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コンビニたそがれ堂の話。

子供の頃から本が大好きだ。
学校の図書室の本は片っ端から読み終え、市内の図書館にも通い詰めた。

今でも重度の活字中毒で、図書館通いは続いている。コロナで図書館が閉鎖された時は本当に途方に暮れた。いつも本当にありがとう!


という訳で、年中本を読んでいる身としては、読書の秋だからといって読む本や量に変わりがある訳ではないのだが、せっかくなのでお勧めの本を。


「コンビニたそがれ堂」シリーズ

村山早紀さんの、「コンビニたそがれ堂」


たまたま図書館の返却棚で出会った本。
シリーズが長く出ているが最初の巻は元は児童書だったらしく、短編集で文字数も少ない。
あまり本を読まない方にも読みやすいかと思う。


舞台は風早という、日本のどこかの街。
そこには風早の守り神が経営していて、どんな物でも必ず見つかる魔法のコンビニがあるという都市伝説がある。


日常でちょっとうまくいかないことがあったり、大切な物を無くしたり。
そんな人達が、ふと神様のいる魔法のコンビニで探し物を見つけたり、大切な人と再会出来たりして、また前を向いていける物語。


とにかく出てくる人物が皆優しいし、神様も優しい。
魔法のコンビニという、ファンタジーだが現代の日本が舞台であることで、登場人物の悩みに共感しやすいし、この路地を曲がったらコンビニたそがれ堂があるのでは?と思えるのもとてもいい。とにかく世界観がひたすらに穏やかで優しく、暖かいのだ。
私はこのシリーズで何度号泣したかわからない。


そして、コンビニにつきものの美味しそうな食べ物!
レジの横にぐつぐつ煮えたおでんに、神様がお稲荷様系統なので、お出汁がしみしみのお稲荷さん。
書いているだけでお腹が空くほどどれも美味しそうなのだ。
最近の人間の流行りを勉強しているらしく、コーヒーやカフェラテも出るが、突然昆布茶だったりするのもなんだか微笑ましい。

また、経営しているのが神様なので、動物もお客として来るのも嬉しい。
時々、忙しい神様の代理で可愛い猫又の女の子が店員をしていることもある。
着物にエプロンのスタイルも素敵なのだが、私は彼女の着物が羨ましい。 
なんとじっと見ていると、着物の柄が勝手に動くというのだ。しかも季節ごとに色々違うものを着ている。絶対じーっと見てしまうし、持っている着物を見せてほしい。ものすごく見たい!


という訳で、物語の中の世界でどこに移住したいか聞かれたら、私は絶対風早の街なのだが、もし興味があれば是非この素敵な街に遊びに行って欲しい。


コンビニたそがれ堂もシリーズだが、実はこの風早の街が舞台になっている本が他にもある。
ステンドグラスがある古き良き百貨店があったり、品揃えがいい本屋さんがあったり、美味しいカフェがあったり。
どの作品も穏やかで優しい空気は変わらず、癒しが欲しい時に立ち寄る大切な場所だ。


新しいカフェを開拓するような気持ちで、この街に遊びに行ってもらえたら、と思う。
素敵な物語を、いつも本当にありがとうございます。


それでは、風早の街でお会いしましょう。




#読書の秋2022

#コンビニたそがれ堂


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