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【住宅ローン】頭金があると効果絶大!利息負担が減るだけじゃないですよ。

こんにちは。ファイナンシャルプランナー1級のアトフジと申します。

このノートを読んでいる方はおそらく「将来的に自分も住宅ローンを借りる可能性があり興味がある」方が多いのではないかと思います。

そんな方に、現役銀行員として是非お伝えしたいのが住宅ローンを借りる時の「頭金の大切さ」です。

「頭金出せば、その分借りる金額は減るから利息負担が減る」

ことは簡単に思い付くと思いますが、全然それだけではないんですよ!

最近では、フルローンといって頭金ゼロで借りることが出来るようになり、実は多くの20代前半の方々が頭金ゼロで住宅ローンを借りている現状がありますが…

頭金を出さない事でかなり損しているなぁと感じます。

「無い袖は振れない!」と言われてしまえばそれまですが。

今からローンを組む方は、多少無理してでも「頭金」は準備するべきです!

是非、本記事で住宅ローンを借りる際の頭金の効果を感じて頂ければと思います。

住宅ローンの頭金が効果絶大な理由

毎月の返済金額が減ることについては、ほとんどの方が思い付くことで「当たり前」のことなので、今回はあえて頭金の効果には含めていません。

頭金の効果は3つあります。

①支払利息が予想以上に減る
②保証会社へ支払う保証料が減る
③金利交渉がしやすくなる

それでは順を追って説明していきます。

効果1:利息負担が予想以上に減る

例えば下記のような条件の住宅ローンがあるとします。

借入金額 3000万円
借入期間 35年
当初10年間の金利  1.0%
10年経過以降の金利 1.7%

この条件の場合35年間で支払う利息は776万円です。

では、同条件のもと今度は頭金を準備した場合を計算します。

【100万円の頭金を準備】

借入金額 3000万円 →   2900万円
支払利息   776万円 →    750万円

【200万円の頭金を準備】

借入金額 3000万円 →   2800万円
支払利息   776万円 →    724万円

 【利息の減少金額】

頭金 
100万円 →26万円減少
200万円 →52万円減少


100万払って26万円利息が減るので、実質74万円の負担で済むということ。

なんかお得に感じませんか?

200万だと52万円も利息が減るので、実質148万円の負担で済むんです。

これだけでも個人的には結構大きな効果だと思いますが、実はもっと効果を大きくする方法があります。

上記の例は、どちらも借入期間は35年でしたね?

もし仮に、頭金を払って「返済金額は変えずに返済期間を短くした場合」はもっと効果がでるんです!
返済金額を変えずに、返済期間を2年6ヶ月短縮すると…

利息の減少額はなんと121万円です。

200万払って121万円減るんで、実質79万円の負担になるんです。

これ凄いことですよね。

効果2:保証会社へ支払う保証料が減る

そして多くの方が知らない頭金の効果がこちら。

保証会社へ支払う保証料も減ります。

通常、住宅ローンを借りる際は「保証会社」を利用することになります。

あなたは、保証会社を利用する事で「保証人不要かつ低金利」で金融機関からお金を借りる事ができます。

その代わりに保証会社へ支払うの費用が「保証料」です。

保証料は借入金額・借入期間・保証料率の3つで決まってきます。

借入金額や借入期間は、頭金を支払う事で少なくなりますが、実は保証料率の算出にも頭金の存在は大きいのです。

保証料率は保証会社によって異なりますが、おおよそ3段階〜5段階の料率になっています。

保証料率の算出方法は保証会社により異なるため一概には言えませんが、共通の基準として「土地・建物の評価額に対する借入金額の割合」というものがあります。

ちょっと言葉では説明しずらいので参考例を。

【参考例1】

建物・土地の購入金額:3000万円
住宅ローン借入金額:3000万円
頭金:0円

借入割合:100%


【参考例2】

建物・土地の購入金額:3000万円
住宅ローン借入金額:2700万円
頭金:300万

借入割合:90%
購入金額に対しする借入金額の割合という事ですね!

※場合によっては購入金額でないこともあります。

【保証会社の料率一例】

・借入割合60%以下→プランA(料率0.1%)
・借入割合90%以下→プランB(料率0.15%)
・上記以外→プランC(料率0.2%)


このように料率が決定してきます。

プランAとプランCでは保証料が2倍も違います。

頭金があればプランAやプランBになる可能性が高まるのです。

例えば先ほどの住宅ローンの条件で頭金を頑張って300万準備した場合を考えてみます。

物件評価 3000万円
借入金額 2700万円
頭  金   300万円
借入割合   90%
当初10年間の金利  1.0%
10年経過以降の金利 1.7%

期間短縮バージョンで支払利息と保証料を比較するとこうなります。

     頭金なし・頭金300万円
借入金額 3000万円 ・2700万円
返済期間    35年 ・ 31年
支払利息    776万円 ・ 596万円
保証料        106万円・ 63万円

※保証料は毎月の返済時に払った場合の合計金額です。

※住宅ローンにかかる諸費用については加味していません。

支払利息は180万円減

保証料は43万減

利息と保証料合計で223万円少なくなるのです!

300万を支払っても実際の負担は77万で済むため、かなりお得なお話です。

効果3:金利交渉もしやすい

頭金があると、金融機関との金利交渉もしやすいというメリットもあります。

具体的にいうと「もう少し金利下がりませんか!?」という交渉です笑

まあ頭金がないから金利交渉ができないという訳ではありませんが、銀行員の立場とすると頭金がある人の方が金利を下げやすいです。

少し裏話的な話になりますが…

銀行員もサラリーマンなので、自分の一存では金利は下げられません。

あまりに低い金利になると、支店を通り越して「本部」のお偉い方に金利の引き下げを交渉する必要がでてきます。

交渉というと大げさですが、実際は「意見書」という書面を書いて申請するです。

この意見書を書く時に頭金がしっかりある方は、とても意見を書きやすいという裏話があります笑

・頭金があるので借り主は計画性がある方です

・頭金準備する貯蓄力があるので返済能力も高いです

・当行で取り上げなければ他行に顧客を取られます
といった内容がスラスラと書けるため、担当として非常にありがたいですし、実際申請の承諾可能性も高まります。

確約された効果ではありませんが、この観点からも頭金の存在は強力と言えるでしょう。

頭金の目安は?

ちなみに推奨される頭金の目安は物件購入金額の20%と言われています。

2000万円なら400万円

3000万円なら600万円

結構ハードル高いですよね。

20%を推奨する理由は返済負担を減らす以外にもう1つあります。

止む終えない事情がありローンを組んで間もない時期に家を手放す時の保全

です。

実際、住宅を購入して住み始めると「中古住宅」となるため住宅の価値が一気に下がります。

住宅の価値は下がってもローン残高は減らないので、仮にローンを組んで間もない時期に住宅を売却してローンを返そうとした場合、売却金だけでは不足する可能性が生じます。

その可能性に備えるための金額が「購入金額の20%」なのです。

実際20%は難しいと思います。

そんなに払ったら、その後の大きな出費(例えば教育費や車購入)などに対応できない可能性だってあります。

個人的には10%程度あれば十分だと思います。

※貯金の全額を頭金に突っ込むのはライフプラン上あまりオススメはしません。

購入金額の10%程度を頭金として支払い、余った預金は余裕があれば「繰り上げ返済」するという選択が最もバランスがいいでしょう。

最後:頭金がない人は今からでも準備をしましょう

そうはいっても頭金がない!という方も多いと思います。

僕が言えることは「今からでも準備をしましょう!」ということ。

少しでもあった方がいいです。

本記事では触れませんでしたが、住宅ローンを組む際には登記費用や火災保険料などで約100万円〜200万円の諸費用が発生します。

毎月1万でもいいので、住宅購入のための貯金をすることをおすすめします。

もし「何とかしなければ!」と思った方は、まず家計の固定費を見直しましょう、

・格安スマホor格安SIMへの切り替え

・保険の見直し

・電気代の契約プランの最適化

・日経新聞を無料で読む

・クレジットカード決済によるポイントの活用

・金利の高いローン(リボ払い)の借り換え

他にも調べれば方法は沢山あると思います。

保険の見直しに関しては、効果も大きいケースが多くお勧めですが、これからすぐにでも住宅ローンを組む可能性がある方は住宅ローンを組んだ後に行うのが最適なタイミングです。

まだ当面先という方は一度見直すといいでしょう!

格安スマホ、格安SIMはしない手はないですよ。

めちゃくちゃ安くなりますので!!

是非、無駄な固定費を削減していただき「頭金」を準備する事で、上手に住宅ローンを借りていただければと思います!

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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