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誕生日

縮こまる 風の怒り 雨の悲しみ
どうして バリアの中まで 刺さってくるの

文字も 言葉も 痛くて
誰とも 話したくなくて チョコを食べ過ぎた

明日は 何十何回目の
誕生日といういうものらしい いったい誰の?

乾いた部屋 エアコンの音
静電気が盛り上げた冬毛で走る 三毛猫

足りないものが わからない
ひとりで ただひとりでいたいと 願った

明日は 何十何回目の
誰かの記念日だったっけ いつ落としたの?

昨日と今日と同じ明日
作り笑顔で過ごせば 翌月お金になる

より良く より正しくなんて
考えたら 消費されるだけ よく知っている

明日は 何十何回目の
忘れたい人生をおくる誰かの誕生日
あたしの 落とした記念日 だった

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有島緋ナとして、初めて有料で公開した詩のマガジンです。 作者である私がラジオ配信で朗読したものございますので、あらかじめご了承くださいませ…

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