最近のおしごと

約1年前に書いた記事ですが、3度目の緊急事態宣言に当たって同じ状況になってきたなあと思いますので再掲。


他の同業者はどうかわからないけど、新規の仕事が少ないな、という印象です。多分役所の相談業務が中止になり、それ以外の相談についても緊急でなければ見送っている人が多いのかもしれないですね。

最近は既存の仕事の主に書類仕事をやっつけている感じです。正直、今の状態は嵐の前の静けさだと思っていて、上司とは今年の下半期にはめちゃくちゃ忙しくなるだろうと話しています。いつそうなっても対応できるように、締め切りが多少先の書類仕事も手を付けています。

そういうわけで、コロナの直接の影響を受けるのはもう少し先かなと思っていたのですが今日ちょっと考えてしまうことがありました。

刑事弁護あるある?かと思うのですが、年末年始や真冬の寒い時期、路上生活者の軽犯罪が増えます。いわゆる、屋根のあるところで寝たかったというやつですね。

そういうパターンは、その性質上桜が咲くころには落ち着きますが、今日ちょうどそんな事件がありました。

よくよく話を聞くと、普段であれば、このくらいの気温だったら悪いことをしてつかまろうとまでは思わない。だが、今年はコロナの影響で図書館を始めとする公共施設がことごとく閉鎖されたし、日雇いの仕事も減ってしまった。いくら暖かくても、一日のうち少しは屋内で休まないと体が持たないから、申し訳ないけどやってしまった。

そんなことを言っていました。

路上生活なのは自己責任だし、ましてや犯罪に走るなんてもってのほかだという意見の方もいるでしょう。そもそも公共施設で休むなという話なのかもしれません。

ですが、私は自分が路上生活ではなくて、したくもない犯罪をしなくてすんでいるのは、運がよかっただけだと思っています。自分はたまたま健康で、生活費や学費を出してもらえたから学校を卒業して就職できた。自力だけで頑張れた人と違って、私は自分ひとりだけでなしえたことなどほとんどなく、だからこそ、何かが違えば自分もこの人のように公園や図書館で寝ることになっていたかもしれないとしか思えないのです。

ちょっと話がそれてしまいましたが、今回のコロナウィルスによって、犯罪に走る人が増えて治安が悪くなるという側面もありそうという話です。個人的には、国家の役割を最小限にしたとして最後に残るのは災害対応と治安維持だと思っているので、納税者としては何とか上手に税金を使ってほしいなあ。

あともう一つ思ったのが、公共施設って文化の承継や教養という本来の目的ではないでしょうけれど、間接的に治安を守っているんですね。知らなかった…