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感想「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い! 喪179」

本日はわたモテ更新日です。ガンガンオンラインアプリにて、最新話を読みましょう。

・前回について

別記事の感想をリンクします。

以下、最新話のネタバレ注意!

・二日目開始

さて、ネモとのお出かけ編二日目の朝からスタートです。

ホテルの窓から差し込む朝日の描写が綺麗です。ニコ先生、こういう何気ない情景描写がすごく上手いと思います。間の持たせ方があだち充タイプですね。勢い系のギャグ作家らしからぬ情緒があってとても良いです。

隣り合ったベッドで眠るネモともこっちの体勢が、二人の性格を対比しているようです。もこっちの寝相の悪さは、完全に予想の範疇です。寝相悪そうなキャラですからね。いや、根拠とかそういうのはありませんが。

安らかに眠るもこっちの寝顔には、こちらも眠気が誘われます。漫画の中とはいえ、こんなに深い眠りについていそうな顔、今日日なかなか見ません。かわいいです。

そんなもこっちを揺すって起こすネモ。いや、起こそうとしているんだから当たり前といえば当たり前なのですが……

もこっちの脇腹とお尻にペッティングしているように見えてしまうのは、きっとわたしの心が汚れているからでしょう。ネモはそんなもこっちみたいな性欲丸出しの思考回路はしていませんからね。そう見えるというだけです。

さて、ネモはもこっちを起こして「学校に行く」などと言っていました。はて、学校は現在休み中のはずですが……?

・体験授業

なるほど、ネモがもこっちと向かったのは、声優学科がある専門学校の体験授業のようです。

……真面目ですね、ネモ。

一日目がコミケだったから、てっきりもう一日もがっつり遊ぶものなのかと思ったら、滅茶苦茶真面目な進路のための思案でした。

もこっちを連れてきたのは、ラノベ学科もあるからみたいです。ネモの中ではもこっちはもう、ラノベ作家への志望が確定のようですね。もこっち自身もその夢については肯定的ではあるものの、ボイストレーニング等で既に夢への行動を起こしているネモと違い具体的な行動を起こしておらず、あまり本気の夢として考えているようではありません。

二人の認識には致命的なすれ違いがありそうで、少し怖いです。キャラクター紹介によると、ネモの嫌いなものは「誤解」だそうですが……

ひと悶着無ければよいのですが。

さて、ネモは本来こちらの専門学校に通いたかったようです。そうしなかった理由を「進路が決まったから」と言っていますが、これはどういう事でしょう。願書の提出期限や両親や周りとの折り合いの関係でしょうか。ネモも本気で夢を追いかけたい一方で、出来るだけ現実と上手い事折り合いをつけようと試行錯誤しているのかもしれません。

そう考えるとネモは、本当に健気です。夢に対して一途で、それでいて二木さんのようにストイックになりきれない人間的な部分も持ち合わせているようで、魅力的なキャラクターだと思います。こんなところでネモの魅力を再確認しようとは思いませんでした。

さて、授業開始です。開始早々もこっちの「ツインテ多っ!!」というツッコミで笑いました。こういうのこそ、ニコ先生の偏見なのでは……? もしかしてこれも、取材した結果のネタなのでしょうか。いずれにしても面白いのでずるいです。

そういえばネモのツーサイドアップも、広義ではツインテールですよね。もこっちも初期に変装した時にはツインテールになっていました。もしかしてニコ先生、ツインテ好き?

そういえばついでに気が付いたのですが、ネモの服。確かこれ、一学期に森永大学に見学に行った時の服ですよね。このセーラー服を前後ろ逆に着たみたいな先鋭的センスの服は、一度見たら忘れません。わたしが田舎者だからかもしれませんが、なかなか見ない服装ですよね。ネモの服の好みは結構可愛い系なので、全体的に好きです。

・声優のお仕事

これはなかなか面白いです。「わたモテ」としての面白さというより、単純に声優について興味深い事を言っていて面白いです。声優とYOUTUBE関係のお仕事というのは、なるほど確かに関連性が深そうです。読者としてあまり声優に詳しくないので、こういうお話はありがたいです。

さてもこっち、Vtuberに興味を持ってしまいました。

いや、youtuberもvtuberも大して変わらないと思うのですが……

もこっちの偏見もなかなか根強いです。「アバターなら許されそう」って、一体どういう理屈の物言いなのでしょう。むしろvtuberは実像が見えない分、内面に気を遣いそうなものですが。

「モコの為にみんな借金してスパチャしてねー」

相変わらずのパワーワードです。想像だからって言いたい放題のもこっちですが、もこっちのこういう想像、嫌いじゃありません。やっぱりもこっちは、脳内くらい滅茶苦茶言ってこそですよね。

・朗読

「外郎売」は歌舞伎の題目の一つのようです。作中でも語られているように、現実のアナウンサーや声優の養成所においても発声の練習に用いられる事が多いのだとか。

さてネモ、この「外郎売」を知っているようです。界隈では有名なのでしょう。紙も読まずに一人だけ饒舌にこなすネモは、ちょっとかっこいいです。もこっちだったら完全に調子に乗っている案件ですが、実に謙虚なものです。ネモらしい態度ですね。

・もこっち声優仮定

ネモ評ではもこっちの声には特徴があるそうです。以前にネモがもこっちの声真似をした際には、その特徴を上手く掴んだ発声をしたのでしょう。しかしもこっちの声に特徴があると言われると、嫌が応にもアニメ版を思い出します。

もこっち役の橘田いずみさんはハマり役で、すごく特徴的な演技だったのでよく覚えています。わたしのもこっちのイメージは未だにあの声です。

さてもこっちお得意の偏見タイムが入りました。

もこっちの中での声優像が酷いです。「百合営業」をやる前提なのが笑えます。絵面でさらに笑えます。「裏でも仲良い~」のくだりのコマ、これ一体どういう状況を想定した上の絵面なんでしょうか。滅茶苦茶シュールです。こういう笑わせ方は、いささか卑怯だと思います。大好きですが。

・アフレコ授業

こんな授業があるんですね。さすがは体験授業、面白そうです。

でも同時に滅茶苦茶緊張しそうな授業です。人によっては公開処刑も同然のやつです。

もちろん声優になろうという人にとってはそれほどの壁ではないのかもしれませんが……もこっちは別です。

引っ込み思案とまでは言いませんが、こういう大一番では確実に緊張して萎縮する体質のもこっちにとって、えげつない授業です、

案の定、目を回して緊張しているもこっち、可愛いです。そしてその緊張が、とんでもないギャグ展開を生み出します。

もこっち、前の人のアフレコ聞いていたでしょうに……

緊張のあまりやる事が大胆で笑います。台本ページを間違えたもこっちのセリフを見て、アドリブを振られたと勘違いしたネモも暴走。台本を投げ捨てた演技が始まりました。

二人のアドリブの内容も滅茶苦茶で面白いのですが、ここで注目すべきは二人の表情です。

ただ緊張しているだけのもこっちと違って、ネモは本当に楽しそうに演技をしています。ちょっと挑戦的にもこっちを窺うネモの表情もすごく生き生きして、最高に綺麗です。

ネモが声優という仕事を夢にするくらい大好きだという事が心底伝わってくる表情には、ニコ先生の漫画力の高さを感じずにはいられません。

その後他の人のアドリブを聞きながら頬を赤らめるネモ。自分達の時を思い出して、恥ずかしがっているのでしょう。けれど同時に嬉しそうでもあり、ネモにとってもこっちとのアドリブ合戦がまるで夢の中の出来事のように甘美な時間に感じられたという事がひしひしと伝わってきます。このネモの表情、すごく好きです。

・その後

帰り道、ネモはずっと嬉しそうでした。一日目の夜に喧嘩しかけたネモは不安そうな表情を浮かべていましたが、きっと彼女の求めた以上の時間が得られたことでしょう。

「私達で作ったんだ」というネモのセリフが、もう本当に言葉で言い表すには足りないくらいに心にきます。夕暮れの綺麗な情景描写も相まって、感動的ですらあります。この漫画の更新タイミングが平日の深夜ではなかったらわたしは泣いていたかもしれません。

さて、上機嫌のネモはもこっちに、今後の活動方針を語ります。あれよあれよと文化祭の話になりました。

文化祭で、もこっちの考えたシナリオで演劇を……?

ライト姉妹かな?

これでもこっちが羞恥のあまり不登校になったら、笑いますよ。いろんな意味で。

・夏の予定

二木さん回によると、ネモとの予定は8月10日と11日。まだまだ夏は始まったばかりです。「夏休みも終わりか」と切ない事を言うもこっちですが、まだまだ先は半分ほどあります。当分夏休み回が続きそうで、読者として嬉しいです。

ネモの演劇のお話は、ゆりと加藤さんにも届きました。

・ゆり

「映画はやらないけど、家には行ってもいいけど」

……なんだその回答。

それじゃあ家に来る意味が無いではありませんか……と思いましたが、まさにゆりが言いたいのはそこでしょう。加藤さんや吉田さんはもこっちの家に行った事がありますが、ゆりはありません。単にもこっちの家に行ってみたいだけなのでしょう。

でもいざ行った先で演劇のお話になると、多分ゆりも参加させられますよね。もこっちが頑張っているなら……と、結局ゆりも参加する事になるでしょう。良い流れを期待しています。

・加藤さん

加藤さんは普通に来るみたいです。演劇に関してもある程度肯定的な様子が見られます。彼女に関しては勉強メインみたいなところがあるやもしれませんが。

加藤さんは合宿以来ですね。もこっちと加藤さん、お互い呼び名が変わっていますし、次に会うのがたのしみです。

総評

今回、いつにも増して滅茶苦茶良かったです。まさしくネモの本領発揮というか、彼女の魅力的な部分がいくつも見られて、大満足です。今日からネモのファンになります。

そして次回更新は、再来週です。お盆が挟まるにも拘わらず二週間更新、嬉しいです。谷川ニコ先生、希望をありがとうございます。

喪179の満足度:100/100

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