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1000文字前後の3分で読める物語
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#1000字前後

140万文字の不法所持 - 後編 喪失の自家発電 【1000文字小説 #009】

「──それにしたって、どうして1,400,000文字も書くことができたんだ? 400 字詰めの原稿用…

火水イリイ
4か月前
3

日曜日の匂い 【1000文字小説 #010】

「あなたが好きです」  僕は、ミュンヘン大橋の下の豊平川河川敷に置いてある正方形のベンチ…

火水イリイ
4か月前
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反君主の年 その2 【1000文字小説 #007】

 (あらすじ)反君主の年として恐れられる千年王国紀666年を前に、フェリツ国の王、女王は…

火水イリイ
4か月前
2

140万文字の不法所持 【1000文字小説 #006】

 14万文字数を超える未発表散文所持については、散文取締法24条の2において罰則が規定される…

火水イリイ
4か月前
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「抜印了品の引越し」がスタート 【1000文字小説 #005】

 株式会社了品計画(本社:東京都 代表取締役社長:井後 雄子)は、自社の配送インフラを利…

火水イリイ
4か月前
2

反君主の年 【1000文字小説 #004】

 千年王国紀666年は、俗に「反君主の年」と呼ばれ、何かが起こると恐れられていた。 特に…

火水イリイ
4か月前
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AIレジのアルゴリズム 【1000文字小説 #003】

 しまった。AIレジに並んでた。  私は他のレジ選択肢をさっと見返した。  女性の有人レジは山盛りのカゴをさばいている。男性キャッシャーは待機中だ。セルフレジ。ビールを買ったので、結局は人を呼ばなければならないのが面倒だ。  男性レジに行こうにも、今日はパンティライナーを買ってしまった。男性キャッシャーが、生理用品を持ち上げた時の「そ……」と頼りなげな手つきが苦手なのだ。男性にしても、四角いわりにかさばって手応えのない商品だなあと思っているだろう。さりげなさを装って紙袋に詰め

完全自動運転の電気トレーラースマートハウス 【1000文字小説 #002】

 コンパートメントの入り口に足をかけたとたん、音が鳴った。僕のデバイスの何かの通知音と同…

火水イリイ
4か月前
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