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鬱脱却奮闘記#3

鬱病だった私が具体的に行ったアクション。
今回は社会人編です。

正直、この時期が一番つらかったです。
なぜなら、鬱病で思考もまともでなかったのに普通の人と同じ生活をしていたから。
例えるなら、運動習慣のない人が、いきなりメジャーリーガーと同じトレーニングメニューをこなしているような、そんな感覚です。

私の会社は以前紹介したように、同期が90人以上いる大手企業でした。
初対面の同期と打ち解けることもなく、2週間の本社研修を終えて、私達はそれぞれの部署に仮配属されました。
その研修先が電車とバスを乗り継いで1時間半はかかる場所だったこと。
また、私は社員寮にいて、かといって特別仲のいい同期もいなかったため、平日はとにかく我慢の時間でした。

私は、同期は友達ではないので、特に仲良くする必要もないだろうと一定の距離感を保っていました。
また、以前も話したように、同期は大学生気分が抜けきっていなかったので、ことあるごとに飲み会の誘いばかりのグループLINEを送ってきました。
話す話題も研修先の先輩が○○オタだとか、○○の部署は楽だとか。それらすべてが嫌で、あまり仲良くしようという気分にはなりませんでした。
今思うと、同期と馴染もうとしないのも鬱の影響だったように思います。

まともに食事も喉を通らない。
楽しいことが何一つない。
仕事をする以外は家で寝ているばかりの私でしたが、会社を辞めるという選択肢はありませんでした。
当時の私は、「新卒で入社した会社は3年続けないといけない」
「今の仕事を失ったらもう働くことはできない」と思い続けていました。

ですが、それは違いました。

お盆が明けて、もう会社に行けなくなっていた私は、人事と相談して退職することにしました。
本当は、まだ面談の段階では辞める気なんてありませんでした。
アルバイトと違って正社員だし、簡単には辞められないだろう。
研修中に辞めるだなんて会社としては損失だし、数か月で辞めるなんて「最近の若者は…」という声が聞こえてきそうで怖かったのです。
ですが、ふいについて出た「もうやめます」という自分の言葉に、私自身が一番驚きました。

これは辞めてから知ったのですが、私が就職した会社は1年後に残っている新入社員は半分だと言われていて、それを見越して大量に採用しているようでした。
こればかりは、私のリサーチ不足だったので何も言えませんが…。

思っていたよりあっさりと簡単に、会社は辞めることができました。
これからどうやって生きていこうかと不安になることもありましたが、ひとまず目の前の苦しみから逃げられたことへの安堵がありました。

私は、寮で自分の荷物をまとめながら、少しワクワクしていました。
苦痛から逃げて、自分の好きなことができる。
夜中にアニメを見ることだってできる。
私は、当時Amazon Primeで「化物語」を見ていました。
何も考えずに夢中になれるものが、私にとっての唯一の娯楽でした。

会社を辞め、寮から退去した私は一度実家に帰ることになりました。
ですが、結局実家にいたのは1か月くらいでした。
母親にはもっといてもいいと言われていたのですが、ほとんど家にいないとは言っても父親と顔を合わせたくない。会社を辞めたなんて知られたくないと、すぐにアルバイトを始めようと東京に行くことにしました。

当時恋人が東京で一人暮らしをしていたこともあり、そこに居候する形でアルバイトを探し始めました。
とはいえ、体調が安定していなかった私は、週5勤務は絶対に無理。
シフト制のアルバイトは難しいだろうとイベントの単発バイトをすることにしました。

地獄のような社会人生活をしていた私にとって、与えられたものをやっていれば怒られない、それ以上の働きをすれば褒められるイベントバイトの仕事は本当に天国でした。そこでプロデューサーとして出会った人にかわいがってもらい、一度食事に連れて行っていただいたこともありました。

そして、イベントバイトの収入だけでは安定しないので、たまたまバイトアプリでオファーがきていた企業に、アルバイトとして雇って貰いました。
それが、今も私が働いている企業です。なので、本当に運がよかったなぁと思っています。

コロナ渦でイベントがほとんどできなくなってしまい、そのイベントバイトは辞めることにしたのですが、リモートワークに移行して、私にとっては生きやすい生活になりました。
偶に混んだ電車で過換気症候群を起こしていた私は、電車で出勤するのもままならない時があり、そのためアルバイトという雇用形態でしか働けなくなっていました。

少しずつ、自分のペースで働けるような環境になっていた私に、あの事件が起こるのです…。

気になるところですが、長くなってしまうのでそれはまた次回に!
今回もお読みいただきありがとうございました。
また次回も、よろしくお願いいたします。

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