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長すぎて 本当に生きていたのかわからない 思い出が 時間ほど浮かんでこない それでも たどり着いた この場所には 感じる 選ぶ 好き 守りたい があった 永遠にないものと 何度も絶望した 悪夢を見ているのだと 思いたかった 半世紀は 遥か彼方のはずが 少し前に 追い越して ずっと後ろ キミを見つけた 7年前の夏の日には つながること ひとつも 知らないで ゆっくり 見えないほど 細い線を たどってみたら この新しい場所
風が抑揚をつける雨 防音サッシで静かに過ごしたい 猫が気にする 廊下の音と 同じぐらいに 入り込む雑音 どれがきれいで どれがうるさい 決めていいなら 今日は後者 部屋の空気を混ぜる扇風機 なくてもいい部屋に住んでみたい 夜 気になる階上の音と 同じぐらいに 響く雑音 どれが風雅で どれが低俗 決めていいなら 今日は後者 明日の空は 白になるとか 風が響かなければ それでいい どの日が好きで どの日が嫌い 決めて良いなら 明日は前者で 弱い音が ときどき流れ
頼りなく歩くのに 元気に見えるって たぶん 自分がそうしてきたから 基準がおかしくなってる 外の世界と自分とが 違いすぎているんだ やんわり聞こえたこともあるけど 消えないものは消せない 痛そうですか 辛そうですか すみません わからないです どちらも無視されたから おかしな仕草は隠し 普通に見えるって 矯正して ごまかせるから これが ただ一つの特技 そこにあった環境が 違いすぎているんだ 社会へ出てから気づいても 自分で作り直せない 痛そうですか 辛そうですか
縮こまる 風の怒り 雨の悲しみ どうして バリアの中まで 刺さってくるの 文字も 言葉も 痛くて 誰とも 話したくなくて チョコを食べ過ぎた 明日は 何十何回目の 誕生日といういうものらしい いったい誰の? 乾いた部屋 エアコンの音 静電気が盛り上げた冬毛で走る 三毛猫 足りないものが わからない ひとりで ただひとりでいたいと 願った 明日は 何十何回目の 誰かの記念日だったっけ いつ落としたの? 昨日と今日と同じ明日 作り笑顔で過ごせば 翌月お金になる より