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脳卒中の歩行予測

タイトル(和訳)
脳卒中後の家庭およびコミュニティ歩行活動の予測

著者名
ジョージ D. フルク, PhD; イン ヘ, PhD; ピアス ボイン, DPT; カリ ダンニング, PhD

雑誌名
Stroke

公開年月日
2017年2月

研究の問いや目的

本研究の目的は、脳卒中後の家庭およびコミュニティ歩行活動を予測する要因を、実際の歩行活動データを用いて再評価することです。

研究や実験の方法と結果

この研究は、2つの脳卒中リハビリテーショントライアル(LEAPS試験とFASTEST試験)のデータを用いた横断的解析です。研究対象者は、少なくとも最大支援で10m以上歩行でき、開始時の歩行速度が0.80 m/s未満であることが条件でした。実世界での歩行活動を活動モニターで測定し、家庭(100~2499歩/日)、最も制限されたコミュニティ(2500~4499歩/日)、制限されたコミュニティ(5000~7499歩/日)、無制限のコミュニティ(7500歩/日以上)のカテゴリーに分類しました。予測変数として、快適な歩行速度、6分間歩行テスト、バーグバランススケール、フューグルメイヤー評価、脳卒中インパクトスケールを用いました。多変量解析により、家庭対コミュニティ、制限されたコミュニティ対無制限のコミュニティの区別に関して、6分間歩行テストが最も強い予測因子であることが示されました。

研究や実験の結果から得られる影響

6分間歩行テストは、家庭歩行者とコミュニティ歩行者、制限されたコミュニティ歩行者と無制限のコミュニティ歩行者を区別するのに有効であることが分かりました。家庭歩行者とコミュニティ歩行者を区別するためのカットオフ値は205 mであり、制限されたコミュニティ歩行者と無制限のコミュニティ歩行者を区別するためのカットオフ値は288 mでした。

この論文の結論

6分間歩行テストは、快適な歩行速度よりも家庭歩行者とコミュニティ歩行者を区別するのに優れていることが示されました。一般的に用いられている歩行速度の値は、実際の歩行活動を過大評価している可能性があります。リハビリテーションの介入が歩行耐久性、運動機能、バランスを改善することで、脳卒中患者のコミュニティ歩行能力が向上する可能性があります。

※日本で置き換えると、
家庭歩行(地域歩行)
コミュニティ歩行(棟内歩行)
と考えられています。

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