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[サイト紹介]フランス右翼関連書籍を買おう!(体験談あり)

今回はフランス右翼関連の書籍が買えるおすすめ通販サイト二つを紹介します。実際にこの二つのサイトから私は書籍を数冊購入しているので体験談も交えていこうと思います。

Librairie française

こちらの書店サイトは主に右翼やカトリック、王党派、ファシズム、現代政治などをテーマとした新品の書籍を取り扱っています。Amazonでも販売されているようなごく普通の本から、昔に絶版となり他では取り扱いのない貴重な書籍の復刻版も購入することができます。例えばサイトのおすすめ欄には今話題のゼムールの著作が上がっているかと思えば、戦後のホロコースト否定論に大きな影響を与えたモーリス・バルデーシュ『ニュルンベルクまたは約束の地』の復刻版が売られているのを確認できます。(バルデーシュはこの本を出版した廉で戦争犯罪擁護罪で訴えられ、禁固一年の刑と書籍の販売禁止に処されている)

モーリス・バルデーシュ『ニュルンベルクまたは約束の地』

この書店はパリで実店舗を構えており写真を見た限りお店の外観は非常におしゃれのようですが、そんな見た目とは裏腹になかなか「尖った」書籍が並んでいます。先程紹介したバルデーシュの著作はもちろん、『ジュ・スイ・パルトゥ紙アンソロジー』をはじめとしたフランス敗戦後の対独協力者たちの評論集、ナチスやファシズムについて好意的立場から書かれた歴史本は枚挙に暇がありません。

大きな魅力は全ての書籍が新品かつ定価で売られていることでしょう。体験談で紹介しましたが、Amazonでは古本で定価の倍以上するような書籍を通常の価格で購入することができました。

体験談⑴

今年の一月頃にLibrairie françaiseを初めて利用しました。注文した翌日には発送の通知、翌週には自宅に到着したので非常に対応が早い印象を受けました。ただし梱包が弱く、注文した三冊の書籍のうち一冊が少しだけ破れておりそこが残念な点でした。

一番の目当ては先程も名前をあげた『ジュ・スイ・パルトゥ紙アンソロジー』でした。こちらの書籍はナチス占領下のパリで対独的・親ファシズム的な言論を繰り広げたことで悪名高い「ジュ・スイ・パルトゥ」という週刊誌に掲載された評論のアンソロジーです。Amazonでも取り扱いがあったのですが古本である上に定価の倍の値段での売られていました。一方でLibrairie françaiseでは新品で定価(28,44 €)の販売となっており、初めてのサイトで多少不安はあったものの、思い切って購入しました。

他には、ノートルダム大聖堂で拳銃自殺を行い同性婚反対を肉体言語で訴えた作家ドミニク・ベナーの『エルンスト・ユンガー』、対独協力の廉で銃殺刑となったローベル・ブラジヤックの『フレンヌの詩』を購入しました。

Editions de I'Homme Libre

こちらのサイトは「Editions de I'Homme Libre」という出版社の販売サイトであり、基本的にはこの会社から出版された書籍が販売されています。(一部他社出版の書籍もある)

この出版社は主に絶版となった書籍の復刊、ユンガーやエヴォラなどの著作のフランス語翻訳書、親衛隊をはじめとするナチスに関する本、フランス右翼の歴史について詳細に論じた本などを出版しています。出版されているもののなかで、フランソワ・デュプラという右翼活動家として知られる作家の『フランスの極右運動』はシリーズ全三巻で、1940年から1970年のフランスの右翼について当事者の立場より知ることが出来る特に興味深い書籍です。

占領下のベストセラーと呼ばれたリュシアン・ルバテ『残骸』の続編として構想された『あるファシストの回想』という彼の著作があります。彼の生前に二巻まで出たのですが、なんとこの出版社からさらにその続きの三巻から五巻目が出版されており、購入することができます。どのような経緯で出版されたのかは調べた限りわかりませんでしたが、戦後のルバテの動向を研究する上では重要な資料となること間違いありません。

リュシアン・ルバテ『あるファシストの回想3』

「Editions de I'Homme Libre」から出版されたものであれば、他の通販サイトでは取り扱いがなかったり値段が高騰している商品もこちらのサイトから簡単に買うことが出来ます。絶版となったフランス右翼関連の書籍を調べたい時には是非一度このサイトを見てみてください。この出版社から復刊されているかもしれませんよ。

体験談(2)

今年の二月末頃に注文し、自宅に届いたのは三月末でしたので、だいたい一ヶ月かかったことになります。不安だったのが問い合わせフォームから質問を送っても返事がないこと、いつまで経っても商品の配送状態が「処理中」と表示されていたことでした。しかし梱包はかなりしっかりとしており、貴重な書籍が手に入ったので利用して良かったと思います。

フランスのコラボ文学について知りたい場合、日本では言うまでもなく福田和也の『奇妙な廃墟』があげられますが、本国ではポール・セラン『ファシストのロマン主義』という書籍がその位置にあります(私見)。福田の著作では触れられなかったアベル・ボナール、アルフォンス・ド・シャトーブリアン、またセリーヌといった作家が、ドリュ・ラ・ロシェルらとともに論じられています。1960年に出版されて以来、様々な議論を呼んだこちらの書籍の復刻版と、先程紹介したフランソワ・デュプラの『フランスの極右運動(1940ー1944)』を購入しました。

その他のサイト

利用こそしたことがないものの、個人的に気になっているサイトをついでに紹介します。もちろん右翼関連の書店・出版社の通販サイトです。

・La Nouvelle Librairie

・Auda Isarn

https://reflechiretagir.com/categorie-produit/auda-isarn/?product-page=1






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