女尊男卑の話

立体的かつ目を惹く飲食街の通り道を有した仙台駅。

2,3階がヨドバシカメラのその建物の向かいを歩く私の目の前100mくらいにタイヤの摩擦音を鳴らして荒々しく急停車する車があった。

一歩たじろいでしまうような気迫の、20代前半くらいな女子が扉を開けて相手と言い合いをしはじめた。
運転席の40代前半ほどに見える男性が
「こっちはワザワザ送り迎えしてやってるんだぞ!」
と運転さらながらの大声でがなる。
「運転どうもありがとうございました!!」
と彼に負けない大声で、いい勢いに扉を閉める女子。
すれ違いざまに私は「可哀想…」
とつい漏らしてしまい、ハッと女子の怒りを誘発させてしまっていないかと肝を冷やし、女子とは目を合わさないように足早に帰路についた。

本当のところは幾分報酬を提示して、トラブルの発端を彼女に聞いて、この書き込みをもっと深めたいところだった。
けれどもそんな雰囲気は到底なくて借りた部屋で想起に耽り今に至る。

ところで、これを読んでくださっている皆さまは私の言った「可哀想」がどちらに向けられた言葉だと思いますか?

捉え方は
『何があったかはわからないけど、声を荒げて怒りを向けられてしまっている女子が可哀想』
それから
『きっと長時間かけて送迎をして女子をもてなしたのに、何かしらの怒りを覚える事柄を受けて恩を仇で返されている男性が可哀想』
どちらかだと思います。

実際、私が可哀想と発した言葉の対象は女子です。
その理由は夜職の世界の発想から来ています。


近頃、ホストクラブから発生している男女間のトラブルに関して、なんと行政が動き始め、ツケ制度である売り掛けを徳政令的に無効化出来る様になり
最も盛んとも言える新宿区では、ホストクラブでのトラブルに際した相談室まで設けられると聞きました。

これに対してTwitterではとある男性が嘆きの心を引用して述べていました。
彼は2019年に出会い系サイトで女性との待ち合わせをして、彼女の誘導から指定されたバーへ行ったそうです。
そうしてぼったくり被害に逢い、その際には民事不介入の理由から警察の動員は叶わず泣き寝入りしたと言います。

突き詰めれば彼は自身の経験から、何故どちらも誘惑によって起こった問題にも関わらず、女性が被害者である際のへの補助や手助けばかりをしているのかと怒っている様子でした。

その手の話は大概、馬鹿な男の泣き寝入り
負け犬の遠吠えにも感じられる話として私も込みで聞き流されることが多いのですが
比較対象を持ち込んでいることも相まってこの時ばかりは私も浮き彫りになった不平等にスマートフォンとの睨めっこをしながら長考した次第でした。

それが、今回の男女のもつれを見るに当たって、言語化出来ない曖昧さに私なりの明確な答えが出たのです。

このトラブルの一番の注目すべき点は、その内容ではありますが
パッとその様を見るに、主観ながらも女子がその男性を接待している様にしか見えないのです。
男性は特別特徴のない平均的なそこまで衛生的に感じられない、無精髭のおじさんでした。

対して、女子の方は、羨ましい位の綺麗な髪質に、一瞥するくらいには肌のアラがないパッチリとした二重の、何かしらの小動物にも例えられそうな、男性からの需要の多そうな女子でした。

私自体が世間で悪習とされているルッキズムを重んじる思想のため、この様に見た目の差異から男性の「送迎してやっている」すら、逆に「送迎を口実に貴重な需要が過多になっている年頃の女子の時間への拘束、独占」と書き換えた捉え方をしてしまう次第なのでした。

女子の需要の有無はあくまで私の主観での評価ですし、逆に男性の評価も主観です。

しかし、ここに世の男性が本人の中の天秤を用いた評価した際の「イケる女」の需要過多の片鱗を見て、その女子の存在価値たるや、擁護することですら擁護した人や団体の善性をアピールできる媒体であるを感じたのでした。

実際、ホストクラブの売掛金無効化の案についても、相談室を設けること自体も、その女性群が法的にも、貞操的にも公表が出来ない方法で金銭の稼ぎを得ていることが多い現状がある以上、的外れに感じています。

それでも、行政が女性擁護をするこのポーズを取る理由とは、世論が「ホストに騙された」女性群を憐れみ、民主主義的に大きな声になっているからではないでしょうか?

非常に冷淡ではありますが、逆に男性のぼったくり被害を擁護したり、問題解決に対して補助する動きというのは、新宿のメイン通りで注意喚起のアナウンスをするくらいで
世論としては男性を擁護をするポーズは「ウケが悪い」のでしょう。

残念ながらこの風潮は、私達に内在する、「男は度胸、女は愛嬌」という言葉とその風習が起こしているモノだと思っています。

どのお話でも、女が守られ、そのために男が活躍するという話が美談として扱われ易く、社会全体が女性の保護を善としている様に見えます。

ところが男性が守られる構図というのはイマイチ決まりが悪い。
場合によっては、守られている本人が不格好に見えてしまうことすらあって…
その時に出る言葉と言えば「男のクセに」
でしょう。

心中、かのトラブルで女性を擁護した私も同罪で
ハッキリ言えばこれは差別でしょう。

女性の方が力がないから守るのは当然、だとかはあくまで建前に思えていて

実際、経済社会になっている現状では女性にはある程度の条件を有した性的需要が溢れています。
正直、ホストクラブが経営が成り立つのもまた、為替とも言える女そのものの性的存在価値があるためだと言えます。
それに対抗するのが、ルッキングでしょう。
しかし、魂が身体の器の中にある状態…
とSFストーリーで頻出しそうな言葉にあやかり、その通りに、どうにも人とは見た目を有してしまい、また、見た目で判断してしまう不遇さを拭いきれていません。

私見ではありますが、この現状整理から女尊男卑にも感じられる社会的風潮を一考することを始めてみてはいかがでしょうか?

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