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お役人は「資金繰り」とか「黒字倒産」という言葉を知らないのだろうか。ーこのままではライブ関係者が大量に路頭に迷うのではないかという話。(協力金支払率18.9%というホラーのような実話)

会計の勉強をしたことがある人は必ず、

勘定合って銭足らず

という言葉を耳にしたことがあるはずだ。
企業会計の世界では買掛金・売掛金や手形の期間、在庫、減価償却(こっちはプラスか。。)なんかの関係で利益と現金がずれる。
いくらもうかってるように見えてる企業でもつぶれることがある、
これを黒字倒産といい、この状況を表した言葉が「勘定合って銭足らず」
そしてそうならないように資金をあれこれするのが「資金繰り」である。

ライブハウスは多少こういうようなものがあるけど、我々ミュージシャンは基本ニコニコ現金払いが多いので普段だったらあんまり気にすることはない。気にするとすればCD作る時くらいかな。

で、。

今回この”普段”がコロナ禍によって吹き飛ばされてしまったのだ。

今回私たちの資金繰りを大きく狂わせているもの、それが、

補助金そして、協力金。

ニュースとかでは飲食店には一日6万円のお金が入ってーとか、各種補助金もあるからー と報道されており、

私もたくさんの補助金の申し込みをしました。人の手伝いを含めてね。

で、問題はこれ。

①申し込み(いくら使いますよー と申請する)

②お金を使う許可が下りる(採択)

③使ったことを報告する

④使ったうちの2/3とか3/4が振り込まれる

という手順を踏むんですけど。(一般的に補助金てそういうものだからしょうがないのだけど)

今回③と④の間でめちゃくちゃタイムラグが発生したり、
②でOKになってたお金が④で認められず結局お金が振り込まれない
ことも起きてるみたいなんですよね。。

え、、みんな困ってるのになんで??

当然この補助金は税金で賄われているし、あまりにゆるくして本来の目的以外にじゃぶじゃぶ使われちゃうのは私も本意ではないけど。
(今の若い世代の借金になっていくだけだからね・・・)

変なゆるキャラに大量にお金突っ込んでるならこっちに回してくれ・・・。

と思うよね。。

例えばライブハウスやミュージシャンはこの一年まともに対面営業ができてないわけで、その分できるだけ配信で補おうとしてカメラとか買ってるんですよね。感染症対策のために補助金をあてにして設備投資をしたところもある。こういう設備投資は100万円単位になるわけです。

もちろんこの設備投資をしたことによる売上は上記③④の間にも発生しているのだけどそれだと赤字になるから補助金が設定されてるわけですよ。全額でないにしてもね。つまり、

設備投資したことによる売上ー(補助金+自己負担分)=利益

となる計算でみんな設備投資するわけなんだけど、この補助金の振りみが遅れたり、最悪「出ない」なんてことになったら目も当てられない。

わけです。

現在補助金どころか、東京都の場合は休業協力金の振込も全然進んでなくて昨日もこの話が話題になっていました。

知ってる?お店ってあるだけで固定費が発生するのよ??
家賃だけでなく、人件費とかJASRACの費用とか・・・。

関係者の皆さまが日々大変な思いをされているのはなんとなくわかる。
けど、やっぱり自分たちの生活が懸かってない人にこの感じはわからないと思います。

私は早稲田大学で会計を学びましたが、
本当にいい先生に恵まれて【現金】がいかに大事かを骨の髄まで叩き込まれました。「現金過不足勘定」を安易に使うなとかね。早稲田とかエリート多いじゃないですか、そういう人ほど実業の大事なことを忘れないようにと先生は釘を刺してくれたのだと思います。
お金は大事なんですよ。

今話題になっている一時給付金もね、
この期に及んで1年前の半分の売上しかなかったらみんな生活成り立たないから、本来したかった演奏活動以外にレッスンやったり制作やったり、配信やったり、いろんなことを頑張って生活費を何とか稼いでるんですよ。
でもそんな頑張ってる人ほど給付金をもらえないということになるのよ。
本来こんなのもおかしい。

というわけで本日は予定を変更して現在の音楽業界の「勘定合って銭足らず」について語ってみました。

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