目覚めたら王妃候補にされてました 第五話
夕暮れ時、リーシャとアリアは夕食の支度をしていた。今日は畑で取れた葉物と芋を炒めたもの、根菜のスープ。ご近所さんから頂いたチーズだ。
「ねぇリーシャ姉ちゃん、お父さんとお母さんはいつ帰ってくるの?」
リーシャの両親は家族みんなで育てた野菜、母が作った織物、草籠などを山を二つ越えた港町、モンベルまで売りに行っている。近所の家たちと合同で荷を組み、半年に一度大掛かりな行商をしているのだ。
ひと月ほど前に出発し、まだモンベルの街でやっと露店が始まった頃だろう。まだ両親は帰らな