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感想「僕の心のヤバイやつ Karte.71」

本日、僕ヤバ更新日です。

面白かったので語ります。

・漫画紹介

紹介記事をリンクします。

・前回の感想

感想記事をリンクします。

以下、最新刊のネタバレ注意!

Karte.71 僕は山田と

山田家での騒動が終わり、家に帰った市川の視点からスタートします。

おねえ、久々ですね。男日照りと思しきおねえは、市川の動向に興味津々のようです。可愛い。

・"みんな"って?

山田から貰った「キ」の文字が描かれたチョコを頬張りながら、訝しげに弟を見つめるおねえ。

……

いや、なんで食ってんだよ!

当然のように弟が貰ったチョコを口にするおねえ。普段の市川に対して決して傍若無人とはいえない、慈愛に満ちた優しい振る舞いを見せる彼女ですが、恋愛関係の話になると大人げない態度になるみたいですね。

・もうハーレム化してんのか

……

そういう漫画じゃないので。

最近萌子と仲良くなったとはいえ市川は山田に一途ですし、萌子もその点はきちんと線引きしています。むしろこの二人の距離感はある意味ハーレムよりも美味しいので、今後もたっぷり絡んで欲しいところです。

さてそんな中、市川に電話です。市川の電話が鳴った事に対して、おねえがちょっとだけ嬉しそうに見えるのはわたしだけでしょうか。

・山田の両親らしい

山田夫妻への市川の感想は、概ね良好です。父親とはともかく、母親とは玄関先で込み入った話をしましたし、妥当な感想です。

すごく厳しそうで正直怖くて…

でもちゃんと向き合えば優しくて大人で…

市川は上記の感想を述べた後、「山田の親! って感じした」と言っています。すなわち山田夫妻から抱いた総合的な印象は、概ね山田にも当てはまるという事ではないでしょうか。

確かに山田は興味のない相手には冷たい部分があるので、市川は当初気後れしていました。

しかし回が進むごとにお互いの内面を深く知るようになり、優しさも大人っぽさも抱いた事でしょう。

無論同じくらい子どもっぽさなんかも感じたでしょうけれど、そこは年齢の違いという事で。

それはそうと市川のこの感想って、山田母単体でも成り立ちますよね。市川はまだ山田父とちゃんと向き合えていないので、この辺はまだまだ一波乱ありそうです。

・同じこと言われた

家では普段よりもさらに子どもっぽい山田、可愛いです。

それはそれとして、市川への山田夫妻の印象も、概ね良好のようでした。

完全にゲーム友達としての期待を持っている山田父に対して、山田母の反応は非常に意味深です。山田のはしゃぎように、察するものがあったのでしょう。市川の誠実な部分も目にしていますし、これもう親公認なのでは!?

・山田くん

……

あっ……

山田父的には、おかしいと思いつつもそういう解釈でいたわけですね。そうじゃないと市川があの時「山田」の名入りジャージを着ている理由が説明つかないですものね。

愛娘のジャージを着て帰宅した事を山田父に勘付かれました。この時の市川の絶望顔、めっちゃ好き。

そして山田父も、山田母とは異なる経緯で市川達の関係に気が付いてしまいました。意気消沈する山田父、山田母の反応と比べて実に父親らしくて好感が持てます。いいキャラですね。

訳も分からずしばらくの自宅訪問を自粛されて残念そうな表情になる山田、アホ可愛い。

・居酒屋?

ここからおねえ回です。

山田夫妻が大人で市川や山田が子どもなら、おねえはその中間みたいな存在です。大人ほどしっかりしていないけれど、大人よりも近い距離で子どもの市川を見守る役割は、この作品における唯一無二のポジションです。

「甘酒あったはず」

「いらん」

「カンパーーイ」

この流れ、スムーズかつシュールで笑います。口ではおねえの申し出を完全に拒否しておきながら、次のコマでは晩酌に付き合ってあげる市川、素直で可愛いです。そういえば市川、おねえの休日の外出も文句を言いながらしっかり付いていっていましたね。ツイッターの漫画では一緒に外食にも行ってされるがままに「あーん」されていますし、歳が離れているだけあって姉弟関係は固定されているようです。

・告んないの?

……

この酔っ払い!!

酒が入った大人は普段言わないような事を簡単に口にするから始末に負えないものです。けれど酔っぱらいながらも、的確な問題提起をします。

・心だって変わるんだよ

市川の世界は山田がいる学校と、他者がいない家の中のみ。

けれど山田の世界は学校だけでも市川よりずっと広く、芸能人としての世界も知りつつあります。

もしも仮に今現在市川の事が好きでも、成長して環境も変わった結果、心変わりをしないとは断言できません。

山田にとって市川よりも魅力的な人が、もしかしたらいるかもしれません。

・僕はずっと山田が好き

いつになく発言に自信が見える市川。

ここではっきりとこう言ったのは、交友関係の広い山田と比べ、自分の方は成長や人との出会いの機会が希薄で、ずっと変わる事が無いから……ではないでしょう。

ネガティブ思考な市川ならば、じっくり思考を凝らしていけばいつかはそういう結論に辿り着くかもしれませんが、ここではそんなマイナスのニュアンスは感じません。咄嗟に口を衝いて出たセリフだと思います。

これにはおねえも閉口。読者も閉口です。

・明日突然僕らが疎遠になったとしたら

「きっと一瞬で僕のことなんて忘れるだろうな」

……

…………

……………………

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まーだそんな事言ってるんですか、この人。

間のコマで山田が「ス」の型紙を用意しているのが、現在の山田の気持ちをそのまま表しています。もちろん市川はそんな事知る由も無いのですが。

・そんなのいやだ

……

市川、酔ってる?

テンションがシラフじゃなくてびっくりしました。

話ながら感極まるタイプではないのですが……深夜テンションですかね?

泣いた市川に驚きつつも慰めの言葉を掛けるおねえ、健気で可愛いです。次のコマで握りこぶしを作って笑むおねえ、もっと可愛いです。

・僕は山田と

……

危うく浄化されるところでした。

市川がこういう気持ちを口に出すのは初めてではありませんが、自分と最も近しい身内であるおねえにはっきりと宣言したのは大きな意味があるのではないでしょうか。

言った後、聞いたおねえと一緒に悶える市川、最高に可愛いです。大ゴマからのこの反応、初々しさに溢れていてラブコメ感いっぱいですね。

・ほんの少しだけ

市川……

……

市川……!

欲の出し方が山田っぽいのがちょっと可笑しいですね。お互いに対して卑しいだけの二人……とても素敵だと思いました。

総評

山田家訪問を終えて箸休め回……と思いきや、ラブコメとして重要な進展がありました。

そして主要人物全員、滅茶苦茶可愛い神回でした。

Karte.71の満足度:98/100

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