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感想「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い! 喪181」

わたモテ更新日です!!

と、その前に……

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「わたモテ」作者、谷川ニコ先生の新連載、「海浜秀学院のシロイハル」がコミックアプリ「マンガワン」もしくはウェブ掲載の「裏サンデー」にて公開されています。

「わたモテ」とはかなりテイストが異なる漫画ですが、わたしは滅茶苦茶好きです。面白いので、是非とも読んでみて下さい。紹介記事も下にリンクしておきます。

さて、わたモテの話に戻ります。前回は神回でしたが、今回も別ベクトルで神回だったと思います。語らずにはいられないので、早速語って行きたいと思います。

以下、最新話のネタバレ注意!

喪181 モテないしドライブする

まずはもこっちの勉強シーンから。前回も思いましたが、勉強しているのが普通の日常みたいになっているこの感じ、いかにも受験生という風でなんとも言えない感じがします。

しかし今回初めのコマのもこっち、姿勢良いですね……

もこっちは姿勢や手癖・足癖なんかが悪いイメージがありますが……最近の勉強続きでその辺りが矯正されたのか、はたまた単にイメージだけなのかは定かではないですが……真面目な顔をして姿勢を正しているもこっちは凛々しくて素敵です。

さてそんなもこっちにラインが。なんと相手は吉田さんでした。

吉田さんともこっちは、お互いの口調や態度のわりに非常に仲が良いです。もこっちは吉田さんの事をヤンキーだの馬鹿だのと下に見るような態度を取りながらも、大切な友人として一線引いた部分に置いている感があって、この関係はすごく暖かです。もこっちも吉田さんもある一面では年齢に不相応に子どもっぽさを露わにする事が多く、お互いがお互いを「しょうがない妹分」みたいに捉えているようで、気の置けなさが窺えます。

そんな吉田さんのラインは普段の口調と同じく簡素なもの。まあここでコテコテの絵文字やスタンプを使われても困る……いや、ある意味吉田さんらしいですけれども。

そういえば吉田さんの登場は久しぶりですね。前に合宿の合間の喪173にてカフェで真子と会っていたのが描写されて以来です。もこっちと直接会ったのは夏休み前、ちん子ちゃんと紗弥加、小宮山さんともこっちの家に来たのが最後でした。あれが喪168だったので、13話ぶりの邂逅という事になります。

……意外とそんなに経っていないような。

でも「わたモテ」は基本隔週連載なので、2話で大体一月と仮定すると、半年以上間が空いたという事になります。そう考えると随分久しぶりなものです。

さて、久々の登場に吉田さん、なんと車を引っ提げて登場します。

そういえば吉田さんともこっち二人して謹慎くらっていた時に免許を取る旨を話していた吉田さんでしたが……まさか夏の間に取るとは。

行動力に恐れ入ります。涼しい顔して、吉田さんも頑張ったんですね。

そしてそんな吉田さんを見て「拉致される!?」という発想のもこっち。

そして次のコマで「拉致された!!」というテンポの速さ。展開が早くて笑えます。この状況になってまだ誰も何も口を開いていないというのもシュールで面白いです。間の会話は容易に想像できますが。

・吉田さんとドライブ

免許を取った吉田さんは、ヤンキーグループの面々とともにもこっちを連れて、ドライブに連れて行ってくれるそうです。

もこっちを連れ出そうと言ったのは、どうやら吉田さんのようです。吉田さんがもこっちをどういう風な友人と捉えているのかがよく分かる部分だと思います。

例えば真子。吉田さんは数いるクラスメイトのうち、殊更真子と仲が良いです。ですが今回ドライブに誘ったメンバーの中に真子はいません。

定員オーバーと言えばそれまでなのですが、吉田さん的には真子をヤンキーグループと一緒にして連れ出すのに違和感を覚えたのではないでしょうか。もこっちはヤンキーグループと親和性がありますが、真面目な真子はどうでしょうと、そういう話です。

真子自身は誰とでも仲良く出来るタイプですし、実際に謹慎明けの打ち上げ回でヤンキーグループの麗奈と仲良くしていましたが、やはり休みの日に一緒にして連れ出す相手としては、不適切だと感じたのかもしれません。

あるいは前に会った時に喧嘩でもしたのか。

誤解とはいえあの時の真子はおかんむりでしたし、尾を引いていてもおかしくないです。この辺も次回以降で回収されたりされなかったりするのでしょうか。物語の縦軸がまた生まれたような気がします。

・+二木さん

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二木さんおるやん!!?


確かに二木さんはヤンキーグループ+もこっちとゲーセンで出会って仲良くはなりましたが、まさか休日の、しかもドライブに同行するほどまでに仲良くなっていたとは意外でした。

っていうかどこにそのタイミングがあったんでしょう。

吉田さんはがっつりバイトでしたし、二木さんは動画投稿が忙しかったはず。彼女らに接点を持つタイミングはそれほど多くなかったはずですが……

いや、そんな事もありませんか。

喪173の扉絵にて、二木さんがゲーセンで音ゲーをしているところを、麗奈と杏奈さんが楽しそうに見ているシーンが描写されていましたが……あの時杏奈さんは二木さんを撮影しているようでした。あれが投稿動画だったとするなら、仲良くなるチャンスは割とあるでしょう。吉田さんだって朝から晩までずっとバイトというわけでもないでしょうし、タイミングとしては十分でしょう。

しかし二木さん、可愛いですね。ヤンキー三人組に合わせて掛けているのか、サングラスが似合っています。ネタっぽい感じなのがまたたまりません。

しかしここで二木さんとは、見逃せない要素です。登場回数が増えてきてかなり人格が分かってきた二木さんですが、未だにもこっちへの感情が謎に包まれているので、今回それが判明するとなると……楽しみです。

・吉田さんの車

吉田さんの車、典型的なヤンキー的内装が施されています。変な紋章の飾りとか白くてふわふわしたやつとか、何故か分かりませんが妙に頷けます。

イケメン声とダミ声の奴が恋人の出会いに幸せと感謝を歌詞にしてレゲエにして歌うやつに至っては長すぎるセンテンスなのに、何故かものすごく理解できます。ヤンキー車になんて乗った事も無いのに、鮮明にその音楽を思い浮かべる事が出来るのは、あるあるネタとして秀逸だと思います。

しかしこの車、吉田さんの親の車なんですよね。

吉田さんの親……登場したのは母親だけですが、すごく綺麗な人でした。でも同時にどこか怖そうで、なるほど吉田さんのお母さんといった風貌で……でも吉田さんのバイクのせいでもこっちが一緒に謹慎になったのを知っていたためか、非常に腰が低い姿勢でもこっち母に平謝りするシーンがあって、あまりヤンキーっぽさを感じない雰囲気でした。

まあヤンキーといっても子どもが高校生くらいの年齢になると、そのくらい落ち着くものなのでしょう。あるいは吉田さんが言っていた「親」が父親で、そっちがすごいヤンキーっぽいのかもしれませんが。

しかしこのヤンキーネタも久しぶり……と思いきや、前にもこっち家に吉田さんが来た時にも、智貴がヤンキーへの偏見を心の中で呟いていました。吉田さんといえばヤンキー、黒木姉弟といえばヤンキーへの熱い偏見。この辺りはもう伝統芸ですね。

・ピュアヤンキー吉田さん

さらにここで、思い出したかのようなピュアネタ。これも吉田さんの持ち芸でしたね。

二年時に勘違いしていたUFOと同時に、お城っぽいホテルの事も本物のお城だと思っていた吉田さん。

かわいいかよ。

お城の話題が出て無邪気に笑う麗奈達。二木さんの「クスクス」という特徴的な笑い方がまた可愛いのですが、それは別の話。ここでもこっちだけが吉田さんの心情を察しているのが面白いです。

こういう時の吉田さんは良くも悪くもポーカーフェイスなので、横顔が凛々しいのがまた卑怯ですよね。

で、もこっちのセリフのルビ。

吉田(ビュア)さん……

端的に吉田さんを表していて、なかなか面白いです。

・ク〇ニーヌ登場

……

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流れ、変わったな。


犬がひとりでに車に乗り込み運転するわけがありません。飼い犬が車の中にいるという事は、必然的に車の中には飼い主がいるという事になります。

すなわち

今江先輩の登場という事です!!!


予想外すぎて、自らの目を疑いました。あの今江先輩が、まさかこんなかたちで登場する事になろうとは。この漫画における最大の聖域にして、もこっちの対平沢さん仮想時の到達点。それが今江先輩です。

登場が嬉しい一方で、不安です。なにせシチュエーションがシチュエーションですからね。

まあわたしのいらん懊悩なんぞはどうでもよいとして。

ク〇ニーヌ登場にはしゃぐもこっち、杏奈さん、麗奈の三人。呆れる吉田さん。よく分からないけれど面食らっていそうな二木さん。三者三葉の反応ですが、もこっち達の反応が一番笑えます。遠くを走る車の中に一瞬映った犬の姿を即座にク〇ニーヌだと見抜き、一斉に反応するその間の良さ、笑えます。

そして杏奈さん、「ク〇ニ主つきとめんぞ!!」って、なにそのライブ感。今江先輩をそんな大国主命みたいな言い方しないでください。目的の無いドライブとはいえ揃いも揃って、ノリが良いのが本当に笑えます。吉田さんとの温度差も相まって、テンションの高さが良いですね。

さてそんな事とは露知らず、車の中にはやはり今江先輩が!!

っていうか今江先輩、免許持ってるんですか!?

っていうか左ハンドルみたいですけど、お金持ちなんですか!?

犬と二人きりで海に行くって一体どんなシチュエーションなんですか!?

……すみません、つい興奮してしまいました。

今江先輩が登場するだけで、こころなしか空気が一変します。まるで別の漫画を読んでいる風にさえ思えてくるから不思議です。

今江先輩は天使。そこは譲れません。

さてそんな今江先輩、割と早い段階でもこっち達の尾行に気が付きます。そりゃあんなグラサン集団に尾けられちゃ、煽り運転とも思います。っていうか、読者側としてはただただ愉快な集団でしかないヤンキーグループですが、普通にこれは怖いですよね。二木さんやもこっちはともかくとして、吉田さんを筆頭にヤンキーグループは威圧感ありそうですからね。今江先輩が気の毒です。

・ついに邂逅……?

今江先輩、もこっちに気が付きました。青学の時といい、今江先輩がもこっちの事をしっかり覚えていてくれているというのは、すごく心が満たされそうになります。ですがもこっち達は今江先輩に気が付いておらず、割と言いたい放題の様子。

ク〇ニーヌの飼い主が女だと思ったもこっち、それは何故なんでしょうかねえ。なんとなくならそれはそれで面白いのですが、理由があるのなら話が全く変わってきます。読者側に開示されていない今江先輩に関するエピソードがあるという事なのでは……?

それはそれとして、今江先輩。飼い犬に対する風評被害をさらに自分に拡大され、戸惑います。

思えば失礼千万なもこっち達のこの言い分も、相手が誰とも知れない他人だと認識しているからこそのものであって、相手が今江先輩だと初めから分かっていれば、口が裂けてもこんな事は言わないでしょう。

もしかすると今江先輩がここで顔を隠したのは、恥ずかしいからよりもそういう意図が強かったのではないでしょうか。

今江先輩側は既にもこっちに気が付いていて、もこっちは気が付いておらず、今江先輩に対して失礼な事を言っている。そしてもこっちが今江先輩に気が付いたなら、間違いなく深く後悔し、居たたまれない雰囲気が出来上がる。

そんな状況を避けるため、今江先輩は敢えて顔を隠したのでしょう。言われっぱなしを甘んじて受け入れて、もこっちの事を慮って。

さすがに深読みが過ぎますか。

そういう経緯から顔を隠した今江先輩ですが……かえって官能的に見えてしまうという痛恨のミス。しかももこっちや吉田さんにバレた感じです。最悪の邂逅になってしまいそうですが……?

総評

二木さん登場だけで相当テンションが上がったのに、まさかの今江先輩登場に狂気乱舞した一方で、今江先輩が下ネタ枠に堕とされたようで非常に複雑です。

まあ下ネタギャグである以上、真面目な導き手である今江先輩がこういう役割になってしまうのは仕方が無いのかもしれませんが……

この感情とはもう少し長い時間をかけて決着をつけていこうかと思います。ただ、どんな結論に達したとしても、今回が神回である事に変わりません。谷川ニコ先生、ありがとうございました。

喪181の満足度:100/100

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