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感想「MASHLE 2巻」

今月4日、週刊少年ジャンプ連載のファンタジー系漫画「MASHLE」の2巻が発売されました。

早速感想を語りたいと思います。

・漫画紹介

紹介記事をリンクします。

以下、最新刊のネタバレ注意!

・前巻までのあらすじ

編入試験にて一位成績だったという優等生、ランスに絡まれたマッシュは、友人であるフィン・レモン・トムの三人の身柄を人質に、銀の級硬貨を掛けた決闘を行う。

・VSランス

そういうわけで、今巻はランスとのバトルから始まります。

・ロリコンだ…この人

珍しくマッシュが動揺していたのが面白いです。多分ここまでほぼほぼ感情を表に出さなかったマッシュが初めて流した冷や汗がこれだと思うと、やっぱりこの漫画はギャグ色が強いです。

さて、この回にてランスの事情が明かされました。

ロリコンではなくシスコンとのこと。何気にジャンプの兄キャラはシスコン率が高いですね。とっさにそうではないキャラが思い浮かびません。

少年ジャンプは妹推し(確信)。

……まあそれはそれとして。

・妹の病気

マッシュの妹は「魔力を失う病気」でした。

魔力の無い人間に人権が無い世界は残酷で、実の両親ですらランスの妹を見捨てたような発言をします。そんな世界においてはむしろ、ランスのような妹思いの方が異質なのだと思うと悲劇的です。

性格ややり方に難はあれど、彼もマッシュと同様「諸事情あり」というわけです。同様に敵対関係にあったドラ息子のキャベルやファルマン教頭とは根底から異なる精神性の持ち主で、いわゆる「憎めない敵」となった瞬間でした。

・クラウチングスタート

マッシュ……ムキムキですね。

普段からデフォルメが強いマッシュは「モブサイコ」における茂夫みたいな外見ですが、デフォルメが解けた状態の彼を改めてみてみると……思ったよりムキムキです。魔力が無いのを筋肉で補っているのだからムキムキなのは当たり前ですし、そもそもそんな事は第一話からずっと示されてはいるのですが……それでも突然切り替わると笑いが先行します。絵面の派手さも相まって笑いました。

マントの下は筋肉を強調する格好なのがミソですね。

・課題

ひと悶着終えて普通のクラスメイトになったランスは、面倒見が良い兄貴肌でした。

……こういうさりげない和解、好きです。

シスコンが弱点としてギャグの一つに組み込まれたランスは、今や良い仲間です。

・シュークリームになる薬草

……これ、銀魂で見た気がする。

まあギャグの発展性は果てしないですから、被る事もありますよね。面白いギャグはどこで何度見ても面白いものです。

・合同課外授業

普段絡まない別の寮生との合同授業、普段は見ない面子が登場するわけですが……

・ドット

新キャラその1、粗暴でモテないハイテンション女好き、ドット。レモンに好かれているマッシュを敵視しているイタい男子です。

このモテる男子に対する謎の怨嗟……どこぞの霊能力者金髪の居合の剣士を彷彿とさせます。登場してすぐギャグキャラに落ち込むとは……好きです。

・シルバ

新キャラその2、頭のねじが外れたやべーやつです。優秀とはいえ留年している先輩が調子に乗っているのは、なんだか小学生に交じってイキる中学生みたいでちょっぴり痛々しいです。一応彼はランスと同じく二線魔導士という事で、弱いはずは無いのですが……

・怪しい女子

マッシュとドットが出会った計算高い女子生徒です。一応単行本にてローレンなる名前がある事が判明しました。魅了の魔法を悪用しまくっていたのか、初登場の時点で既に誰かから恨みを買っていました。

ドットもその時の事をもう少し冷静になって見ていれば、後々酷い目に遭わなくてすんだのかな……とちょっと思ってしまいました。

さて、今回の話はシルバとの対決でした。

早々にギャグキャラに堕ちたドットの男気と、それを嘲笑う敵二人に対するマッシュの容赦無い鉄拳制裁が魅力的でした。絵的に栄える部分が多く、細かい事を語るよりも実際に読んで欲しいエピソードでした。

ただしそれでは感想記事にならないので、いくつか注目したい部分だけをピックアップします。

・10回勝負

シルバが提案した勝負で、「自分の魔法攻撃に5回(マッシュの分も合わせて10回)耐えられるか」というものだったのですが……

割と脳筋な提案ですよね、これ……

マッシュみたいに鍛えていなくとも攻撃魔法を生身で耐えられるというのは、学年トップクラスの魔導士としてどうなんでしょう。この場合、シルバの魔法が防御特化であまり強くないのか、ドットが思いのほか頑丈だったのかは分かりませんが……マッシュ以外の魔法使いも、意外と鍛えてるのでしょうか。

・シュークリーム投げ

一体マッシュはいくつシュークリームを持ち歩いているというのでしょう。

いや、どうでもいい事ではあるのですが……ちょっと気になったので。

懐にシュークリームを直に入れているなんて、戦闘の中で潰れそうです。そこをランスに指摘されているのは笑いどころではあるのですが。

マッシュはシュークリームが大好きです。そんな彼がシルバの口を閉じさせるために自らシュークリームを放り投げるというのは、それだけ怒りを露わにしているという描写なのでしょう。日頃の生活のクセからそういう描写に説得力が出るのは、非常に良いですね。

・シルバの小物感

一話一話観ているとあまり気にならないのですが、改めて全体を通して見るとこの人、小物感がすごいです。出てくるコマ全部、喋る吹き出しの中身全てが小物です。あまりに小物過ぎるわりにゲスな言動が多すぎて仲間になりそうにもないこの中途半端感……まさに哀れな小ボスという感じで、マッシュに制裁を食らっているシーンのカタルシスが大きくて良いです。

しかしこの人が2年のトップクラスというのは本当なのでしょうか。本当だとしたら後々の展開がかなり楽になりそうですし、嘘だとしたらシルバの小物感が跳ね上がります。いずれにしても面白いので読者として美味しいです。

ともあれこれにてドットというクラスメイトがメインキャラとして登場します。まだまだ先が長そうですが、濃いキャラが増えて面白くなりそうです。

・寮分けの回想

……

…………

……………………

ハリーポッターでは?

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…………

……

まあ……勘違いでしょう。

・三本線の魔導士

話の流れから言って、ランスの語っていた七魔牙のリーダーか何かでしょう。ぱっと見える他の人物が二本線である事を考えると、きっとそういう事になるのでしょう。

とりあえず現在はマッシュのイレギュラー的なカチコミで邂逅してしまいましたが、ひと悶着ありそうなのは間違いないようです。

が、この三本線はシルバと違い、きちんとしたバックボーンがありそうです。マッシュの「家族と平和に暮らす」という望みを聞いて一度は「素晴らしい」と評したり、基本的に理知的な態度を崩さなかったりと、良くも悪くもマッシュと相容れない崇高な思想の持ち主です。

・肺活量

やっぱこの漫画、ギャグですね。筋力だけでなく肺活量に優れたマッシュ、大好きです。

総評

少年誌として映えるバトルがあり、ギャグ漫画としてしっかり笑いどころがあり、それでいて面白い漫画として、3巻も期待が持てそうです。

2巻の満足度:90/100


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