12/18付近多重録音の宿題の感想

12/18付近多重録音の宿題の感想

先週の金曜日に、もう一度多重録音に取り組んでみて下さい、という宿題が課された。
夏にも課され、それは確かに、知覚する音の順番、テキストの中の要素を見つける取り組みになった。(この時も、「台本」ベースに重ねるのでは気分が乗らなかったので、違う経路でした。)


さて、それでまた課され、良い取り組みだと思ったが、取り掛かろうとした時に、「多重録音なのか?」という思いがもたげた。

以下、今後進める稽古現場と作品の様子とは違うかもしれないが、この時近くに感じたオモロイをいつかの手掛かりにする為に残す。

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提出フォルダ:76-88実験
(1とか3とかは、ガレージバンドのオーディオ(トラック)番号。)
・1逐語名詞(日本語切り読み)
・2逐語仏語読み(フランス語読み)
・3前田訳
・3前田訳に456多重
・ベース無き456多重
・76-88実験

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【バックボーン】こんな所感をノートに書きながらしていた

○近日の稽古の所感
一場、二場を録音し、風景を言う時の言葉の漂い方と、記憶やそこからの意志を言う時の言葉の漂い方は、確かに違う。違う方法でなければうまくいかない。

※(風景は言いやすい。二場の言葉を一場のように順調に言うことは出来ない。もしくは、セリフの背景にあるだろう風景スコープから入り、別の方法と組み合わせる。意志の言い方。)

○フランス語講座と自宅で翻訳作業をしている時
質問の世界 言う/聞こえる・見る 書いてある 個人
劇の世界は、目の前に字がなく、空気がある。

○多和田葉子の、訳についての文がめちゃ面白かった
ハイナー・ミュラーと他の人の「ハムレット」の翻訳を題材にしている。
「ハムレット」自体にも翻訳についての文がある。
translate 変容 翻訳 狂気
訳されなかった部分
比喩と比喩が会話し、強い方の力が他方を翻訳(変貌)させてしてしまう
「逐語性」によって、翻訳は「原作」とラディカルに(自由に新しく)関わり合うことができる
逐語的な反復であれど、内容の反復でなくて良い…

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なんでしてるの?特に面白いとも思ってない嘘によりしている のが嫌だ。
だから、探そうとする。

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自分が「この取り組み」で面白いと感じているのは何だろうか。
それで、とりあえずある所感、最近の気になることを書いてみ始めた。それと、丁度多和田葉子の本に翻訳についての箇所があって、超面白いと思って読んだ。

(12/20:「この取り組み」にはめるもの。転換の必要があるかも。)

私がこの一連で感じてきたオモシロイは、変換の面白さだった。
知覚する分量が変わる、を通じて、(元々)どんな世界に生きているの?と感じられることだ。
(↑これはTRY後に言葉になってきた。)

もう一度翻訳に戻ってみようと、仏語に日本語が挟まれた、逐語訳を取り出した。
それで、フランス語で読んでみた。*

それで、面白いことが起こった!逐語訳で書いてあるから、意味を一応見ているのだが、「何て読むんだっけ?」とメインに思いながら読んでいたのだ!!!
カ チュ フェ ? フェルドラぺンヌ

意味が結びつききってないまま、読める。そして、文章でない単語の世界を思い出した。逐語訳で単語調べをしていた時の状態。(この観察が出来たのは、逐語訳状態だから、でもある。仏語はリエゾンして言葉が繋がるのが大きな特徴だから、仏語自体を考えるには追加がいる。)

この、文章として意味としてまとまりきっていない感覚で、日本語を読めないか?と試してみたのが、逐語の日本語を、工夫して読むことだった。*
名詞は良い。動詞、副詞、述語みたいな時、に何かの力がかかる。だからそこは切って読んだ。
あっ!いける!

(上二者は質を同じにするわけではなく、全然違う取り組みだけれど。日本語で気になる意味の結びつきは、「彼=彼」ではなく、「彼は起こす」とかだってことだ。)


この感覚を持って、前田訳を読んだ。意外にいけた。*


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さて、日本語切り読み、フランス語読みで起こる世界は下記写真の通り。
日本語切り読みは○○名詞の○とー線になりかけの動詞が沢山。
フランス語読みは眠る呪文のようで、テキトー?でもタンタジールとかの名前が出て、何かあるとわかる。
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私の興味は多重録音でない、単に翻訳する時の変容から始まった。
それで今回も多重録音を念頭におかず、日本語切り読みとフランス語読みはした。
多重で重ねる時に、面白さ、生まれるか?その面白さ、私好きかァ?と思いながら、次は多重録音を試す。
(世界が複数あることだと思うが)

ベースに前田訳を用いた。(上二者では出来ないと思ったから)
くそ!!面白かった。あれ?

先の二者とは違う面白さの作られ方だ。(今思うと、「言う」主体で作られる面白さじゃなくて、「聞こえてきて」作られる面白さだという違いがある。なるほど。)(この違いを使いたいな…使わずとも、はっきり意識して選びたいな…)⭐︎

あるもの、記憶にアクセスして言葉が出てくる。
家作業だったので、あっと思って過ぎたところに戻って録音する。
思ったけど言えなかった言葉を、録音できる。また、何もない時は録音ボタン切ってみた。よかった。

発話者の中にある言葉にフォーカスが当たる。
この物語の中の、未来に出てくる言葉もある。フランス語も。家に関する言葉が多い。昔気になった言葉を何度も繰り返してしまう。

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昨日観た上演で、喋っていた。
訳のわからない言葉の場合、言葉の意味は何度も繰り返されて、想像の範疇に入ってくる。
コロナで、普通にしていた行為の中に、禁止行為が入ってくる。今、禁止されている行為をしてみること。


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発話者の中にある言葉にフォーカスが当たる、とは、何を意味するのか??


こう読むのか 音の復権 翻訳・変容・目の当たりにする 私たちはどんな世界に生きているのか


(追記)

音量、速さ

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