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感想「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い! 喪184(後編)」

わたモテ最新話、更新です!

神回である喪182は記憶に新しいですが……

今回も神回です。喪182とは全く別ベクトルの。

控えめに言って最高でした。

語りたくてたまらないので、語ります。

・前回の感想

感想記事をリンクします。

以下、最新話のネタバレ注意!

モテないし学校が始まった(後編)

扉絵が描き直されています。前後編で扉絵の加筆とは、珍しいです。

前回はもこっち、風夏、麗奈、宮崎さんの4人だけだったのが、中庭には人で溢れかえっています。その中でもやたら目立つのが、化粧済みの伊藤さんと、何故か植え込みと校舎との間にもたれかかっているうっちー

伊藤さんは前回の事があるからただ単にインパクトがあるというだけですが、うっちーは一体何のつもりなのでしょうか。もこっちを待ち伏せるでもなく、ただただ思惟に耽っているようなその様は、非常に不自然で目立ちます。

前回の扉絵の時、校舎の中から何故かもこっちの方を向いて気にしている宮崎さんが特徴的でしたが、加筆後の宮崎さんの視線の先にはうっちーの姿が。宮崎さんの視線には得心がいきましたが、じゃあうっちーは何をしているのかという疑問は依然として残ります。

この点に関しては本編でも触れられていません。次回以降に明らかになる謎なのでしょうか。うっちーメイン回……楽しみです。

・はっきり言う

前回から引き続き、オムニバス形式です。

夏が明け、合宿以来の加藤さん。早速あの時の密約通り、もこっちの事を「ともちゃん」と呼ぶ加藤さん、マジマーベラス。

「智子ちゃん」じゃないのがミソですよね。今江先輩と被らない呼び名で独自性を演出する加藤さん、偶然とはいえ強かです。

そういえばもこっちと仲の良い友人達は、皆もこっちの呼び名が少しずつ違いますね。

ゆうちゃんは「もこっち」。

ネモは「クロ」。

ゆりは「智子」。

各々が独自にもこっちとの距離を縮めている感じがして、すごくいいですね。

ゆうちゃんの「もこっち」は、中学生の頃からのちょっと子どもっぽい呼び名で、ネモの「クロ」は浮かれた感じのあだ名という風で実にネモっぽいですし、ゆりの「智子」呼びは、対等な親友といった感じですかね。

そして加藤さんの「ともちゃん」。これはゆうちゃんみたくちょっと子どもっぽい呼び名ではありますが、同時にちょっと甘えた感じも見られます。妹キャラな加藤さんらしいですね。

さてそんなもこっち、未だに加藤さんの前では緊張する様子。緊張しているもこっち可愛い。セルフでカ〇ナシとか言っちゃうのがもこっちらしい。そしてカオナシもこっちめっちゃ可愛い。

なにげに加藤さん、「言えるまで待ってるね」と、優しい言葉ながらもどこか圧を感じる一言を発しています。まあここで日和ったら、また葛藤が始まってしまいますからね。加藤さんももこっち相手には不器用で、苦労しそうです。

で、和田さんですよ。

清田くん、和田くんの事「さん付け」するんでしたっけ? 確か前にも同じ事で驚いた記憶があるのですが……二人は一体どういう仲なんでしょうか。

清田くんの和田さん呼びは、明らかに何かしらの意図あっての事です。この漫画で智貴くん以外の男子にスポットが当たるのは珍しいので、是非とも掘り下げて欲しいところではあるのですが……

清田くんの事はともかくとして、和田さんですよ、和田さん。ハイライトの入っていない目といい、話の流れをぶった切って入ってくる押しの強さといい、現状彼は小宮山さん並みの強キャラです。これでカースト上位なのですから、恐ろしいものです。彼のモノローグが全く描写されていない以上、何を考えているのか分からないのがまた強いところ。登場したばかりの頃の加藤さんを想起させられる強キャラっぷり、良いですね。

・キャラっぽい台詞

……

ネモが変態になりましたね。

いや、ネモはいつも通りアニメっぽいシチュエーションを楽しんでいるだけです。が、その行為は基本的に独りよがりの行為なので、相手によっては誤解を受けるハメになるわけです。よりにもよってアニメと全く縁がないゆり相手にやってしまったのが大きなミスですね。

ゆりからすれば、突き放した相手が意味不明に喜んでいるだけなので、まあ不気味でしょう。

っていうかこの場面のゆり、普通にひどいですね。終始拒絶しかしてないじゃないですか。これで「嫌いじゃない」はちょっと伝わらないでしょう。無表情な事も相まって、さすがにネモが可哀想です。

まあでもそういう不器用さがあるからこそ、ゆりの孤独さに説得力があるというものです。元々キバ子グループに属していたゆりは現在キバ子を強く嫌っていますが、満更キバ子に100%非があるというわけでもなさそうですね。

それにこの件に関しては、ネモ側が際限無く馴れ馴れしく接してくるというのも問題の一つでもあります。仮面を被っていないネモは距離の詰め方が下手ですね。でもそこが彼女の魅力の一つでもあると思うので、それでいいのでしょう。

ネモとゆりのこの歪な関係は、どこかで折り合いがつくのでしょうか。

・評判

合宿以来、美保と夏帆の出番が増えましたね。二人とも加藤さんの友人らしく、思慮深く優しい面が魅力的ですね。

風夏の悪評を聞いて機嫌を損ねる加藤さん。友人のために怒る事が出来るその精神性は素晴らしいです。夏帆もそんな加藤さんに思いやりを寄せ、美保も場の空気が深刻になりすぎないよう軽めの口調を演出する。

良い友人に恵まれた風夏は幸せ者ですね。

……

はい。

そういや風夏すっげーバカだったわー

綺麗で不穏な雰囲気から一転して、汚いコメディーに早変わりです。登場一コマ目から下ネタを引っ提げてくる女、佐々木風夏。かつての小宮山さん並みのやべーやつに超進化してしまいました。

エロ話でもこっちにマウントを取られたのがよほど悔しかったのでしょう。電車の中でもこっちを黙らせるだけでは飽き足らずトップカーストの人脈をフル活用して、あれが苦い事を聞いたりキスの事をベロチューと呼ぶようになったりと、止まらない勢いで成長していきます。

……

正直、ページをスワイプしてすぐに笑いました。

何より秀逸なのが、風夏の表情ですよ。

良い事を聞いて嬉しそうに目を丸くして、もこっちに新知識を披露する事を思って不敵な顔をしたり、そんな会話のすぐ後に友人達を見つけて無邪気な笑みを浮かべたり、加藤さんの圧に恐れたり……

可愛いです。

こんなにかっこいい系のキャラを可愛いと思う日が来るとは思いませんでした。可愛くてかっこよくて、しかも下ネタの汚れ役とは……無敵ですね。この前後編、半分以上風夏メイン回と言っても過言ではないですし、めきめきと存在感を露わにしています。本気で小宮山さんと対峙できそうな強キャラに育ちつつありますね。

しかしまあ、漫画としてここは最高の笑いどころではあるのですが……加藤さんがちょっぴり可哀想ですね。せっかくもこっちとの逢瀬を交わして上機嫌だったところに、仲良しの友人への胸糞悪い風評に気分を害したと思ったら、その風評を流したのが他ならぬ友人自身だった時の気持ちなんて、さすがに推し量りようもありません。

そんな事を差し引いても、面白いエピソードでした。

・本物

雫ちゃんは夏休みの間出てこなかったので、久しぶりの登場ですね。まともな登場は七夕以来でしょうか。もこっちの貴重な先輩っぷりを拝める唯一の相手なので、もっとたくさん登場してほしいものです。

「先輩ずっと会いたかったです」

この一言、開幕から結構重いですね。ネモもゆりに対して似たような事を言っていましたが、あれはゆりが下がるのを想定した上での大げさな表現でしょうし、雫ちゃんのそれとは込められた感情が全く違うであろう事が容易に想像出来てしまいます。

しかしついに二学期ですね。雫ちゃんは相変わらずクラスに友人がおらず、ある意味かつてのもこっち以上に辛い学生生活を送っている事でしょう。そりゃちょっとくらいもこっちに依存してしまっても仕方が無いところがあるかもしれませんね。

さてもこっち。

「彼氏いるよね?」

「はい」

「初体験ってどうだった?」

……

…………

……………………

あのさあ……

「リアリティーある性知識を手に入れたくて」じゃないですよ! 後輩に一体何を訊いているんですか!

もこっちも大概子どもっぽくて、特に下ネタ関連では無茶をしたがるタイプですよね。風夏の事を「低能ゲスブタゴリラ」と見下しながらも、彼女に対抗するためにもこっちなりの手を尽くそうとするのは、負けず嫌いのもこっちらしいです。

こういう下ネタ対決は、小宮山さんとの戦いでは出来なかった事です。小宮山さんとやっちゃうと、どうしても矛先が智貴くんにむいちゃいますからね。そういう意味では、非常に新鮮なカードです。

さてもこっち、純粋に自分を慕う後輩にゲス攻撃を仕掛けます。ですが雫ちゃん、どうやらその手の経験はまだ無いようです。

ちょっと嫌だしまだ怖いなって…」

ちょっと嫌っていうのは、あくまでそういう行為がって事ですよね? 彼氏がって事じゃないですよね?

雫ちゃんの彼氏への冷たい対応を見る限り、あまり愛されていなさそうで可愛そうです。でも彼氏はそういう不憫さがキャラ的に美味しいので、もっと不憫な目に遭ってほしいです。

で、雫ちゃん。がっついてくる彼氏を落ち着かせる方法があるのだとか。

前後の流れからして、つまりはアレですよね。シゴクやつ。

……

やる事やってるようで安心しました。そういう事なら気兼ねなく彼氏が不憫な目に遭っているところを喜べます。

とりあえず、彼氏の再登場が待たれますね。

さてここから一体どういう風に話が進んだのか全く想像がつきませんが……雫ちゃん監督の下、もこっちと風夏のバトルが始まりました。

ここからは本当に下品です。これまでの下ネタの中でも、最低クラスの下品さです。「海浜秀学院のシロイハル」が休載していたからじゃないんですか? 来週は更新されるそうなので、そちらも楽しみだというのはともかくとして、わたモテに「海浜秀学院」クラスの下ネタを持ってくるのは卑怯なので勘弁していただきたいところです。

早速仕入れてきた新鮮な下ネタをお出しする風夏、可愛い。いちいちドヤ顔なのが最高にバカです。

そして開始する実技対決。まさかの粘土細工の男性器登場。

話の流れがスピーディー過ぎて理解が追い付きません。ストーリーとしては、バカとバカがバカやってるという事だけ分かれば十分ではあるのですが。

さりげなく風評被害を食らった陸上部顧問の先生が哀れです。彼もまさか、こんなところでこんなシチュエーションで、不当な評価を受けていようとは夢にも思わないでしょう。

っていうか、風夏は陸上部だったんですね。かつてもこっちも陸上部に入ろうとしていましたし、奇妙な共通点が発掘されたものです。

しかしこの対決、絵面が酷いですね。いちいち「ブルン」と粘土細工らしからぬ擬音を立てるシュールさ、好きです。知ったかぶりに知ったかぶりを重ね続けた風夏に去勢されるところまで含めて、流れとして最高でした。

さあ、案の定風夏はダメダメでした。しかし耳年増なだけのもこっちも当然粘度細工を相手する事などできません。

そこで最後は雫ちゃん。

自然に名前を呼んで雫ちゃんを喜ばせるイケメンムーブからの最低のお願い。でも先輩を慕う雫ちゃんにはもうイケメンもこっちなフィルターがかかっていました。

ただただ最低な事を言っているだけなのに、もこっちが口にしているというだけで喜ぶ雫ちゃん。やっぱり依存度が高めですね。こんな状況でイケメンフィルターがかかるようじゃ、もはや何を言ってももこっちから離れられないような気がします。雫ちゃんの将来が心配です。

耳年増な先輩二人は憐れ、実践経験持ちの後輩に完全敗北です。

単に粘土細工がしごかれているのを見ただけなのに、言葉少なめで負けを認める風夏。顔が見えないとこの人、こんなにかっこいいんですね。凛々しい風夏、復活……ですかね?

総評

控えめに言って神回でした。

普段のそれをはるかに上回る下ネタの雨嵐に、胃がよじれてねじれて仕方が無かったです。

でもそんな騒動を巻き起こした張本人の風夏との因縁は、ここで一度終わったと見ていいでしょう。そうなるとここから先、風夏およびもこっち周りがどう変わっていくか、想像もつきません。何も変わらないのか、それともされに風夏に濃い属性が付けられるのか……

次回も楽しみです。

喪184の満足度:100/100


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