見出し画像

感想「ワンパンマン リメイク版176話」

先日、リメイク版ワンパンマンの更新が来ました。前回175話からおよそ3週間ほどでした。

ワンパンマンはWeb漫画の中でもかなり特殊な連載形態で、基本的に不定期更新です。それゆえに2週間以上の間隔が空いてしまうと、どうしても更新そのものに気が付かない事がままあります。

そんなときは、作画の村田雄介先生のTwitterを見てみましょう。最新話更新の際には毎度、告知のツイートして下さっています。

これで次回も更新日に漫画が読めますね。

では、早速内容の方を語って行きます。

前回のおさらいとして、前回更新時の感想をリンクします。

以下、ネタバレ注意!

・全51ページ

……

…………

……………………

すごいですね。

3週間で51ページ……しかも村田先生特有の超緻密作画でその速度は、さすがプロとはいえ、驚嘆モノだと思います。

中身も決して手抜きされたような内容ではなく、いつも通り……いえ、いつも以上に大迫力です。

今回も更新、ありがとうございました。

さて内容の方ですが、前回に引き続きタツマキ対サイコスです。

・キング

たった数コマで株を上げてきましたキングさん。

というかキングに関しては、作中での株が下がっているところを見た事がありません。子どもと一緒に戦線から離脱しているだけなのに、タツマキに関心されるとは……幸運ととるべきか不運ととるべきか。

ここでタツマキ、キングの離脱を「敵との相性を考えた結果自分に任せた」という認識でいるようですが……

タツマキ、キングの戦闘スタイル知らないですよね?

っていうかそんなものありませんし。

でもそういえば宇宙人が襲来した時、キングは飛行中の宇宙船を前に「俺では何もできない」という趣旨の発言をしていました。

もしもタツマキのキング評がその辺りを加味していたというのなら、おそらく「遠距離攻撃が不得手」という程度に受け取ったという事になるのでしょう。

そして「相性を考えた」というタツマキの想像から察するに、タツマキの中でキングの純粋な戦闘能力そのものは、決して自分やサイコスと比べて見劣りしないはずだという認識という事が分かります。

タツマキだけに限りませんが、ここにきてキングの実力を全く疑わないのはもう相当面白いです。少々何をしても、キングの実力は疑われそうにありませんね。

・タツマキ対サイコス

タツマキの戦闘スタイルは、超能力を駆使して周りに被害を与えないようにしながら戦う事。陸地への津波まで考慮しながら戦う様は、なるほど単なる肉体派とは異なるやり方で、実にヒーローらしいです。

海面を割り、巨大な岩を武器に戦う二人の様子は、傍で見ているヒーロー達には到底理解出来ない領域にありました。地上班ち入れ替わりでやってきた負傷したヒーロー達は、その戦闘のすさまじさに驚愕しています。流れ弾一つの大きさから見ても、彼らが太刀打ちできないレベルの話になっている事がよく分かります。

しかし駆けつけたヒーロー達はそんな戦闘を目の当たりにしても尚、ヒーローとしてその場に残り、巻き添えで瓦礫の下敷きになった一般人の救助に尽力している様子でした。

このワンパンマンという漫画、守るべき一般人の性根は疑わざるを得ないような描写が多いですが、ヒーローに関してはほぼほぼその職務に忠実です。序盤に出てきた意地悪なヒーロー「タンクトップベジタリアン」「タンクトップブラックホール」にしても褒められた人格者ではないにしろ、ヒーローとして悪に立ち向かい、人間を助ける正義感を持ち合わせているようです。こういうところがきちんと描写されるこの漫画、本当に魅力的だと思います。

さて戦況ですが、策を弄して一時はサイコスを追い詰めたタツマキですが、再び優位を奪われてしまいます。絶体絶命のピンチの中、駆け付けたのは……

・ジェノス

登場時に特大のビームでサイコスの攻撃を妨害し、閃光を伴ってビルを駆け上がるその姿は、まるで主人公みたいにかっこいいです。

A級ヒーローのイナズマックスがジェノスを指して「雷が昇る」「青い龍」と形容していたのが、なかなか良い演出だと思います。

両手を龍の口のかたちにした状態から放つジェノスの新しい必殺技も、すごくかっこいいです。「かめはめ波」や「ドルオーラ」みたいな、実にジャンプの主人公らしい必殺技です。いや、主人公ではありませんが。

そしてジェノスの力は、わずかに及ばないとはいえ確かにサイコスにも通じるレベルまでパワーアップしているようです。原作の様子から考えると、ものすごい成長幅です。

かつてムカデ長老との戦いで敗北を喫した際、サイタマに「パワー不足」を指摘されたジェノスは、極端なパワー重視の改造で次以降の戦いに臨んでいます。フルパワーが持つのは10秒まで。シビアな時間制限とはいえ、漫画ならいくらでもなんとでもなりそうなところですが……?

果たしてジェノスのフルパワーは、ここで使い切ってしまうのでしょうか。

ともあれジェノスの参戦によって、二対一の構図になりました。まさかジェノスとタツマキがこんなにかっこいいかたちで共闘する事になろうとは、一体誰が予想した事でしょう。

ついに外殻を割り、いよいよ人間体である事を捨てた巨大サイコスと、それに立ち向かうジェノスとタツマキの構図、神話の一ページみたいな神々しさがあってすごく良いです。

・サイタマ

オチ要因です。どっちかっていうとフラッシュがオチ要因ですが。

別に無理にオチをつける必要もないとは思いますが……まあ激しい戦いの合間にサイタマとフラッシュの描写を挟み込むのは原作でもやっていましたし、別段おかしな話でもないのですが……

ですがこのオチも前にやっていましたよね。何度も同じオチをやると、段々とマンネリ化してしまうというものです。

いえ、マンネリ化を憂いているわけではありません。問題なのは、現在の戦闘が原作版における怪人協会との戦闘の中では、まだ序盤であるという事。ここから「黒い精子」や「ホームレス帝」などのサイコス以外の竜とS級ヒーローとの戦闘へと続いていくのですが……

原作では戦いそのものがそれほど長くなかったため、同じオチもそこまでくどくはなりませんでした。ですがここから明らかに長引いていく事が予想されるリメイク版で同じようなオチを連続させていると、確実にくどくなっていくでしょう。

となると展開としては、

①原作とは異なる、サイタマで落とさない展開になる

②たとえくどくとも、原作に忠実にオチをつけ続ける

③そもそも戦いがそれほど長引かない

という感じでしょう。

わたしが言いたいのはまさに③です。

サイコスとの戦闘がここまでインフレしてしまった以上、その後の幹部との戦いがあまり映えないのではないか……とかつて危惧したものですが、そもそもその展開そのものがオミットされる可能性だってありますよね。

ともあれ予測がつきません。

総評

物語の展開としては、あまり大きく進んではいません。サイコス対タツマキの構図は、もうしばらく続くようです。

しかしジェノスの参戦は漫画的にかなりインパクトが強く、描写の強さも相まって非常に迫力がありました。次回こそどうなっていくか、気になるところです。

176話の満足度:76/100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?