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母のこと その3

母はお嬢様育ちだったが、かなり活発な人だった。大学時代はハワイアンバンドでウクレレを演奏し、帝国ホテルのプールサイドなどで歌ったりしていたそうだ。門限を巡っては祖父とかなりやりあったらしいが、あの時代にそんなことするのはなかなかいないわよね。

大学卒業後、大手メーカーに勤務。丸の内OLとなった。仕事に没頭するあまり、帰宅時間が遅くなり、それを良しと思わない祖父が会社の人事にクレームをつけて退職させてしまったらしい。あの頃祖父は銀行のお偉いさんだったとは言え、そんなことをしたのか!とビックリ。

母もタダでは退職しなかった。当時まだ免許を持ってる人は少なかったが、教習所へ行く費用を祖父に払わせたらしい。昭和38年くらいのことだと思う。若い女性が運転してるだけで目立ったと話していた。

そして私の父と母の出会いは、いわゆるナンパだ(笑)母は会社の友達とご飯を食べに行き、父も会社の同僚とご飯を食べに来ていて、そこで出会った。お寿司屋さんだったらしいが、刺し盛りだかを母たちのテーブルにプレゼントしたらしい。そこで話をしてみたら、母の部署の先輩と、父は大学の同級生だったのだ。なんて世間は狭い!会社の先輩の同級生ということで、母は連絡先を交換し、そこから付き合いが始まったそうだ。

当時の母は、大好きだった会社の人と別れたばかりだった。彼には生まれた時からの許嫁がいて、家同士のことで本人たちにはどうにもならなかったらしい。そして母の妹は既に結婚が決まっていて、母も少し焦りがあったとのこと。いろんなことが重なって、父と母が出会い、結婚した。人との縁って本当に不思議。

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