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自然児 釣りキチすずやん

わたしは今まで自分は記憶力がいいとずっと思ってきましたが最近わけあって昔の日記を見ていたら前回の記事に引き続きまたまた「こんなことあったんや〜?!ぜんぜん覚えてないわー」な記述だらけでたいへん驚いております。

読むとそこには見知らぬ自分がいて新鮮な気持ち、、、


特に鬱でひきこもっていた数年間は鬱なだけにウツウツしてどんよりと過ごしてばかりいたのかと思いきやもちろんそんな日もありつつも、え?なんだか楽しそうやん?な日々もあったみたい。日記見るまですっかり忘れていました。


その中からいくつか抜粋してみよう。




※《ひ》 名前ひでおの略。

※ 時はすずやん(ひでお)が中学生のころ。


ここからは抜粋です。

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1月◯日 『《ひ》相変わらず釣りキチの毎日。それに今またスケボー熱も加わり今朝は雨が上がってからバッグに釣り竿数本さしてスケボーに乗って行ってしまった。アブナイな〜。でも止めるわけにもいかないし。こないだはシーバス釣りに南港へ行きなぜかカヌーが海に浮いててアホなことにそこに乗ってその途端カヌーがひっくり返って真冬の海に落ちタカオと濡れて帰ってくるという季節感まったく無視の状態、、

「今日はゼッタイ季節外れのことはやめる!ウオォォーーン!!」

と雄叫びながら行った。が、やはり雨上がりなためなんやかんやでドロンドロンになったと言って帰るなりお風呂に入ってスケボーも洗ってた。私は洗濯した後こたつでうたた寝しててフト目を覚ますとこたつの上にお風呂上がりのTシャツとトランクス姿の《ひ》が座っていた、、、「…なにしてんの??」聞くと「うさぎが発情してるから高いとこに避難してる」見ると発情したうさぎがまだかまだかと《ひ》がこたつから降りてくるのをウロウロしながら待っている、、、平和である』

【注記】発情したうさぎにつかまると前足でしがみついてきて腰を目にも留まらぬ速さで振りはじめそのまま射精しちゃうのです



◯月◯日『気になってた台所をすっきり片付けた。居心地よくなって最高〜!なのでいい気分になって晩ご飯どき大きなテーブルはさんで、

わたし「いらっしゃい、今日は何にする?お客さん昨日も来てくれたわね。お仕事は何されてるの?」

《ひ》「ー釣り人(つりびと)」 即答。


 


◯月◯日『(まったく勉強しない釣りキチ中学生の)《ひ》が進路希望のプリントをもらってきた。うーむ、、、

何しろ《ひ》は頭はいいし性格も良いしカワイイし…なのだが、返されたテストの点がものすごすぎて、、、果たして行ける高校はあるのか。


《ひ》は遠慮がちに言った

「釣り関係の高校があれば(いいんやけど)、、、」


母(わたし)食い込み気味に「そりゃあそう思うだろうキミなら!でも、ないっ!そんな高校はネ!!」


親子でどよーん

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抜粋ここまで。


その後、幻の釣り人のための高校に入ることなく家庭教師をつけてやっとこさ入れた底辺オブ底辺の普通高校。相変わらずぜんぜん勉強する様子なし。釣りに加えてベースで数バンド掛け持ちするようにもなりバンド活動にはお金がかかるからと【近所のスーパーの「女性のみ募集」の貼り紙を見てスタジオ帰りのベース担いだ格好で「男はダメですか?」と入ってったら面接してくれて即決だったレジ打ちバイト】も始めて大忙し。

そんなでも不思議なことに数学だけは常に100点とってくるのでわたしはすずやんがテスト用紙を持って帰ってくるたび「すごいやん!」と驚いて冷蔵庫にマグネットで貼りまくってた。わたしは国語が得意で文系なのですずやんと真逆。数学満点💯なんてカッコいい〜〜!!


他の教科はズタボロなのになんで数学は出来るん??ある日すずやんに聞くと「数学は合理的やからな。公式さえわかったら解けるからおもしろい」ほぉーへぇー()


17年後のいまは釣り竿よりベース(これも竿だ)に触れてる時間のほうが断トツに多いけどもし体が2つあったら絶対もっとしょっちゅう釣りに行ってるはず。でも体はひとつ。まさかの釣りより夢中になれるものに出会い魔改造ベーシストとしてライブステージで相棒シュバルツ様🎸と跳んだり回ったり難しいベースフレーズ弾いたりして超絶たのしそうなすずやん見てると子どもの頃に外遊びで身につけたのと元々もってる身体能力ぜーんぶばっちり生きてるなぁ!と思う。


すずやんという生きものを産んで男の子ってする事なす事想定外過ぎ!なんて驚いたり面白がってるうちにあっというまにわたしも60歳超えた。ウケる。10代で死ぬつもりでいた自分がまさかこんな歳まで生きてるとはこれこそ想定外。これからも寿命が来るその日まで「次は何するんやろ〜?!」と面白がって生きてくんだろう。「息子が元気で好きなことしててキテレツで面白すぎてたのしい」なんて人生の喜びの中でもデカいのではなかろうか。おまけにカッコいい。わたしはしあわせである。


ではまた!



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