楕円を描くように

 自分の中にはいろいろと相反する考えや価値が同居していて、様々な場面でどうするのが正しいのか悩む。あれこれと考えた結果、中庸が大事、という結論にだいたいいつも至る。
 それは何となく、やじろべえのようなイメージだった。バランスをとり続けるみたいな。

 しかし最近ある人と話していて、楕円形のイメージという考え方を聞いた。楕円とは、「平面上のある2定点からの距離の和が一定となるような点の集合から作られる曲線」らしい。相反する二つの考え、物事の両極端は固定されていて、それぞれから伸びた線の和が一定になる点を結ぶと楕円を描ける。

 思考に置き換えると、例えば、
 「個人として尊重されること、集団の調和を保つこと」「このままで良いと感じること、このままではだめだと思うこと」「怠惰であること、努力すること」「いまこの場所を生きること、ここではないどこかに思いをはせること」
少し前の投稿で引用したブログのタイトルを借りると、「根拠を問うことと、与えられたものをやること」

 生きている時代や場所、場面によって、二つの価値の重要性は変わる。それが、距離の長い方、短い方ということなんだろう。その時々の選択で、選び取る価値は違えど、それを結ぶと楕円になるということです。

 だから相反する物事を同居させて、しかもその双方についてより理解を深められれば、もっと大きな楕円を描けるようになるんだろう。そうなりたい。

 文系だけど、こういう風に数学的思考を物事を考えるのに使うのは好き。でもうまく説明できない、文系なので。

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