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感想「ムダヅモ無き改革 プリンセスオブジパング 8巻」

7月初頭に「ムダヅモ無き改革」の続編「ムダヅモ無き改革 プリンセスオブジパング」の最新刊が発売されました。

若干語るタイミングを逃しましたし、果たしてこの破天荒な漫画の感想がまともな文章としてアウトプットできるのか甚だ疑問ではありますが、語っていきます。

「ムダヅモ」の紹介をリンクします。

「プリンセスオブジパング」の紹介をリンクします。

以下、8巻のネタバレ注意!

さて、今巻はウクライナ対日本。葩子の対戦相手は元ウクライナ首相ユリア・ティモセシェンコ。「ガスの魔女」の異名を持つユリアは一体どんな麻雀を仕掛けてくるのか……

・ラグナロク級の闘牌士

神話レベルという事でしょう。これまでとは次元の違う対戦相手という表現でしょう。滅茶苦茶かっこよ。

・腐海の牌毒

ユリアは毒の霧を吹き出して、周り一面を毒で覆いました。

……反則では?

いや、まあルールなんぞあって無いようなものかもしれませんが……でもこれによって葩子は窒息で死にかけていますし、普通にダイレクトアタックなんじゃないでしょうか。味方にNINJAがいたから事なきを得たものの、完全に殺し技です。初っ端からかましてくれます。さすがはラグナロク級。

しかしユリアの毒霧の効果はそれだけにとどまらず「手牌を腐らせる」能力を持っていました。毒霧を吸い込んだ葩子の手はみるみるうちに腐っていって……

……?

いや、理論的に考えても無駄な話です。とりあえずそういうものだと納得しなければ、この漫画は先に進みません。この世界観における麻雀牌は何かと神聖な力を秘めているものですからね。

しかし麻雀において相手の手をデバフする技とは、この漫画にしてもなかなか珍しいです。能力麻雀系漫画における能力というのは大抵、自分の和了を促進するためのものばかりですからね。新鮮で面白いです。

・三色三暗刻(ナイチンゲールブレイカー)!!!

かっこよ!

さすがはラグナロク級、相手のバフをしながらしっかり自陣で手を揃えていました。せいぜい満貫手ですが、綺麗な手で迫力があります。

でも攻撃時にも霧吹くんですね……

・忍者対スナイパー

絶望的な配牌の中、重なったドラの中をポンしてドラ三を得た葩子。

手が腐っても闘志が萎えない葩子を危険とみなし、ユリアのオヒキであるスナイパーのエレオノーラが動きます。葩子を亡き者にしようと銃を構えますが、そこには葩子のオヒキである忍者の宗奈がクナイを構えて……

……麻雀は?

そりゃ確かに対戦相手を殺害すれば自然に不戦勝でしょうけれど……だからって席を立ってまでバトル展開をせずともよいのでは……?

これまでも雀士に直接攻撃を仕掛けてくる相手はいました。なのでこの漫画では定番の流れという事になるのかもしれませんが、それでも何度でも、わたしはツッコミを入れたい所存です。

麻雀をしなさいよ!

・まだあわてる点差じゃない

完全にスラムダンクのネタです。

話の流れと関係無く、突然ぶっこんできました。唐突すぎて卑怯極まりないです。この漫画、思い出したようにこういう事をするから良い意味で質が悪いです。

・クサナギブレード

中をカンした葩子は天皇家特有の必殺技、クサナギブレードを手にする事が出来ます。中をポンしている今、そのお膳立てが整っていると言えましょう。

が、どうやら加カンからの明カンでは駄目らしいです。符が足りないとのこと。符が少ないと牌が持つ霊的エネルギーのポテンシャルが足りず、クサナギブレードを生成出来ないのです。

すごくもっともらしい事を言ってるようで、滅茶苦茶言っているような……

でもそういう会話が盤外で繰り広げられた直後で、明らかにそちらに耳を傾けている様子の無いユリアも「符が足りない」と葩子に指摘していた事から、国家レベルの雀士からすれば常識的なお話なのかもしれません。

しかし葩子は明カンから剣を生成しました。その剣は……

・中ドラ8(サンダーブレーク)!!!!

葩子が生成した韴霊剣(サンダーブレード)は、正しい読みを「ふつのみたまのつるぎ」と読み、日本神話において毒気を抜き活力を与える霊力を持った剣だそうです。

さすが天皇家の末裔、葩子は博識です。

いや、知っていたら具現化できるというのは割とトンデモですけどね。

さて、韴霊剣によって毒が抜かれ、あやうく自身の牌毒に侵され死に至るところだったユリアは救われました。ですが消耗した体力までは戻らない様子で、身体は限界を迎えています。一方で葩子もまた、クサナギブレードを韴霊剣にトランスフォームした反動でダメージを受けており……

この解説、果たして文字媒体で通じるのでしょうか?

なんか分からなくなってきたので、もう詳しい状況の解説は省きます。

・牌を投げたら反則

ええ……

やっぱ反則の概念はあるんですね。一度この世界のルールブックを見てみたいものです。

・死の風(スホベイ)

ユリアの奥の手は、やはりダイレクトアタックでした。勝つために手を揃えるのではなく、あくまで対戦相手を倒すというスタイルは、完全に外道のそれです。彼女のせいでこの巻、ほとんどバトル漫画ですよ。

・天石盾(アメノイワタテ)!!!

これに関してはもう、完全な物理防御の盾です。解説が全く追いつきませんが、とりあえず葩子は相手のダイレクトアタックを想定していたというわけですね。なるほど。

・九蓮宝燈(ブレイキングイントゥヘヴン)!!!!

見開き一ページでのダブル役満。大迫力です。何の説明も無しにカンもせずクサナギブレードを生成している葩子にツッコミを入れても良いのかどうか、判断がつきません。

とりあえず、決着はついたという事で。

総評

後半はもう完全にバトル漫画です。

しかし葩子の必殺技の引き出しはすごいですね。日本神話を紐解くほど引き出しが増えそうで、良いキャラ設定です。

とりあえず勢いがすごい巻でした。

8巻の満足度:88/100

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