たにりり

料理がわかるごはんソムリエ。お米に携わっている人・毎日お料理する人を応援しています! …

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料理がわかるごはんソムリエ。お米に携わっている人・毎日お料理する人を応援しています! コメ専門新聞契約コラムニスト。お米のある食卓から、持続可能なよりよい社会を作りたい!◆著書「大人のおむすび学習帳」

最近の記事

お米をテーマにモノを売ることについて考える(6)~買い物を面白い体験に

新型コロナウイルスの感染が拡大して、もう随分と時間が経ったような気がします。もはやウイルスと共に生きる時代になりました。緊急事態宣言が続いているので、我が家も繁華街へは出かけず、地元をお散歩する日々です。 すこし前のこと、自動販売機(以下、自販機)で水を買おうとしたら、「ちょっと待って」と夫がスマートフォンを取り出しました。そしてシュッと画面を操作。すると自販機に触れることなく、ペットボトルがゴトンと出てきました。えっ?なんか面白い!「自販機とアプリが連動していて、携帯の画

    • お粥のススメ

      気温差が激しくて体調が整わない方、リモートワークのせいか運動不足でなんとなく不調の方、多いのではないでしょうか。そんなときはお粥さんがオススメです。 消化に優しく、またお湯を摂取するので、身体の中から温まります。食べ過ぎ防止にもいいですしね。わたしは白粥も好きなのですが、ちょっと病人食っぽくて気が進まない場合は、茶粥をぜひ作ってみてください。お茶の香ばしい香りで、たぶん創造しているより美味しいから。 🔵 茶粥の作り方→ 1,洗ったお米を15分ほど水に浸す。 2,その間に厚

      • こだわりの外側にあるもの

        物事に「こだわり」を持つのは、何かを深める・極めるときに有用なこと。ただ、こだわりの外にも、素敵なことはいっぱいある。 例えばおむすび。お米好きの方なら、ご飯の炊き方や握り方に、きっと自分ならではのこだわりがあるでしょう。 わたしは三角おむすびを、ふわっキュッと握るのが好きです。でも、Instagramやお店の美味しそうなお弁当を見て、いつもと違うことを時々、取り入れています。 そんなわけで、この日はまんまるおむすび。 ご飯はいつもより少しだけ柔らかめに、もっちり炊きまし

        • 炊き込みご飯に必要なセンス

          美味しい炊き込みご飯を作りたいなら、レシピよりもっと必要なものがあります。それはセンス。ただし、ファッション・センスみたいに、生まれながらにして不平等に持つセンスではありません。明日から、いや今すぐ、この投稿を読めば身に付くセンスです。 すこし季節が過ぎてしまいましたが、筍ご飯で考えてみましょう。例えばお料理屋さんの上品な筍ご飯。ご飯粒が小さめで、筍も小さく刻んであることが多いです。これはご飯と具が一体となって味わえるように、という配慮だそうです。こんな感じ↓ 対するわた

        お米をテーマにモノを売ることについて考える(6)~買い物を面白い体験に

          卵かけご飯から考える「おいしい」の味わい方

          卵かけご飯をおいしく味わう方法を考えたことがありますか?たいていの人は、次の3つを思い浮かべるのではないかしら。その1,おいしい卵を使う。その2,おいしいお醤油を使う。その3,卵かけご飯に合うお米を選ぶ。どれも正解だけど、そうだとも言い切れない。というのは…。 ポピュラーな3つの方法の共通点は、材料にこだわること。いうまでもなく重要なポイントですが、もっと本質的なことを考えてみましょうか。つまり、食べ方。例えば、生卵をほぐさずポンとご飯に乗せる?それとも、黄身と白身をしっか

          卵かけご飯から考える「おいしい」の味わい方

          お米をテーマにモノを売ることについて考える(5)~多過ぎて選べません

          あっという間に月日は流れ、コロナの感染拡大が収まっていれば今頃、延期したオリンピックをみんなが祝福ムードで準備しているはずでした。残念ながら世界はまだウイルスとの闘い真っ最中です。思い返せば(もうだいぶ遠い記憶ですが)観戦チケットの抽選はほんとに大変でした。競技種目や日程など、選択項目がやたらと多かったからです。 そういえば、テレビを買いに家電量販店に行ったときも似たような感じでした。あふれる商品に疲れてしまい、結局その日は買うのを諦めました。選択肢が多いのは一見良さそうで

          お米をテーマにモノを売ることについて考える(5)~多過ぎて選べません

          お米をテーマにモノを売ることについて考える(4)~当たり前は当たり前でない

          こんにちは。お元気ですか。先日、久しぶりにデパートの地下食料品売り場へ行きました。ずらりと並ぶ商品はキラキラと輝き、興奮することしきり。ところがベーカリーによると、すべてのパンが白いグラシン紙で個包装されていました。パンが見えない…。 以前は当たり前だった美しい光景が消え、これでは買う気も失せるわね。と思いきや、中のパンが見えないことで逆にそそられ、つい、いつもより余計に買ってしまいました。この「当たり前は実は当たり前ではない」体験は大変新鮮でした。 そんな折、懇意にして

          お米をテーマにモノを売ることについて考える(4)~当たり前は当たり前でない

          美しいおむすびに会いにレトロな横浜へ行く。

          横浜に密やかな人気を誇る、昭和レトロなスポットがあるのをご存じですか?横浜というと、オシャレな「みなとみらい地区」や、賑やかな中華街をイメージする方が多いと思います。が、それは表の顔。その目と鼻の先、阪東橋を越えたところに、時がゆっくりと流れる下町があります。かつての賑わいは残っていませんが、当時の面影を感じさせる店がぽつぽつと今も残っています。今回ご紹介する伊藤米店もそのひとつ。明治34年(1901年)創業。なんと日露戦争よりも古い!その歴史を肌で感じてみませんか?伊藤米店

          美しいおむすびに会いにレトロな横浜へ行く。

          お米をテーマにモノを売ることについて考える(3)~ニューノーマルに対応する

          こんにちは。お元気ですか。4月から5月は多くの産地で田植えの季節。一面の青が美しい季節です。昨年2020年は新型コロナウイルスの感染対策で、田植えのための帰省も自粛を求められ、外国人技能研修生も来日できませんでした。生産者(稲作農家)さんにとっては、例年とはすこし様子の違う一年の始まりになったと思います。残念ながら今年もそうなりそうですね。 お米屋さんのみなさん、お店はいかがでしょうか。お米を使う飲食店の状況が厳しいこともあり、お米屋さんもかなり厳しいという話を伝え聞いてお

          お米をテーマにモノを売ることについて考える(3)~ニューノーマルに対応する

          お米をテーマにモノを売ることについて考える(2)~お客様の事情を聞き出す

          こんにちは。暮らしも経済も先行きが不安定な日が続いていますが、お元気ですか?前回お話したように、昨年(2020)の3月末は外出自粛要請で、大きな買いだめが起こりました。知り合いのお米屋さんも、新規のお客様で大忙しだったそうです。 「今後につながるといいですね」と水を向けると、彼は 「今回だけじゃないかな」と苦笑いしました。 もったいない! 新規のお客様を獲得してリピーターにするのは、どの業種でも最重要課題です。今回の場合、お客様が向うから来たのですから、これを逃す手はありま

          お米をテーマにモノを売ることについて考える(2)~お客様の事情を聞き出す

          お米をテーマにモノを売ることについて考える(1)~不安に寄り添って

          お米屋さん、こんにちは。今日から少しずつ、食卓からあなたにお手紙を書きます。お仕事の合間に読んでくださったら嬉しいです。 わたしは誰かって?失礼しました。お米サービスデザイナーのたにりりと申します。お米のワークショップや料理教室、米穀店や行政のサポートなど、お米のある食卓から毎日をよりよくする活動をしています。2019年には「大人のおむすび学習帳」という、おむすびをテーマにした食の楽しさを再発見する本を出版しました。 さて、昨年から避けて通れない問題といえば新型コロナウイ

          お米をテーマにモノを売ることについて考える(1)~不安に寄り添って

          お米をテーマにモノを売ることについて考える(0)~お客様は誰ですか?

          モノを売る場面で大切なことは何でしょうか? いろいろな答えがあると思います。が、最も大切なことは「お客様の立場に立って考える」すなわち顧客視点です。お客様が「欲しい!」と思わなければ買ってもらえない。当たり前のことですが、日々の売り上げに追われていると、ついつい頭から抜け落ちてしまいます。 なぜなら人は、自分が見ている景色がすべて、と思いがちだからです。売ることに一生懸命であればあるほど、買う人の気持ちや事情を想像することができなくなる…。なんとまあ残念なことでしょうか。

          お米をテーマにモノを売ることについて考える(0)~お客様は誰ですか?