鎌倉家は13人兄弟

大河ドラマを見る習慣のない家に育った。
実家を離れていた時期に「新選組!」をやっていて、新選組にはまったことのあるわたしはそれだけはまあまあ見ていたけれど、それ以外は殆ど見たこともなかった。

わがやの子どもが1歳になった頃から、教育テレビをよく見るようになった。
子どもはピカピカブーとからだダンダンで踊り、わたしはわんわんが時折見せる、少しおじさんじみた仕草を見つけてみたり、カッパのみもものピュアな言動に癒されたり、おにいさん・おねえさんに優しく励まされながら忍者修行がしたいと思ったりしている。
教育テレビはいい。
手話ニュース以外では殆どニュースを取り扱わないので、見たくないニュースや悲しすぎるニュースに触れずに済む。
世の中には、子育て中でメンタルが弱っている母親にとって刺激の強すぎる事件や事故があまりにも多いのだ。
朝の時間、つい見てしまう情報番組に心を乱されるよりも、サボテンとイスとお風呂の中の人を見てほっこりする方が健康に良い。

そんなわけで、その楽しい番組たちをいつでも見られるようにとエヌエチケープラスを見るようになった。
該当の番組の時間に見なかったり、家事をしたい時、ごきげんをとりたい時などにそれはそれは活躍してくれる最強アイテムである。
受信料はきっちりお支払いさせていただきます。

エヌエチケープラスを使うようになってはじめて、「鎌倉殿の13人」という番組を知った。
エヌエチケープラスのトップには、常に鎌倉殿が君臨なさっているのだ。
番組は一度も見ていない。
想像してみる。
タイトルから想像されるのは、鎌倉という苗字の家族のファミリードラマ。
鎌倉家には、13人の子どもがいる。
その名も一郎、二郎、三郎、四郎、五郎、六郎、七郎、八郎、九郎、十郎、十一郎、十二朗、十三郎。
男ばかりの13人兄弟。
長男はしっかり者、末っ子の十三郎は甘ったれ。
おばあちゃんなどは、四郎以降の孫の名前と顔を覚えることを諦めてしまっているかもしれない。
「おや五郎かい」
などと声をかけては
「僕は十郎だよ 」
と返される。
「殿」と呼ばれるくらいなので、きっと名家だ。
古くからあって、大きな屋敷に住んでいるはず。そう、13人の子どもたちがのびのびと暮らせるような家。
毎日色々な事件が起こる。
たとえば、長男に初めての彼女ができる。
次男が部活中に足をねんざする。
三男が描いた絵がコンクールで入賞する。
四男はいじめの主犯だと誤解を受ける。
五男がある日犬を拾ってくる。
13人もいるので、事件は無限に起こるだろう。
視聴者のほうも、13人を覚えるのが大変だろうなあと思う。
でもそれほど熱心に見なくても大丈夫。
エヌエチケープラスがあれば、1週間は何度でも復習できるのだ。

子どもに大人しくしていて欲しい時などにエヌエチケープラスを立ち上げつつ、そんなことを考えている。
見たことは一度もない。

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