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初めて三次元の推しができた話

私はオタクです。
漫画やアニメの世界には好きなキャラクターがいて、それぞれの作品でそれぞれの推しを作ってきた。

芸能人にはあまり興味がなく、アイドルも俳優も特別好きな人はいない。
一番困る質問は「好きな芸能人は誰?」だね。
いないってば。

が、この度生まれて初めて三次元を生きる推しができました。
なんとプロ野球選手です。
私のプロ野球自体は観戦歴20年といったところ。
日本ハムファイターズが本拠地を北海道に移転してから観始めたプロ野球ファン。
好きなチームはもちろん日ハム。
この20年ずっといわゆる箱推しだった。
この選手はけっこう好き、頑張ってほしいという感情はあるにせよ、特定の誰かを推すということはなかった。

なのに、今年になって突然推しができた。
自分のことながら相当びっくりしている。
しかも私はその選手のことをほとんど知らなかった。
何しろ、今年の3月にトレードでファイターズに来たばかりだから。
福田光輝選手。
恥ずかしいことにプロ野球ファンを自称していながら、ロッテ時代の彼のことは知らなかった。
また知らない内野手獲って…とか思ってた。
一部でガソスタユニと揶揄されていたあの限定ユニホームの頃からやっと認知し始め、決定的だったのは京セラドームのオリックス戦で彼がホームランを打った瞬間のこと。

あのバッティングフォーム好き。
あのバット投げも好き。
顔も好き。
笑顔の破壊力がすごい。

気がついたらすっかり沼に落ちていた。

まじかよ。
本気かよ。
自分に何度も問いかけましたが、やっぱり好きだとはっきり言える。

それから私の穏やかだったプロ野球観戦ライフは一変した。
福田選手は1軍に定着しているわけでもない。
レギュラーで試合に出られる選手じゃないので、毎日緊張しながらスタメン発表を待つようになった。
2軍から選手が上がってきて、それが内野手ともなればまさか彼が落ちるんじゃないかとはらはらしながら公示を待ってみたり。
プロ野球の選手登録、抹消の公示ってその日の試合開始の二時間前にされるんだって。
20年もプロ野球観てたのに知らなかった。

知らなかったことは他にもある。
スタメンの中に彼の名前がない時の何とも言えない悔しさ。
今までファイターズの一ファンとして、スタメンが気に入らなくていちゃもんをつけることはあった。
でも誰かの名前がないことに対する悔しさなんて感じたことはなかった。
今までこんな感情を持つファンがいるなんて知らなかった。

本拠地開催のデーゲーム前にファイターズは練習の様子をライブで放送してくれるけど、一体それはどこの層に需要があるのかと思ってた。
試合中のダグアウトの様子の生配信もそう。
試合より気になるダグアウトとは?って本当に不思議に思ってた。
だけど今はわかる。
なるほど、需要は確かにあった。

ここ数試合、試合にまったく出られていない福田選手。
これが悔しくてね。
私にできることは何もないのはわかってても悔しい。
だけど今日チームメイトがホームランを打って、本当に嬉しそうに彼は笑っていた。

そうだ、悔しがってる場合じゃない。
せっかくできた初めての推しなんだから、推しがいることを楽しもう。
芸能人の推しのように出演作やライブを楽しむことはできないけど、彼が私の推しチームで頑張ってくれていることを幸せに思うよ。

まあ、もし彼がファイターズから移籍したってどこに行ったって応援し続けられるよ。
なんたって初めてできた推しだからね!


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