はじめに/日記を販売することについて
チェキと同じ値段で私的な日記を公開/販売します。
日記は毎週金曜日(たぶん)に、一週間分をまとめて更新する予定です。月額500円。
チェキとはポラロイド写真のことで、私は2009年から今日までファンの人たちと、それを撮りながら地下アイドルとして活動してきました(註:2019年4月30日に卒業。以降は時々イベントに出演しながら、主に文章を書いて暮らしています)。
地下アイドルの姫乃たまが好きな人にとって、私のチェキと文章、どちらにどんな価値を感じるのだろうと思います。そもそも公開される日記の価値とはなんでしょうか。
最近、日記の美しさに気がつきました。
人の日記を読んでいると、なんでもない食事や、なんでもない会話や、なんでもない考えが、どれもひとつずつ、その日そこにしか存在していなかったことが明確にわかって、その特別さに胸を打たれます。
誰の生活も、強く美しいものです。
日常は螺旋階段みたいなもので、どんなに他愛なくて、ずっと同じところにいるように見えても、着実に変化していきます。日記はその変化を教えてくれるものです。
いま私は私的な言葉をツイッター以外で公開していません。ふたつあるブログはどちらも更新が止まっていて、唯一のツイッターにも文章と呼べるようなものは書いていません。とっくにあれこれ書ける雰囲気じゃない、と私は思っています。
雑誌やインターネットで読める文章は全て編集者の目を通っていますし、ライターとしての私自身のフィルターにも通されています。全ての原稿には目的があって、姫乃たまのパブリックイメージのために、そのほとんどがです・ます調で、かなり丁寧な文章に統一されています。
先日『ユリイカ』の山本直樹特集号にごく私的な文章を寄稿しました。です・ます調じゃない、喋るような文体で、インターネットには絶対に書けないことを書いて、とても楽しかったです。
私の生活は仕事と私的な事がかなり密接に混ざり合ってできています。
日記にはその日起きたことを軸に、読んでいる本や、飲んだお酒や、考えたことについて書いていくつもりです。
日記を通じて長らく仕事をする中で徐々に忘れつつあった、心ゆくままに文章を書く愉しみを思い出せたらと思っています。
自分の文章を読んでくださる方に直接販売するのは初めてなので、心踊っています。共有できる秘密の日記です。
それではまた、金曜日にお目にかかります。
2018.8.3 東北へ向かう新幹線の中より愛を込めて 姫乃たま
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