦っている印象が無いので、魔物達の中で彼がどういうポジションなのか未だによく分かりません。とりあずギャグキャラなのは間違いないのですが……

「魔王になるにはまだ早い」という旨の指摘を受ける辺り、他のボスっぽい連中に比べると、見た目通りまだ幼いのでしょうか。とりあえずカヤ以外に人望は無いので、魔王っぽくは無いですよね。っていうかむしろカヤがレイドに従順なのが不思議なくらいです。

・魔王セイフクンチョ

出た。いや、登場してはいないんですが。

そういえばそんな名前がありましたね。ニケが勝手に言っていた「ギガデモンザーラス」や「クソババンバ」のインパクトが強すぎて忘れてましたが、セイフクンチョそのものは実在するラスボス名でした。

……

そんなんがラスボスでいいんですかね? まだしもクソババンバの方がいい気が……

・魔王めっちゃそろった……

ここのジュジュとククリの顔、好き。

元魔王失脚以来、極めて混沌とした状況が続いていたわけですが……ある意味その元凶達が一堂に会しているわけですからね。ついでに勇者パーティーも勢揃いという、最終回さながらの豪華っぷり。

魔王側からはデキルコ、勇者側からはキタキタ親父がいませんが。

・ラップ

……

いや、なんでや!

ラップやる流れじゃなかったでしょうよ……というツッコミは無駄なのでしょうね。ツッコミも流れも完璧で笑えるので、何も言う事は無いのですが。

さて、流れるように中ボスの攻撃が始まります。もはや誰が味方で誰が敵かも微妙な状況で、全体攻撃をしてくれるのは、読者としてもありがたいです。

・魔神

ゴミ山の魔神というのは、またグルグルらしい展開です。クズの王という名称と見た目の威圧感の無さに加え、ゴミ山という汚らしいはずの存在なのに、妙にファンタジックな見た目に心が躍ります。この漫画、モンスターのグラフィックの特殊さも魅力の一つなんですよね。

あ、冒頭のむなげは別ジャンルです。

さて、魔神といえばグルグル。ククリの独壇場のはずですが……

元魔王もグルグル使い。味方の強力な力を敵も使えるというのは、シンプルに脅威ですね。「ドラゴンボール超」で敵がタイムマシンやポタラを使ってきた未来トランクス編みたいな感じ……というと伝わりますかね?

・パーティーシャッフルの呪い

魔神の力を得て好き放題の元魔王が、自らかけたパーティーシャッフルの呪いにかかるというミラクル展開、これもまたグルグルらしいです。

そして意外とパーティーシャッフルの呪いが完璧です。せいぜいパーティー離散のための工作と思っていました……っていうか実際元魔王もそういうつもりで掛けたのでしょうけれど、こんな洗脳染みた効果があるとは。話が前後しますが、元魔王と入れ替わったトマくんがしばらく魔物達の軍勢から離れられなかったのもこの効果のせいだと考えると……なかなか皮肉な結果です。

パーティーの仲間として、仲間のために今までの呪いをキャンセルする上、味方となった事で事実上戦闘も終了。中ボスは魔神によって死亡し、魔王の座は対抗馬を失い、生き残ったレイドのものに。呪いの解けたニケとおかしらも人間の姿に戻って一件落着……

……

すごない?

前回まであれだけ混沌としていた状況が、たった数ページでドミノ倒しのように解決する綺麗すぎる流れ……すごくないですか? ファンタジックであり、この上無くロジカルな結末でした。

・オチ

……

なんやねん、このオチは……

唐突な元魔王のタテジワ二人組と崩壊する城……シュールです。

・トマくん

そういえばタテジワのツボはトマくんが持っていたんでしたっけ。いや、あの時点でカヤがすり替えを行っていたので厳密には偽物なのですが……

しかし偽物とはいえおかしらに盗まれたとかじゃなくて普通に失くしている辺り、トマくんらしくもない間抜けさです。いや、結局偽物なので物語展開の都合上問題は無いのですが。

・なんかよさげな村

それはそうと、エルジュでの戦いを終えたニケ一行は、また新たな旅に出たようです。ニケ・ククリ・ジュジュ・元魔王という異色のパーティー。

元魔王とニケがほとんど絡まないのが何となく気になります。女子トークが好きなジュジュと違って、元魔王に対して一歩引いた目線でククリとの会話を傍観する辺り、意外と冷静ですね。細かい部分ですが、感情に流されやすいククリの相棒としていい仕事してます。

さて、唐突なゴチンコが引っ提げてきた唐突なパワーアップイベントにより、ジュジュが離脱しました。

こういうあっさりした別れもまた、この漫画らしいです。パーティーといえど、ずっと一緒にいるわけではなくて、旅の途中で偶然出会って一緒になって、また違う目的のために別れて……という距離感、なんだかすごくフリーダムで好きです。

・こんにちはモリアさん

このおっさん、超好きです。

顔がくどくないおっさんは珍しい(?????)ですが、口癖の「イエローカード」がめっちゃツボで笑えます。返しとしても完璧なタイミングで登場しますし、イエローカードが積み重なっても特に何も起こらないのも面白い。あんまり文字に起こすと陳腐な表現になってしまうのでどうかとも思いましたが、そうやって文字に起こしたいくらい笑えました。

・おわかれのグルグル

モリアさんが教えてくれたグルグルを使った元魔王は、パーティーから離脱しました。

「描いた者は一時的に忘れられ、その場から消える」

前半部分はともかくとして、「その場から消える」という部分は、果たしてグルグルの効果でしょうか。元魔王の態度からして、能動的にその場を去ったように見えましたが……

パーティーシャッフルの呪いを解消するための魔法という意味では、うってつけだったのでしょう。元魔王がククリに言った事は嘘ではないでしょうけれど、彼女は彼女なりに活動したいでしょうし。

代わりに入ってきたキタキタ親父……満を持して参戦。

空気が変わりましたね。シリアスもしんみりも破壊する、この漫画最強のカード、キタキタ親父。大好きです。

キタキタ親父もトマやジュジュと同じくらい、一緒に旅した仲間なんですよね。扱いはともかくとして、ククリが「昔からの仲間」と認識しており、親父の方も「(二人との旅は)最高に楽しい」と言う辺り、独特な信頼関係が垣間見得ます。

・オチ

わしですぞ

あなたじゃない

最高。

・トマくん

パーティーシャッフルの呪いが消えて、再び加入するトマくん。

……

トマくん、今巻結構出番多いですね。

そりゃ主要キャラなんですし当然っちゃ当然なのですが……普通にしているとどうしても影が薄いお助けキャラポジションなので、出番が多いのはなんだかお得な感じがします。

・カラハコの森

本格的に次章の冒険が始まった感じがします。

こういうダンジョンに入ると、ファンタジーっぽくてわくわくしますね。久しぶりにニケも呪い無しで活動できますし、ククリも嬉しそうです。

・勇者はアイテムに頼った

こういうニケ、好き。

トマくんのアイテム便利なんですよね。ジュジュの魔法やククリのグルグルにも言える事なのですが、この漫画はわりと何でもありなので、力押しよりも手数のバリエーションが物を言います。トマくんのアイテムはバリエーションが多いので、見ていて面白いです。

だからってアイテム頼りな勇者もどうかと思いますが……

・願い下げオババ

ニケのセンス、見習いたいです。

っていうか元魔王、ちゃっかりストーキングしてるんですね。まあ別に彼女自身、確固たる使命があって動いているわけではないようなので、不自然ではありませんが。

しかし元魔王はツンデレですね。ククリの方も元魔王を思い出そうと尽力していますし……心は繋がっています。この漫画はニケとククリのラブコメが前提ですが、そうでなければ、ジャンルが変わっているほどの親密度です。いや、元々ジュジュともそういう感じの友情を育んでいましたし、別段元魔王だけ特別というわけでもないようですが。

・クサさが目に余るので

その前提であるラブコメをしようとするとギップルが現れて中断されるといういつものパターン。相変わらず油断したところで笑わせてきます。ギップルの顔芸はずるいんですよねえ。

・天使

何故か天使と比喩される事がしばしばあるククリですが、ニケから面と向かってそう言われたのは初めてですかね。

嬉しさのあまり表情がキモくなってるククリ、可愛いです。ニケに対して好き好きオーラ全開のククリに対して、ニケはあまりそういう感情を表に出しません。だからこそのこの暴走と考えると、すごく可愛いです。

・願い下げだよ!!

……

この漫画、一体いくつ爆笑ポイントを設置してくるのでしょうか。

こういう力技、大好きです。

・あっレイド!!

何度もグダグダに戦っている間柄であるためか、ニケのレイドに対する態度が滅茶苦茶軽くて笑います。

レイドが魔王になったと聞いた時も意味不明な目線でしたし、この二人の関係は不思議ですね。ライバル……ではないでしょうね。

さて、次回はレイドと戦闘でしょうか。戦闘しない気もしますが……

総評

……

滅ッッッ茶苦茶面白かったです。今年一番笑ったかもしれません。

ギャグはキレッキレで、ファンタジーは楽しくて、ラブコメは輝いていて……

今現在最高に勢いのある漫画です。ぜひとも読んでみてほしいです。

14巻の満足度:100/100

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