神籬による作詞講座

こんにちは!趣味でちまちまとボカロPをしている神籬(ひもろぎ)です!

今回は僕が小学校6年生の頃から培ってきた作詞のコツやしているとき何を考えているかをまとめましたので是非最後まで読んでもらえると嬉しいです!

あ、そうそう、始めに一つ言っておきたいことがあるんですが、あくまでこの内容は僕個人が意識していることであってこれが正しいというわけではありません。そもそも作詞に正しいやり方なんて存在しないので、一意見として参考にしてもらえると嬉しいです!

解説するにあたって詞があったほうが説明しやすいのでちょっと前に書いた詞を使って解説していきたいと思います!まずは軽く読んでみてください!

「それだけで」

水面のオレンジが 浮かぶ白い
小さな小さな 三日月を
片目ずつで見ている 二つの影
色があるように 赤くて

時の流れに合わない 速い鼓動
ひたすらその場を 繋いでいた
あのときの勇気なんて 今にもなくて
幸せに吸い取られていた

まるですり替わった日常は
火照るほどの沈黙を迎えて
せめて顔を見れたら笑えそうなのに
背中の温もりが焦らしてくる

心が少し揺れ動くような
小さな炎で灯るくらいの
愛のうたは歌えなくてもいい
ただどこかで好きと思えるくらいでいい

深く暗い夜空で 光る淡い
微かな微かな 六等星
同じ夢を見ている 二つの影
すぐ近くで 黄昏ている

そっと動き出した人生は
じれったいような 空間で巡って
もしも振り返れたら 重ならないかなって
迫り来る「またね」が 壊れそうなほど

ただのいつも見ていた風景が
たった一つだけで変わるくらいの
歩幅を合わせられなくてもいい
一度でも合ったならいい

移ろってく中でこのまま
ここだけの世界が生まれて
言わなくても互いに分かっている
どうしようもなく今が愛しいと

心が少し揺れ動くような
小さな炎で灯るくらいの
愛のうたは歌えなくてもいい
ただどこかで好きと思えるくらいでいい

それだけでいい

それでは、始めから順に見ていきましょう!

水面のオレンジが 浮かぶ白い
小さな小さな 三日月を
片目ずつで見ている 二つの影
色があるように 赤くて

僕の詞では基本的に一番初めに風景描写をすることが多く、今回もその例に当てはまっています。この詞の様子だと「水面」から海や川のほとりで、「オレンジ」から夕暮れ時で…などと色を使ったり、その時間帯の特徴、主人公の感情などから風景を想像させに行きます。恐らくこの四行だけでももうある程度の風景は想像できたのではないでしょうか。「色があるように 赤くて」など比喩を使うとそれっぽくなります。この詞はずっと同じ風景をまとめているので最初で一気に世界観にもっていけるようにしました。

時の流れに合わない 速い鼓動
ひたすらその場を 繋いでいた
あのときの勇気なんて 今にもなくて
幸せに吸い取られていた

ここでは初めの状況になった理由や主人公の心情をぼかしつつも割としっかり書きました。ここからは特に型を決めてないので、初めのところからイメージを広げていきます。

まるですり替わった日常は
火照るほどの沈黙を迎えて
せめて顔を見れたら笑えそうなのに
背中の温もりが焦らしてくる

想定上のBメロに入りました。メロディの境目でイメージを少し変えるのはよくやると思うのですが、今回もそれです。サビへと向けて少しずつ気持ちの表れを強くしていきます。

心が少し揺れ動くような
小さな炎で灯るくらいの
愛のうたは歌えなくてもいい
ただどこかで好きと思えるくらいでいい

一番大事なサビです。この詞はここを書いてからストーリーを考えていきました。つまり一番言いたいところです。A、Bメロとはガラッと変えて印象的にするとサビが目立っていい感じになります。「愛のうたは歌えなくてもいい ただどこかで好きと思えるくらいでいい」ここが主人公の心情の核心です。このように、まず曲において一番大切だと思ったフレーズとサビに入れると決めて、そこから考えるといいかもしれません。

深く暗い夜空で 光る淡い
微かな微かな 六等星
同じ夢を見ている 二つの影
すぐ近くで 黄昏ている

ここは初めのところと同じような感じにしました。設定が壮大で全く違う内容を書きたかったり、そもそもの目線が変わるような時以外は2番Aメロは1番初めのAメロに寄せて書くことが多いです。「二つの影」なんて言葉はまんま持ってきました。

そっと動き出した人生は
じれったいような 空間で巡って
もしも振り返れたら 重ならないかなって
迫り来る「またね」が 壊れそうなほど

ここも特に言うことなしです。「1番に合わせる」が一番書きやすくていい感じになります。

ただのいつも見ていた風景が
たった一つだけで変わるくらいの
歩幅を合わせられなくてもいい
一度でも合ったならいい

サビも同じです。「歩幅を合わせられなくてもいい 一度でも合ったならいい」貪欲じゃなくそっと寄り添う主人公の恋愛観を二番でも大切にして書きました。

移ろってく中でこのまま
ここだけの世界が生まれて
言わなくても互いに分かっている
どうしようもなく今が愛しいと

Cメロです。これは僕の癖なのですが、Cメロはサビよりもストレートに思いを書くことが多かったりします。今までの詞を踏まえて溜めてきた思いをぶつけるというか、ガラッとまたイメージを変えるために割と素直な印象にしてラスサビへと力強いバトンパスをする感じで書いてます。正直ここが一番自由だと思ってます。曲によっては入れないこともよくあるくらいなので、何となくで書いていいと思います。

心が少し揺れ動くような
小さな炎で灯るくらいの
愛のうたは歌えなくてもいい
ただどこかで好きと思えるくらいでいい
それだけでいい

鉄板の最初のサビ引用です。盛り上がるし追加で文を考えなくてもいいので無難にこれが一番いいと思います。(一曲を通してストーリーを作ってく感じの歌詞だとさすがに合わないのでその時はラスサビにふさわしいオチを付けて締めましょう。

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いかがだったでしょうか?僕なりに普段気を付けていることをざっと書かせていただきました!これが少しでも参考になれば幸いです!気軽に質問とかDMで受け付けていますので、気になるところがあれば気軽にどうぞ!

最後にもう一度言っておきますが、あくまでこれは僕が意識していることなので、頭の端っこに入れて参考程度にしてください!

以上、神籬の作詞講座でした!

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