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~ひめのともみクリニック栄養療法プログラム~   栄養療法について最新の情報をお届けします♪     (produce by Office Himeno)

マガジン

最近の記事

腸活って本当に良いのか? (SIBOの危険性)

ここ数年、免疫力を高めるための”腸活”がトレンドになっています。 一言で”腸活”といっても様々な”腸活”に良いとされる食材やサプリメントなどがあります。 腸に良いと聞いた、腸の善玉菌を増やしたいと、せっせと沢山の食物繊維や発酵食品、腸内細菌サプリメントなどを摂って善玉菌を増やしているにもかかわらず、肌荒れやニキビが出たり、お腹が張る、明らかにオナラが多い、便秘や下痢するということがあります。 それは、もしかしたら、小腸での細菌が増え過ぎた “SIBO”という状態かもしれま

    • 貧血になると何が起こるのか?

      月経のある女性の約10~20%の人が貧血、およそ60%の人は隠れ貧血に陥っているといわれています。 しかし、実際に健康診断で貧血と診断されてもめまいや立ち眩みといった症状は一過性に過ぎない為、そのままにしている人が多いこともまた事実です。貧血はめまいや立ち眩みだけではなく、頭痛や全身の倦怠感、集中力低下やイライラ、風邪をひきやすかったり、耳鳴りや皮膚粘膜の不調など、病気や不定愁訴の多くは貧血が引き金になることがあります。 貧血は原因によっていくつかの種類にわけることができ

      • フレイルと栄養

        フレイルとは、「虚弱・脆弱(Frailty=フレイルティ)」の日本語訳です。加齢による衰えで、健康な状態から要介護状態へと移行する段階のことを指します。 例えば、以前は社交的だったのに足腰が痛いことをきっかけに外出が出来なくなった、買い物や趣味もままならないことで気分が落ち込むようになった、物忘れがひどくなった、疲れやすい、誰かと会話することが減ったなど、以前より快活な日常生活ではなくなっていく、つまり、健康な状態から要介護が必要な状態の期間をいいます。 日本人の平均寿命

        • 毎日の牛乳は本当に健康に良いのか?

          栄養が豊富で、子供から大人まで馴染みの深い「牛乳」ですが、実は、飲みすぎることで貧血や骨粗鬆症、アレルギー症状など様々な症状を起因させてしまうリスクがあるのはご存知ですか? 朝食でパンと一緒に、学校では給食に、と毎日牛乳を飲まれる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか? しかしその反面、牛乳を飲むとおなかがゴロゴロしてしまう…という方も多くいらっしゃいます。 牛乳に含まれるタンパク質の約80%がカゼインというタンパク質なのですが、カゼインは人間の消化酵素では分解しにくい

        腸活って本当に良いのか? (SIBOの危険性)

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        • 栄養療法プログラム
          7本
        • 病気はなぜ起こる?シリーズ
          11本
        • アンチエイジングを考えるシリーズ
          4本
        • 自己免疫疾患シリーズ
          3本
        • 暮らしに役立つ栄養療法
          20本

        記事

          メンタルと栄養

          集中力が続かない イライラしやすい 落ち込みやすい それらの原因は、あなたの性格ではなく、栄養の不足が原因かもしれません。 まずは栄養と心の健康の関係について知ることから始めましょう! 人の心の状態は、やる気ホルモン(ノルアドレナリン)や快感ホルモン(ドーパミン)、幸せホルモン(セロトニン)など脳内ホルモンによってコントロールしています。その材料の中で一番重要なのがタンパク質です。 さらにタンパク質からホルモンを作るのに必要なのが、ビタミンB群や鉄、亜鉛などのビタミン・

          メンタルと栄養

          免疫と栄養

           ウィルスや細菌の感染症予防には体の免疫力を上げることが大切です。 免疫力を上げることで、体内に侵入してくる病原菌や異物、体内で発生するがん細胞など、身体に害を及ぼすものから身体を守ります。 ウィルスや細菌などの病原体から身体を守るためには、 ①病原体を身体へ入れない ②入ってきたときに病原体に負けない ③症状を長引かせない の3つのポイントが重要です。 それぞれの働きは栄養素によって強化することができます。 ①病原体を身体へ入れない 病原体を身体へ入れないためにも、

          免疫と栄養

          栄養療法(オーソモレキュラー栄養療法)とは?

           オーソモレキュラー栄養療法は、多くの心と体の悩みや不快な症状の根底には、栄養の不足・欠損が隠れているという前提に立ち、不足している栄養素(ビタミン・ミネラルなど)を、個々人にとって最も適切な量まで補充することで症状を改善する治療法です。一般的に良いと言われている食べ物・栄養素でも、人によって必要量が全く異なります。  例えば食物繊維がよいと言われておりますが、摂りすぎるとおなかが張る方もいれば、ヘルシーを心がけて脂質を抜き過ぎることで、ホルモンの材料などに必要な脂質まで足

          栄養療法(オーソモレキュラー栄養療法)とは?

          協調して働く栄養素

           至適量を見つける際に難しいのは、協調して働く栄養素の存在です。 ある働きに9種類の栄養素が必要な場合、8種類が満たされてもあと1種類が足りないと充分に働けません。ですから出来るだけ未精製の食品を食べ、サプリメントを摂る際にも配分が重要です。  協調する栄養素として有名なのはビタミンB群です。ビタミンB群はエネルギー産生回路に必須の栄養素ですが一つでも不足するとエネルギー回路が止まってしまいます。またビタミンB2がB6を活性化していたり、ナイアシンやB12が葉酸の活性化してい

          協調して働く栄養素

          多めに入れて体に任せる

           栄養療法では、それぞれの栄養素を至適量入れることが大切です。 栄養医学の理論上、至適量には大きな個人差があり環境要因によっても大きく左右されます。至適量の見極めこそが栄養療法の本質と言ってもよいでしょう。では至適量はどうやって決めればいいのでしょうか。栄養医学の先達は「多めに入れて体に任せる」と言いました。少ない場合には全く効果が出ないが多い分にはいくら多くても困らないというのです。量―効果曲線はS状カーブを描きます。つまり至適量より少ない場合にはほとんど効果を発揮しません

          多めに入れて体に任せる

          パラダイムシフト

           パラダイムシフトとはこれまで常識とされてきたことがある時点で劇的に変化することをいいます。コロナ禍において私たちはいくつもの常識を改める必要性に迫られています。それは医療においても同じです。  オーソモレキュラー栄養医学は体の力を高める根本治療です。ワクチンや薬が間に合っていない今、重症化しない、させないためには免疫を支える栄養素、炎症を早期に火消しする抗酸化・抗炎症の栄養素で下支えすることが重要です。加えて代謝を正していわゆる基礎疾患を減らしていくことも大切です。  オー

          パラダイムシフト

          腸内環境を悪くしているかも。5つの習慣をチェック

          習慣1 食事が不規則 1,000種類以上の細菌から構成される腸内フローラですが、毎日似通ったメニューばかり食べていると、腸内フローラの多様性が低下してしまうおそれがあります。特に、腸内細菌のエサになる食物繊維は積極的に食べましょう。 習慣2 アルコールが好き アルコールを摂り過ぎると悪玉菌が増え、腸内で作られる毒素が増える要因になるという報告があります。毒素によって腸管バリア機能が破壊されると、毒素が全身へ移行し肝臓や他の臓器で炎症を引き起こすなどの悪影響につながるおそれが

          腸内環境を悪くしているかも。5つの習慣をチェック

          腸内細菌の検査

          腸内フローラ検査 検体:便  腸内細菌のうち代表的な菌種の遺伝子を検出する方法。  培養では検出しにくい嫌気性菌も検出でき、バランスもわかる 消化器総合検査 検体:便  消化、炎症、腸に有用な発酵、有害な代謝物などを検出。培養により代表的な細菌、酵母、病原菌を検出する。培養された菌に効く薬やハーブを調べられることが利点 尿中有機酸検査 検体:尿  腸内細菌や酵母・真菌の代謝物が一度体内に入った後尿に排泄されたものを検出。  腸内細菌だけでなくエネルギー代謝や解毒状況、栄養

          腸内細菌の検査

          腸内細菌は多様性(ダイバーシティ)が命

           善玉細菌を増やすのが'腸活'でしょ。そう単純ではありません。腸内細菌叢において重要なのは多様性です。多種多様な菌がちょうどよいバランスで快適に生きていける状態が最適です。人間社会と同じですね。ある菌が席巻つまりある種の菌がはびこって他の菌の存在を脅かす存在になると腸内環境も不穏になって様々な問題が生じます。  「雑草」という名前の植物はないように、腸内細菌にも一つ一つ名前があります。遺伝子検査によって多くの菌が同定出来るようになって、それぞれの特徴や役割も少しずつ明らかに

          腸内細菌は多様性(ダイバーシティ)が命

          腸は神の手 司令塔としての腸

          腸には膨大な神経ネットワークがあり、脳と同じようにセロトニンやGABA、ドーパミンなどが盛んに分泌されています。私たちが特に意識しなくても様々な調整が行われていて「腸は第二の脳」とか「God Hand(神の手)」とよばれています。具体例として3つの司令塔の役割について説明していきましょう。  まずは、栄養の司令塔です。同時に入ってくる食べ物と有害物を区別し必要な量だけ入れる。これはまさに神の領域ですね。わかっているところでは、まずバリアをしっかり形成しておいて、栄養素だけを専

          腸は神の手 司令塔としての腸

          ミネラル検査

          ミネラルを診断する検査には毛髪検査、血液検査、尿中排泄検査、組織内濃度検査などがあります。毛髪検査は排泄の検査です。体内に欠乏すると低値に出ることが多いのですが水銀などを排泄出来ない人は、結果が低値でも他の人より蓄積量が多い場合があります。  血液中のミネラル濃度は輸送を見る検査です。急性中毒には有効ですが蓄積して動かないミネラルの測定には向きません。  尿中排泄検査は薬によって排泄したミネラルを見る検査です。信頼性が高く薬の有効性の判定にも使用できます。使用する薬の種類によ

          ミネラル検査

          ミネラルと炎症

           炎症の周りにはミネラルが活躍します。ミネラルには最外殻の電子を与えたり奪ったり出来る性質のものがあります。酵素の活性中心にこのようなミネラルを置くことにより高エネルギーのラジカルや活性酸素を発生させて殺菌させたり、役割を終えたラジカルを消去したりします。  例えば好中球には鉄を含んだミエロペルオキシダーゼという酵素があり次亜塩素酸を発生させ細胞内に貪食した細菌を殺菌します。鉄を含んだカタラーゼという酵素は同じく殺菌や炎症の場所で発生する過酸化水素水を水と酸素に分解して無害

          ミネラルと炎症