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福田一雄先生のミニ講演🩰

指揮者の福田一雄先生の講演をお聞きしました。本当に興味深いお話で、胸が熱くなりました。

テーマは「パキータ」。どちらかと言うとそれぞれのバリエーションの印象が強いと思いますが、れっきとした演目で、初演は1846年4月1日だそうです。(ちょうど175年前…)主演はグリジで、スペインが舞台のお話。

意外と歴史あるこの「パキータ」は、その歴史の中で色々と付け加えられて今の形になってるみたいです。

パキータについて①

まず作曲者として、「ドン・キホーテ」のミンクスが知られていますが、実際はデルドヴェ。1881年にプティパが改定する際、新たにミンクスの音楽を付け加えたそうです。
あの有名なパドトロワも、初めはなかったのだとか。面白いのが、2つ目の女性バリエーションは、「アルミードの館」から引っ張ってきたということ。アンナパプロヴァとニジンスキーの若かりし頃、フォーキンの振り付けで踊ったものを、パブロヴァが何故かパキータの中で踊って今の形になったそうです。おもしろい。今じゃ完全にパキータのパドトロワだもんなあ。

ちなみに「アルミードの館」はこれまたミンクスの作曲ですが、実際1,4幕の作曲を担当したのは駆け出しの頃のドリーヴ。ここでの成果もあって、コッペリアの作曲に至ったそうです。

パキータについて②

次は、パキータの中にも色々あるバリエーション(踊り)の話に。福田先生のお話によると、全部で14個のバリエーションがあるとのことでした。ドリゴのものが1番多く、アルベルトザベール、ミンクス、ユーリーゲルバーなどが作曲したものもありました。何よりも驚いたのが、その中にドンキのキューピッドや、海賊などが入っていたこと。これら元々はパキータのバリエーションなんです。そのほかにも、ABT(American Ballet Theater)ではメジャーなのに日本では踊られないもの、ワガノワの生徒が踊るもの、ラシルフィードにあったものをわざわざパキータのためにスペイン風にされたものなど、14個のパキータのバリエーションはそれぞれとても興味深いものだったのです。しかも大バレリーナがそれぞれ踊りたいから付け加えたり、以外と勝手(笑)
そんなこんなで、このパキータが出来上がっていったみたいです。

感想

福田先生は、14個のバリエーションについて、贅沢にもピアノで演奏しながらお話をしてくださいました。メモとりながら聴いてたけど、音だけはメモできないからもどかしかった〜!

資料としてちょっとした楽譜も頂いたので、弾いてみよう(右手だけだけど)。バリエーションの楽譜なんてワクワクしちゃう。

それにしても、福田先生の知識量すごい。時間が許すなら、ず〜っとお話を聞いていたかった。コンクールというタイミングだからこそ、いろいろなバリエーションのお話をされたのかしら、そんな意図があったらなお面白い。

またお話を聴くことができたら、こちらに書きます🩰

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