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本の1行め


どの本を読むか決めるとき。私は大体、書店で背表紙とにらめっこをして、なんとなく、ピンときたものを購入する。事前にネットで、ベストセラーやおもしろいと言われている本を調べて読んだものは、大体ハズれる。おもしろくないとなる。世間と自分の感覚の差に一瞬、うん。となる。

書店でなんとなく手に取り、1行目で心を掴まれた小説やエッセイがいくつかある。そしてそれは大抵最後まで裏切らない。右肩上がりでおもしろい。
だから、1行目は私にとって結構重要。読書が好きな人はみんな、おなじ感覚なのかな?そこも知りたい。

勝手に好きな1行目を紹介しますね。まず、

゛煙たい味のする雨が下唇に落ちて、わたしは舌打ちをした。゛
津村記久子著『君は永遠にそいつらより若い』

ここで言う好きな1行目を読んだ時の感覚って、音楽イベントに行って盛り上がる一節の時に片手あげちゃう感じの心の踊り方と似てます。記号でいうと、⤴ こういう感じね。心が⤴。

小説の中で立ち上る強者と弱者の差、世の中の抗えない力に屈服するしかないのかという鬱々とした苛立ち。この小説の全体的な雰囲気を、1行目だけで表現していて、津村さんの小説は冒頭だけでなく、1行1行が好きだなと思う作品ばかりです。


ふたつめ

゛さみしさは鳴る゛
綿矢りさ著『蹴りたい背中』

この1行目から主人公のこころの描写が続くんですが、イタくて、繊細で、儚くてだいすきなんだよな~。
さみしさって動詞つけると、「鳴る」よね間違いなく、、、、。
自分の中の言葉にならない感覚が、言語化されていると安心する。
さみしさが鳴ってた時代もあったなーー!!思春期の私!大体そんなときは、西野カナに共感を求め、AquaTimesに勇気づけられてたわー。こないだOrangerange久しぶりに聞いたら懐かしさで爆発しそうだった。
それにしても「モラルはじく肌蟻地獄」って語感良すぎない??


話がソレました。汗


みっつめ、

゛とどきますか?とどきません。゛
綿矢りさ著 『勝手にふるえてろ』

この一言から始まる数ページが、この一言で予想できるように、もう心が暴走してて、自分の中で全部完結してこじらせてひねくれてる拗ねてるヨシカがめんどくさいけど、愛おしくてたまらない。映画も何回みたことか。松岡茉優ちゃん、渡辺大知くん、最高です。

とまぁ、こんな感じです。
みなさんの好きな1行目、知りたいです。


読んで頂き、ありがとうございます。





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