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肩書問題について

数年前にも話題になった「作家」という肩書問題。(某ブロガー出身の作家さんがこの人は作家ではないと言われた件)私は自分で「作家」と公に申し出たことはないけれど、本を出したら周りから「作家さん」とか「先生」と呼ばれることが増え始め、そのたび「作家じゃないです」「先生じゃないです」と訂正してきた。

私はフリーライターとして生計を立てている。作家だなんてそんて大それた肩書が私にあっていいものなのだろうか。今まで出版した本は3冊。2冊目に出した『発達障害グレーゾーン』(扶桑社新書)はたしかに9刷り重版したヒット作とは言える。「『発達障害グレーゾーン』の人」と呼ばれることがあるし、とある飲み屋で「『発達障害グレーゾーン』読みました」と声をかけられたこともある。

それでもあと50冊くらい本を出さないと私は作家と名乗ってはいけない気がしている。これは私の自己肯定感の低さも関係しているだろう。

もう一つ、作家と名乗るのを渋る理由に、記者仕事が来なくなる恐怖がある。3冊目の本を出したあたりから「忙しそうで仕事の依頼の声をかけられなかった」と雑誌の編集者さんに言われたことがある。確かに本を書いている最中は週刊誌などのタイトなスケジュールの仕事は受けるのが難しい場合もあるが、校了してしまえばプロモーションの仕事を調整すれば記者仕事を受けるのは可能である。

本を出すと仕事が少なくなる。これはライター業界であるあるネタらしいことを先輩に聞いた。本を出したあとから書籍の執筆依頼は増えたが、コロナの影響で止まっていたり、様々な事情から出版まで至らなかった企画もあった。書籍を書き上げるには時間がかかるため、何かレギュラーの仕事がないとその間を埋める収入が絶たれてしまう。

しかし、気持ちとしては早く作家と名乗りたい。そのためにひたすら努力と感謝と配慮を忘れないよう、書き手として続けていきたい。

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