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感想「ムダヅモ無き改革 プリンセスオブジパング 9巻」

先月26日、「ムダヅモ」最新刊が発売されました。

ちょっとだけ語ります。

・漫画紹介

紹介記事をリンクします。

・前巻の感想

感想記事をリンクします。

以下、最新刊のネタバレ注意!

ウクライナ戦

前回、九蓮宝燈を和了して勝利を収めた日本ですが……

・サマで暗槓

麻雀でのイカサマは定番ですよね。「天」や「アカギ」みたいな裏社会が舞台の漫画では主人公をはじめイカサマ前提の雀士が少なからずいますし、「雀荘のサエコさん」や「咲」みたいな表社会が舞台の漫画だって、イカサマ雀士は登場します。

当然「ムダヅモ」だって、イカサマ上等です。前作主人公のジュンイチローの轟盲牌を代表に、様々なサマが横行します。

だから葩子の指摘は至極真っ当ではあるのですが……

直前の能力バトルとのギャップを考えると笑えます。ナチュラルに勝利条件をゲームでの勝ちではなく「相手を殺す」事として捉えている葩子が滅茶苦茶で面白いです。「遊戯王」の城之内vsマリクみたいになってません?

対するユリアの答えは……

「JKの大会で人死になんか出したらみんなドン引きじゃない」

……死の風はいいんですかね? あれ立派な殺人技だと思うんですが……まあ当人達が文句ないなら別にいいんですが。

ともあれ、ルーマニア戦突破です。幕間でちょいちょい女子してる一同、結構好きです。

ルーマニア戦

中国を下し、勝ちあがってきたのはルーマニアのヴァンパイアでした。

……

…………

……………………

まあ、人外が出てくるのも納得の世界観ですし、ここは別段今更ツッコむべき場所ではありませんよね。

さて、今回のおヒキは葩子の友人であるくっきーこと菊理です。葩子をはじめ極めて個性的な日本チームの中で、唯一幸運以外変わった部分の無い天然なキャラで、まさにビギナーズラックの象徴といった風です。ちょっと前の巻が現在手元に無いので過去の闘牌を読み返す事が出来ないのですが、仮にも日本代表。期待出来そうなキャラですが……

・対バンパイア砲

東一局からえらいものが出てきたものです。ルール違反ってレベルじゃないような……

でももちろん、先手を打ってきたルーマニア代表のデミトリアの方が悪いんです。メタ的に吸血鬼という前情報があった以上、どこかで吸血してくるとは思いましたが……まさかこんなに早く、しかもダイレクトにやってくるとは思いませんでした。どう考えても彼女の方も反則ですよね。完全に実力行使ですし。

しかもデミトリアはバンパイア砲を食らっても平然としています。何故か対局の場に持ち込まれたニンニクたっぷりペペロンチーノを食べても平気なようです。どうやら吸血鬼としての弱点は克服しているようですが……

そういうの抜きで、大砲の弾食らって平然としているのはヤバない?

この漫画とは別に関係ないお話かもしれませんが、普通に吸血鬼の弱点って人間に対しても致命的なの多くないですか? 「銀の弾丸で胸を貫かれる」とか、「杭で首を打ち抜かれる」とか、そんなんされたら吸血鬼じゃなくても死に至るんですよね。

どのみち相手は普通の人外という事ですね。

・三暗刻ドラ3(トランシルヴァニアンアタック)

大げさなルビ、大好きです。

そして相手はツキを吸い取る次世代吸血鬼。いよいよもって能力バトルと化してきましたね。

ウクライナのユリア戦では運気を落とされ苦戦を強いられましたが、今回の相手は落ちた運気を力に変えるという厄介さ。しかもユリアと違って吸血は肉体的な負担が無さそうで、明らかに強敵です。

・Air-to-Airライフフォース

……

ギャグかな? いや、ギャグですけども。

「なんて膂力」じゃないでしょうよ。まずは脚力に驚いて欲しいものです。

しかし菊理のツキは太いですね。二度も吸われたのに平然としているどころか、さしたるダメージを受けている様子も感じられません。しかも結果的には成せなかったとはいえ、デミトリアの本来の和了牌を吸い込んでの混一色テンパイ。

この人、何気に国家クラスの雀士なのでは?

・四暗刻単騎(ミッドナイトキス)

運気を吸い取っての満を持しての役満……

と思いきや、まさかの切り間違え。

これも含めての運っぽくて、菊理のツキの太さに笑えます。この人がツイていればいるほど、デミトリアの一人相撲感がギャグになりますね。

点棒と和了の数だけ見ると完全にデミトリア有利の体勢のはずなのですが……気軽にダブル役満が登場するこの漫画は例えるなら、最後に点数がインフレするクイズ番組と同様、最後の最後に簡単にひっくり返るので全く優勢には見えませんね。

さて、窮地に陥ったデミトリアは遂に直接的な吸血をしようとしますが……

・吸血を捨てた理由

この漫画、時々勉強になる事言いますよね。歴史の偉人が多数登場するわけですし、必然ではありますが。

黒死病とはまた、攻めた設定ですね。吸血鬼は感染症に弱い……なんだか現代の情勢にも通ずるところがあって、なかなか皮肉です。

そんな事情もあって敵からの吸血を諦め、代わりにおヒキの同族からの吸血によりパワーアップしたデミトリア。

・混一七対子(Dの食卓)

この牌が殴ってくるみたいな演出、好きです。

しかしこの対極、デミトリアばっか和了してますね。他3人全員がヤキトリという一方的な戦いの上にさらにパワーアップとは……さすがは準決勝まで上がってきた相手。強いです。

これまでのキャラの濃さを考えると、今回信じられないくらい影が薄かった葩子もようやく和了しましたが……その途端罠にかかって吸血の餌食に。葩子は強いですが、割と隙だらけですよね。番外戦術に弱いのが、未熟な感じが出てて結構好きです。毎度ピンチになりますしね。

総評

っていうか吸血が強すぎるんですよね。普通にダイレクトアタックはルール違反にすべきですよ、運営。

いや、面白いんで全然いいんですけどね。

9巻の満足度:90/100

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