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髙橋マコトさんのエリッククラプトン

友人に誘われて、高橋マコトさんの出演する朗読会に行きました。

「エリッククラプトン物語」を郷 圭子さんが朗読し
その物語に合わせて高橋さんがエリッククラプトンの曲を歌います。

髙橋さんの演奏は自然体。
「歌が好き、音楽が好き、ギターが好き」
という気持ちが優しく伝わります。

喋りながらスーッと演奏に入っていくので
歌を聴いていて感じるのは
わざわざどこかの会場に聴きに来ているのではなく
二人だけの部屋でサラッと弾いてもらっているかのような
不思議な親近感。

髙橋さんも郷さんも人気がありますので
小さな会場にはお客様がいっぱいでした。

しかも、いらしているお客様も品が良くて
なにかの世界である程度の成功を収めた感が強いかたばかり。
もちろんクラプトンにも心酔しており
物語に書かれた過去も、作られた音楽も
空で歌えるほど知っているという様子でした。

カジュアルなデニムに質の良いジャケットを合わせて
似合う髪型、丁寧な物腰。
会場の空調が少し寒い、と誰かが言い出した時も
微笑みながら交わされる「今、温度を上げているそうよ」という抑えた声。

なにもかも、大人の余裕~!
って感じでした。

わたしと友人だけ異質な感じだった気もするけど
とにかく皆さんフレンドリーに話しかけてくださいます。

ちょうど隣の席に座ったかたは
70代くらいのスレンダーなショートカットのマダムでした。
ゴールドのラインの入ったジャージに
黒のブラウスとジャケットを合わせてメチャかっこいい!
ジョルジオアルマーニの店に勤務していて
若きクラプトン来日の際には、お洋服を提案した経験をお持ちとか。

もうエピソードがハイレベル過ぎて、ほおぉお~って感じでした。

ジャズに詳しいかたや
芸能関係のかたもいらしていて
全体の雰囲気が
「名探偵コナン」のアクシデントが起きるパーティ会場みたいでした。

1部と2部の間には
スパークリングワインやビールを飲みながらくつろぐお客様達…

わたしと、犬を連れて来ていた友人は
30分の休憩時間を利用して、犬の散歩に行きました。

外の空気を吸ってホッとして席に戻ると
後半の物語へ。

破天荒な人生のエリッククラプトンも
年齢を重ねて
家族や友人、そして音楽を大切にして生きていく
という現在に繋がる自叙伝の結末にたどり着きました。


わたしは、エリッククラプトンの曲を聴いたことがなかったので
今回は高橋マコトさんの歌で、知ることができてよかったです。


毎年「これが最後の来日になるかも」と囁かれながら
武道館ライブをするために訪れるクラプトン。

ドラッグ、アルコール中毒、不倫、子どもの死
一人の人間が経験するにはあまりにも多すぎる過酷な人生。

わたしから見れば、なにひとつとしてハッピーな要素がみつからないのに
その葛藤には、どこか愛すべき人間の弱さがあって
不思議な親近感をおぼえてしまいました。


どんな世界に生きていても
ひとは、どこかに共感し合えるものがあるから
出逢いはいつも、ステキなのかもしれません。

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