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クーとの対話1

クーたん 何してるの?

楽しいものを探してる。

楽しいものって何?

口に入れられるもの。

何でも?

何でも。

おいしいとかまずいとか関係ないの?

ないの。口に入れられればいいの。

なくなったらどうするの?

また口に入れるものを探す。

永遠に探すの?

そう永遠に。

お腹いっぱいになったら探さなくて良くない?

良くない。お腹はいっぱいにならないから。

どして?

お腹には穴が空いていて地の底まで繋がってるの。

じゃ口に入れたものは地の底に溜まるの?

そう。ずっとずっと。

じゃあ、その地の底に溜まったものはどうなるの?

知らない。それは私には関係ない。

じゃークーたんは、地の底に入れるものの調達係なんだ。

そう。

そりゃ大変だね。

だね。だって永遠にいっぱいにはならないから。忙しいのよ。

確かにいつも忙しそうだもんね。

うん。大事な仕事。

じゃ、それが例えばいっぱいになったらクーたんは失業するの?

ううん。次の穴に繋いでもらうの。

じゃあ、クーたんにとっては調達することが必要なんだね。

別に。必要じゃないけど、決まってるの。

誰が決めたの?

クーたん。

じゃそれって変えられるんじゃない?日曜日は休むとか。

ふん、月並みね。

まぁね。でもたまには休みたくならない?

ならない。

じゃ、調達することが楽しいの?

楽しいとか考えたことない。ただやるだけ。

そっか。疲れない?

疲れない。

永遠にふさがらないお腹の穴に調達するの、空しくない?

ない。だって私がやってることは地の底に溜まっているんだもん。

そっか。じゃ誰もクーたんを止められないね。

うん。止められない。

でもママとは一緒にいてくれる?

いいよ。口に入れるものを出してくれる限りはね。

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