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KFCの思い出

 5/20、米投資ファンドのカーライル・グループは、非上場を目的に日本KFCホールディングスの株式をTOBで取得。その後、三菱商事が約35%を保有するすべての株式を取得する旨を公表しました。

 私がケンタッキー・フライド・チキン(以下KFC)の味を初めて知ったのは、小学生のとき。隣の街に飲食店だけが入るタワーが完成し、1階にKFCがオープンしました。母が作る唐揚げとは別物のオリジナルチキンのおいしさに、完璧に魅了されました。

 フリーランスで仕事を始めたとき、KFCの広報誌の仕事をいただきました。社長は、大河原毅氏。ステージ上で熱く語る氏の姿が印象的でした。当時は恵比寿の駅前に本社があり、試食会などはそこで行われていました。三菱商事から出向した年嵩のお偉い様も何人か参加されていて、オリジナルチキンを前に「こんな油っこいものいつもは食べないんだよね」と言われたことは、今でも鮮明に記憶しています。
 KFCの生命線は、ご存知の通りハーブとスパイスが配合された粉と圧力釜で揚げる製法。ブレはないはずなのですが、私には「KFCは店舗によって味が違う」という持論があります。他のファストフードチェーンでは、余り感じないことです。また海外においては、鶏肉が違うから味は変わります。80年代、本場米国で食べたオリジナルチキンは、スパイス感が弱く、大味に感じられて。日本のほうがおいしいと思いました。
 三菱商事が米国KFCと折半出資で運営会社を設立し、名古屋市内に1号店をオープンさせた1970年当時、一流商社が“トリ屋”をやると嘲笑気味に取り上げられていたことを覚えています。それから半世紀。山あり谷ありだった日本KFCは、三菱商事の手を離れるのでしょう。広報誌から新商品開発、クリスマスバーレルの販促など、いろいろお手伝いをさせていただきました。これからも唯一無二のオリジナルチキン、堪能します。
【食のトレンド情報  vol.967 2024年5月27日配信分】


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